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100時間残業頻発のインフラSEが、4社複業&家族イベント皆勤賞に辿り着いた働き方改革(後編)

前編から

前編はこちら
https://note.com/touge_moved/n/n942b109b9c78

極々ありふれたサラリーマンだと思っていたが、前職を離れてから、ニュースで過労や100時間残業が頻繁に話題になるのを見て、もしかすると自分も当てはまるところにいたのだろうかと思うこともある。

報道が過熱しても未だにいまいちピンとこないのだが、家族の表情を見ると、それだけで転職は成功だと言って良さそうだ。

後編ではkintoneを始めてからを振り返ってみた。前編でkintoneとの出会いは偶然だと書いたが、本当に偶然だったが、その後は?

誰宛でもない、思いつきの乱文であることを予めお許しいただきたい。

ラブ・ストーリー(?)は突然に

本当に偶然すぎたのでもはや詳しく覚えていないが、別部署から何か便利にならないの?とガチ目に相談されて「グループウェア」と何かのフレーズを検索した結果に、たまたまkintoneが上位に出てきたのだと思う。

サイボウズという会社のことも全く知らなかったし、当然愛着も贔屓目もなかった。単純に安価な月額、自由度、なんか流行ってそう…それくらいの理由で選んだのだと思う。

今をときめくキンボウズさんが"キンボウズ"になる前、既に仕事の付き合いは度々あったので、会話の中で『kintoneとかいうのも名前は聞きますね』くらいの話をしていた気もする。

見てるだけでは始まらない。とりあえず無料の試用期間を申し込んだ。

こうしてついにkintoneの海に飛び込んだのが2016年夏のこと。

ダメ思考からワクワク思考へ

kintoneがおもしろい。とっつきやすいくせに奥が深い。作り込んだアプリよりもサッと作ったアプリが浸透したり。実に不思議なツールだ。改善要望に即対応できるのも良い。自分で育てていくのもなかなかに楽しい。

現場で作って

現場が使って

現場で直して

気がつけば『こうしたい、じゃあどう実装しよう』と考えている。

『ゆっくりのんびり自分の仕事だけやっていたい』
などというダメ思考から、

『さあ、次はどこをkintoneで業務改善してやろうか』
というワクワク思考になっていった。

最大の転機、cybozudays2018大阪へ登壇

kintoneの効果が少しずつで始めた頃にcybozudays2018大阪に登壇することになった。これが大きな大きなターニングポイントだ。

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ユーザーとしての取り組みを紹介する場だが、何百名といる前で話すのは、正直言って楽しかった。kintoneを始めて良かったなーと噛み締めながら話した約20分、非常に良い経験をさせていただいた。(もちろん反省は多々…)

海の底から海上へ

人前で偉そうに話しはしたが、まだまだ知らないことだらけだった。

twitterはアカウントを持っていなかったし、ノウハウを公開しているブログがあるなんて知らなかったし、kintone導入支援を生業にしてる会社があるなんて知らなかった。

ずっとライトコースだけでやっていたので、プラグインだの連携サービスの魅力なんて対岸の別世界。認定資格の存在も見たことはあったのだろうけど、ちゃんと意識したことなんてなかった。

マニュアル資料とサポートデスクのみでやっていたので、そりゃ知識もネタも広がりませんよ…食わず嫌いの機能もあったし。

それがこの登壇を期に色んなところに多くの情報があることを知り、まさに海の底から海上へ出た気分だった。

twitterで見つけた募集、MOVEDとの出会い

懇親会に招待いただいたり、登壇の話もいただくようになったが、あくまで1ユーザとして。ある壁を感じるようになっていた。

問い合わせをいただくなど興味を持ってもらえるが、あくまで一般論で返すのみ。導入のお手伝いを求められても企業人として動くことはできない。自社にメリットが全くないから。既にある事例などを紹介して『あとは頑張ってね』で終わり。

kintoneで複業することは全然考えていなかったのだが、この微妙な壁を壊すような良い貢献手段がないかと思っていたところ、twitterでメンバー募集の投稿を見つけた。

