番外編②「先生って不良に優しいよね」
この言葉を言われたら皆さんどうするだろう?
前回まで主に書いてきた生徒は本当に一部。全校生徒550人ほどいるうち、多くても10人から15人ほどだった。全体の2%ほどだ。
だが、彼らがくると教員の数を増やして対応することになる。エスケープや器物損壊などが起これば、授業している教員以外は現場に駆けつけることになる。
気をつけていたことはバランスだ。その一部の子たちばかり注視して、他の生徒への気配りや関わりが薄くなってしまっては本末転倒。
特に休み時間や昼休みは、彼らの動きに注意しつつも、より多くの生徒との会話を心がけていた。学年会でも常々確認していった。
そんな中、ふとしたタイミングで男子生徒に言われたのがタイトルのこの一言。
「先生って不良に優しいよね」
服装指導や頭髪指導などは全体に行っていたわけだが、ボタンを全開にし、茶髪で学校に現れる生徒がいる。教員は当然注意するが、話を受け入れず、そのままの状態で教室に入ったり校内をフラフラすることもあった。
他の生徒たちの目にも触れる。我々教員が、茶髪の子たちと談笑することもある。
「服装も頭髪もメチャメチャなのになんで先生は笑って話してるんだろう?」と思う子がいてもおかしくはない。
そして、全体とのバランスに気づけてはいたが、やはり問題が起こらないかどうかへの気配りの方に偏っていたのかもしれない。
当時、この一言に自分だったらどんな答えを出すだろうかと随分悩んだ。
みなさんはどうだろうか?
「向き合う課題の違い」
学校や社会で守っていくべきルールを君たちは守ることができている。彼らは今そのルールと向き合っていて、僕たち教職員もそれを理解してもらうために必要な言葉がけをしている。 それを理解している君たちには、別のチャレンジをしていってほしいと思っている。
だから関わり方が違ってみえるのかもしれないね。その課題の違いを理解してくれると僕たちも嬉しいよ。
これが今考える自分なりの解答だ。賛否あるかもしれないが、ぜひ他の方のご意見もうかがってみたいところである。
別の記事に書いたが、ここでいう学校のルールには理不尽なものも多く、見直していかなければならない。不要ないき過ぎた指導は生徒に不信感を抱かせるだけだ。
そして、全員に学びの保障を行う観点で言えば、茶髪・ピアス・服装×だから別室というのは考えるべき。
ふと思ったのだが、不登校の子も含め、こんなときのためのオンライン授業、ICT化ではないだろうか。
どうしても教室に入ることができない生徒への選択肢の一つとして、自宅や別室でも授業を受けることができる。
関係機関に通所するだけでない、このような選択ができれば学校はより魅力的になるのではないか。
この点からも、休校だからオンライン、学校が始まったから対面、という考え方でなく、日常的にICTが使える環境を整えていくことで、より多くの生徒たちの学びを保障することになる。
私にできることは少ないが、自分の行動や働きかけで職場の意識から変えていきたいと思っている。
次からはその時の気分でテーマを変えながら、自分自身の考えをまとめていきたいと思います。ありがとうございました。
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