私が「自己啓発本100冊」を気持ち悪く感じた理由
少し前、「読書の秋に読みたい本100選」というようなtweetがバズった。どちらかというと好意的ではなく、批判的な意味でバズったのである。100選といってもジャンルの偏りが著しく、いわゆる「意識高い系」の自己啓発本やビジネス本がほとんどだったからである。
なぜ、Twitterに住まう読書好きはアレに拒否反応を示したのか。
前置きしておくと、私は自己啓発本自体が悪いと思っているわけではない。
自己啓発本・ビジネス本は、大抵厚手の紙でフォントも大きめ、ページ当たりの字数も少ない。こうした本の特長は、手軽に読めた上に「自分は何者かになれた」という快を得られることだと思う。
食品に例えるならばファストフードといえる。何を食べようと誰かに指図されるいわれはないのと同じく、何を読もうと本人の自由である。
とはいえ、ファストフードを時々食べるならいいが、毎食それは不健康だ。というか、普通はもたないだろう。すぐ飽きてくる。
自己啓発本もそれに似ているかもしれない。読書習慣のなかった人が、手始めに2~3冊読む分にはいい。だが、普通はそのうちに「もっと歯ごたえのある本を読みたい」とならないだろうか。
自己啓発本が100冊並んでいる光景は、「私は一年365日全部マクドナルド(吉野家)です」というのと似た異様さがある。
これが、私なりに考えた、例のtweetが醸し出す不気味さの正体である。
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