『WEBマーケを学びたい方募集!今から勉強する人でも可!』

即応募。WEBマーケの募集なのに『kintoneで業務改善のお手伝いをします』という熱っぽい長文を送りつけた。また迷惑な話である。

先着で埋まったら終わりだと思って、自社の複業既定や条件など何も考えず、直感で応募したが、面談を経て雇っていただけることになった。

これが株式会社MOVEDである。フルリモートでフリーランスの方々に囲まれるなんて、周囲の全員がゴルゴ13の感覚でビビリまくりある。

同時にさらに別の複業の話が…

さて、複業することになったが自社の複業既定はどうなのだろうか。ここまで一切出してこなかったが、私はある病院と常勤雇用を結んで働いている。

医師や看護師で複業している人は何人もいるからまあ大丈夫だろうと思っていたら、また新しい話が舞い込んできた。

別の病院からのお誘いである。ヘッドハンティングなんて書いたらかっこいいが、ドッキリだったり陰謀にハメられていたらどうしよう。

病院間連携のコミュニケーション基盤で、一緒にkintoneしましょうよ〜と病院回りをしていたら、訪問先の院長から

『君、業務改善に関するICT支援でうちへ来なさい』と言われた。

私の所属長も同席している場で、である。これには驚いた。

『君のところの院長には私から一言言っておくから。大丈夫。』

一体何がどこまで大丈夫なのだろうか 笑笑

ちょっとしたお手伝い?単なる冗談?どちらでもなく、転職してきなさいと。さすが病院長。勧誘がどストレート過ぎて私の所属長は困っていた。

後日、改めて想いを伺うと非常に面白そうなので、週1回で協力することでまとまった。別の病院との縁を、先方には導入してもいないkintoneが繋いでしまい、3社目の複業が決まってしまった。もちろん私にとっては新たなチャレンジで喜ばしい話だ。

一層の気合が入るのだが…

まだまだ重なる複業の話…

私は転職してから広報も任されるようになり、『パソコンに詳しいならカメラもできるよね』というTHE・無茶振りで撮影業務もしている。撮影はデザインの勉強になるからとても面白い。引き受けて正解だった。

すると、どこからかイベント撮影を相談されることが増えてきた。

気付けば4つ目の複業である。こちらは個人として受注しているので、定期的な仕事ではないが、ありがたいことにある程度コンスタントに案件をいただいている。サイト化もしていないので、完全に口コミだけでやっている。

カメラマンを繋いできたのはkintoneではないが、振り返ると、ダメ思考をワクワク思考に変えてくれたkintoneから巡り巡って生まれた話だと思っている。

kintoneをちょっと頑張ったことと、コミュニティに飛び込んだだけ

前職ではインフラ一筋、自社製品に特化して業界動向のチェックにも手が回らないほどに、100時間超の残業を繰り返していたが、病院へ転職して1年後にkintoneと出会ったことで人生が大きく変わった。

kintoneをちょっとだけ頑張っていたらcybozudays登壇を経験でき、そこから世界がドカンと広がった。

コミュニティ(と言ってもtwitterとかブログとかだけど)に飛び込んでみたら世界がドカンと広がった。

つまり、選択肢が増えた。複業せずに現職1つに専念し、ユーザとしてkintoneを、業務改善を追究するという道ももちろんあった。病院内でオンリーワンの立場でプロ雑用するのも居心地が良い。やや暴論だが、責任は全て病院持ちなので気楽である。

しかし私は複業を選んだ。語ると色んな理由は出てくるが、シンプルに楽しそうだったから。気付いたらもう飛び込んでしまっていた。

別に複業のためのスキルを身に付けようと息巻いたわけではないし、こんな状況を狙ってなんていなかった。本当に目の前のkintoneを頑張って、コミュニティに飛び込んだだけだ。

いつも背中をガツンと押してくれる瀧村さんには心の底からの感謝しかない。

言うなれば、人生を変えたのはkintoneではなく瀧村さん、というかキンボウズなのかもしれない。twitterやりなさい、ブログしなさい、noteしなさい、もっとちゃんとkintoneしなさい…いつもケツを叩かれまくりなのである。

そう、まとまれば強い。なんてね。

現在の働き方、楽しい働き方にこだわる

2020年3月1日、私の働き方はまた更新された。

常勤雇用だった病院は常勤から非常勤になり、就業時間を短縮した。複業先の病院は週1日、カメラマンは依頼が来れば随時対応、残りをMOVEDに充てている。

これも所属長にストレートを投げ込んだ。

『複業の病院とMOVEDで働く割合をもっと増やしたいから、常勤から非常勤に変更したい。ただこの病院でも働きたいから辞めはしない。』

よくぞクビにならなかったと思う。すぐに理解を示してくれた所属長にも深く感謝である。

『あなたの希望する働き方はグループ全体でも例がない』

病院のいわゆる事務系職員で私のような働き方をする人は日本でもごく少数だろう。どこにもいないかもしれない。近隣の2つの病院で働きながら、ベンダーとしても別会社で働き、内容はどれも業務改善ICT支援だなんて。

しかもそんな働き方を日本中で登壇して喋っているなんて。他の医療人が聞いたら誰もが驚くだろう。

ただ、楽しいのだから仕方がない。せっかくなので体が動かなくなるまで楽しい働き方を追求してみたい。楽しければ深夜でも早朝でもいくらでも働こう。ダラダラしたりサボる気なんてさらさらない。

kintoneにこだわりはしない。楽しい働き方にこだわるのだ。

子供から『お仕事は何をしてるの?』って聞かれたら困るんだけど笑笑

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