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投機の流儀 セレクション

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メールマガジン配信大手の「まぐまぐ」で好評を博し、堀江貴文氏(ホリエモン)と並んで2年連続「メルマガ大賞」を受賞、殿堂入りした週報「投機の流儀」。 人生の前場をセルサイドとして、… もっと読む
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#日本株

【投機の流儀 セレクション】日経平均4万円超えの説も一理ある

筆者の所属している景気循環準学会の客観的なデータによれば、中長期の景気循環から日本株の上昇が長期に渡る可能性を指摘できる(当学会において株価予想はしないし、本質的に関係はないが、株価は景気に先行するからその景気の動向は大いに重要である)。 今の日本株の上昇は、 1:PER・PBR・利回りなどの客観的指数から見て、日本株は欧米先進国に比べて割安感があること。 2:東証による上場企業に対する企業価値改善への要請に対する対応が動いていること。 3:それを見ての海外投資家の大幅な買

【投機の流儀 セレクション】待ち受けていた「調整」に入ると、「下値限界」はどこかが騒がしくなる。

今年は大発会1月4日が、今のところ今年最安値(25716円)であり、7月初旬がいまのところ今年度最高値(33753円)であるが、これは6月19日の高値と正確に「ツラ合わせ」であり、このまま弱含めば、一旦はダブルトップを形成する。 アメリカの独立記念日含めて、米国休場のここ一両日が日本市場の相場の強さが試される時となるだろう。状況次第では6月19日と7月6日の高値をもって、一旦はダブルトップを形成した。 今のうちにお伝えしておきたい。 調整(下げ相場か)に入ると、下値限界を

【投機の流儀 セレクション】電力業界に吹いた「神風」の正体

「神風」という表現は、週刊ダイヤモンド誌5月20日号の電力10社の決算に関する記事の見出しの文言である。 東京電力ホールディング(HD)は最終赤字だったものの、23年1月時点で予想していた赤字額から61%も赤字を圧縮する結果になった。関西電力は通期予想で1450億円の巨額赤字を見込んでいたが、176億円になった。中部電力は通期1300億円の赤字を見通していたが、382億円の最終黒字になった。 通期決算を見れば、半年前の懸念が嘘のような驚くべき結果になった。これは電力業界が

【投機の流儀 セレクション】日銀が10年以上もかけて大量に購入したETFはどう処分するか?

これの前例は1964年に大蔵省主導でつくった日本合同証券である。日本合同証券が株式市場の投げものを買い取って大量に株主となった例であり、それでも「日経平均1,200円」という「死守すべき線」を守れなかったので、1965年に証券保有組合というのをつくらせて、また市場の投げものを買い取った。そして、この両者が膨大な株式を持つに至った。ところが、それでも下げ圧力に抗し切れずに1,200円を割れて1,020円まで短時間で下げ、所謂「第二の昭和恐慌」と呼ばれる「40年不況」を生んだ。そ

【投機の流儀 セレクション】荒天に備え高配当株を持つ

これは日経ヴェリタス紙1月15日号の特集の基本的な考え方である。2022年は高配当株が強さと安定感を見せた年だった。その実例を色々と列挙して、今年は株式市場の不安定が見込まれるが、高配当株投資にとっては逆にチャンスになり得るという旨の特集である。 財務内容が良く収益が安定している銘柄を選ぶことであり、それはある程度の大型株で出来高が多くなければならないという考え方。そうするとジョン・テンプルトンが言った「PERが10倍以下でPBRが0.8倍以下で利回りが7%以上」という条件

【投機の流儀 セレクション】特殊のケースは別として「順張りは禁じ手、逆張りの年」

23年に入ってからの第一週で2万6,000円台が一瞬付けただけであった。この時(2万6,000円台を一瞬付けた時)の特色は、①25日移動平均乖離率の大きいものが上がった。第一週目の週末は日経平均が0.6%高に対して25日線からの乖離率の5%以上のものは2%~4.4%の上昇をした。②二つ目の特色は全33業種の中で空売り比率の多い業種が上がった。一番目は海運業であり空売り比率が64%台だった。二番目に空売り比率が多いのは石油石炭関係だった。こういうものが買い戻しで上がった。 今年

【投機の流儀 セレクション】GAFAMとテスラを売った巨大な金額はどこへ向かう?

NY市場でGAFAMとテスラとの合計金額はSP500に占める割合が2021年初頭では25%だった→2022年末には15%に落ちた。このGAFAMとテスラが売られた金額は巨大である。大幅に売られたからSP500の25%を占めるGAFAMとテスラの株価が2021年には15%に落ちたのだ。この大幅に売られた金額は巨大である。この巨大な金額はどこへ行ったか?どこかへ回るはずである。 日本株の1株当たり純利益は今は約2,400円。ここにPER15倍を掛けると3万6,000円という値段が

【投機の流儀 セレクション】日本の上場企業の異常状態、上場企業の約半数が会社の株価が解散価値よりも低い

これは異常な状態である。このことをあまり話題にすることはなかったが、有識者や実務家が「フォローアップ会議」というのを4月末から始めた。日本企業のPBRの低さという世界的な的な異常を語り合う場面があると思う。東証によると12月第2週現在で1,837社のプライム上場企業のうちの922社、ちょうど50%強がPBR1倍を割っている。つまり、「解散価値よりも低い」というのだ。時価総額の大小に関係なくそういう現象が起こっている。TOPIX500の構成銘柄でもPBRの1倍割れは43%だ。4