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「ChatGPT」が思った以上にポンコツだった話

 最近話題の「ChatGPT」はご存知でしょうか。AI研究機関「OpenAI」が開発・公開したチャットツールで、人間のような会話を自動生成します。日本語にも対応しています。

 質問に答えたり、求めた文章を生成してくれたりと非常に便利なため、各所で話題になっています。

 ちょくちょく適当な答えを返してくるという報告もありましたが、興味がわいたので使ってみることにしました。

衝撃的な珍解答

 まず、「邪馬台国はどこにありましたか?」と質問。畿内説・九州説とあって確定していないのは承知の上なので、少し意地悪な質問でした。が、解答は予想の斜め上でした。

日本ですらなかった

「現在の中国、ベトナム、ラオス、タイ、カンボジア、マレーシア、インドネシアなどの地域に拡がっていました」

 一体どんなデータを学習させたら、こんな回答になるのでしょうか。

傷口は広がる

 訂正のフィードバックを入れておきます。

謝罪だけは素直

 素直に謝るのですが、またボロが出ました。「本州中部から九州にかけて存在が確認」はされていないのです。

また適当なことを

 今度は邪馬台国の存在そのものに疑いを持ち始めました。
 知らないのは構わないのですが(日本語によるデータはあまり多くないのでしょう)、誤った情報を断定的に語るのはどうなのでしょうか。

 以下、情報を与えて精度の向上を試みました。

「魏志倭人伝」を教える
有力な2説を教える
年代を訂正
時代区分を訂正
やっとそれらしくなってきた

 ここまでを区切りとして、やり直し。

「邪馬台国は歴史上実在した国家であること自体も疑われている」とのこと。存在そのものへの疑念を取り去ることはできませんでした。

話を聞かないAI

 邪馬台国の話はここまでとして、質問を変えました。

これはひどい

 南北朝時代は中国にもあるので、「日本における南北朝時代」としました。ですが、間違えました。日本史、中国史、朝鮮史の区別がついていないようです。

 突っ込みどころは多々あったのですが、ひとまず3点ほど訂正。

 及第点には程遠いのですが、疲れたのでここまでとしました。

 AIが膨大なデータを学習しているからといって、限界はあります。細かい知識を知らなかっただけで馬鹿にするべきではありません。

 しかし、このレベルまでとんでもない回答を堂々としてくるとは思いもよりませんでした。

 実在の人物や国、企業についてもっともらしい誤りを書いたり、ありもしない出来事などをでっち上げたりしそうで、正直心配になります。

 ともあれ、道具は何でも使いようです。過剰に持ち上げるのは控えつつ、賢い使い方を模索していくのがよさそうです。

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