映画『キングダム 運命の炎』| 誰かを生かすために生きるということ
あ、すいません、先日公開した『キングダム』映画第4弾『大将軍の帰還』の感想じゃありません!
子供が小さいので映画館には滅多に行けないため、先日金曜ロードショーで放送してた『キングダム 運命の炎』の感想です。
吉沢亮の俳優としてのポテンシャルに震え、(それまでただのイケメンだと思ってた)、長澤まさみの存在感とオーラに圧倒された第1弾。
ONE OK ROCKのエンディング曲も含めて、世界に挑戦しようとしてる!!!と興奮したことを覚えています。
楽しみにしていた第2弾。
自分でもびっくりするほど一気にトーンダウン。
吉沢亮は宮殿にいるだけ、長澤まさみも出ない。
山崎賢人と橋本環奈のコンビの演技が若干漫画っぽい印象を受け、エンディング曲もミスチル好きなのに「これじゃない感」に包まれてしまい、あ、私『キングダム』ここまででいいやと思ったあの日から早数年。
先日、会社で同じチームの人に「オススメの邦画何かないですか?」と聞いたところ『キングダム』が出てきました。
私、『キングダム』第2弾で卒業したんですよ〜と理由を話したら、
「(山崎)賢人も頑張ってるから見てやってよ」
「第4弾はまたまさみも出るから」
「イケメン小栗旬も出るよ」
「とりあえず3弾見てみて」
と言われたので映画第3弾見てみました。
思いの外、人の意見は聞くタイプです。
そしたらですね……
面白かったです!!!
すいません、『キングダム 運命の炎』めちゃくちゃ面白かったです。
第2弾で『キングダム』は卒業した、とか馬鹿なこと言っててすみません。
第3弾にして再び吉沢亮にスポットが……!
王を生かすため、中華統一という未来の平和のため、人々が命を落とし、生かされた者がそれを背負って生きていく。
個人的にやっぱりそこを『キングダム』では感じたいんですよね!(え、何様?)
にしても、あの、紫夏(杏)とのくだりをあそこまでの尺使ったの勇気ありますよね。
2時間ほどの映画で、全体のバランスを考えると普通は回想シーンあんなに長くできないですよ。私が脚本家だったらものすごく大事なシーンだと十分理解しつつも削る選択をします(いや、脚本家じゃないので何の参考にもならないですけど)。
回想シーンにあそこまで長尺を使えたのは、この映画の脚本にちゃんと原作者も入っているのと、この映画が4部作という形を取れたことに寄ると思います。
2時間の映画の中で回想にあの尺はどうかと思いますが、おおよそ8時間の物語の中であれば違和感ありません。
将来、王になる予定の男を守るために、迷いもなく盾になれるの凄すぎ。あんな風に守られたらそりゃあ嬴政(吉沢亮)もやるしかないよ。死ぬ気で統一目指すよ。
お前が脱走しなきゃ誰も死なずに秦国まで辿り着けたかもしれないのに!!!!と思わず吉沢亮に大声で文句言いましたけど、幻影見えちゃったからね。仕方ないよね。うん。と自分を納得させました。
というところまでがこの映画の前半。
『キングダム 運命の炎』は完全に前半と後半で話が分かれてます。
前半は、秦へ侵攻を開始してきた趙軍に対抗するために嬴政(吉沢亮)が伝説の大将軍・王騎(大沢たかお)を総大将に任命し、嬴政が王毅に自分の過去を話すというパート。(ちなみに賢人もちゃんと柱の影から盗み聞きしてました)
後半は、王毅将軍と共に信(山崎賢人)が戦場へ向かい、たった100人の兵士しかいない信が率いる『飛信隊』が2万の軍隊を率いる敵将を討つ、超エンターテイメント!
まず、言いたいのは、
王毅の腕がやばい。
大沢たかおが仕上げまくり……
私これ金曜ロードショーで見たんですけど、何に1番びっくりしたかと言えば、映画終了後に最新作のPRのために出てきた大沢たかおがもう細っそりしてたことです。
体マジでどうなってんの?!
さて、後半のストーリー。
半分農民みたいな、しかも100人しかいない信の隊に、敵将を討てと言い出す王毅やばくないですか?
普通に考えて絶対無理でしょ。
しかも、山の裏(もはや崖)から敵陣を目指している途中で敵軍に見つかって、信たちは部隊を分けることに。ただでさえ100人しかいないのに分けるって……!
残る奴、正直もう無理だなと思いました。そもそもみんな大した武装してないし、大した武器も持ってないんですよ。ここで敵陣を止める奴、間違いなく死ぬ……涙
でもみんな、自分の大切な人のために、最も敵の首を狙える信を前に行かせて自分は残ろうとするんです。
たとえ自分がここで死ぬとしても、この戦いで勝利することが自分の大切な人を守ることになると知っているからです。
嬴政が、多くの人に守られて、平和を託されたように、
信も、仲間の「大切な人を守りたい」という気持ちを背負い、信を信じる仲間によって、敵の首を斬ることを託されます。
映画の前半と後半のパートの印象はだいぶ違いますけど、後から考えると、実は同じようなことが描かれていたような気がしました。
王になる吉沢亮を生かすために、最後まで戦い、最後まで敵を倒した杏たち。
隊長である山崎賢人を生かすために、その場に残って敵を食い止めることを決めた濱津隆之ら隊員たち。
自分が信じる誰かを生かすために、自分は生きるということ。誰かのために死ぬ、ということではなくて、誰かを生かすために、どのように生きるかということ。
それを見せられせました。
で、信たちが二手に分かれた時、離れたところから秦軍の指揮をとっていた王毅将軍(大沢たかお)の隣にいた騰(要潤)が一言。
要潤「隊を2つに分けましたな」
……いや、視力いいな。
なんでそう思ったかって、その少し前のシーンで信たちが山の裏から敵陣を目指してるシーンが少し引きで映ったんですけど、マジでどこにいるかわかんなかったんですよ。
あの引きでわかんなかったのに、それより遥か遠くにいるはずの大沢たかおと要潤が見えてるの凄すぎ!2人とも目がいい!!!
一方、信たちが少しずつ本拠地に近づいていることに苛立つ敵陣。
敵陣「名もなき農民兵に何をしておる!」
私「すまん!信はこの物語の主人公なんや!」
思わず叫んだ私ですが、画面に映った敵陣の多さにドン引き。
敵多すぎーーーー!!!!
無理無理無理無理無理無理!!!!!!!!!!
王毅将軍、信たちを信用しすぎじゃない?
何あの敵の数!!!こっち全滅以外ないよ!!!
みんな大した装備もしてないんだぞ。
しかも戦場まで徒歩だったし!
味方が信を行かせるために敵を食い止めるんですけど、まぁ今にもやられそう……
信、はやくーーーーーー!!!!!!!!!!!
と思ったらドカっと飛んでサッと敵将の首をとりました。
斬ったぞーーーーー!!!!!
やったーーーー!!!!!
………………。
って、敵だけど、敵の奴らもうちょっと頑張れなかったか?!
信たち近づいてきてたことわかってただろうよ。敵将(片岡愛之助)も撤退言うてたじゃん!もっと警戒してくれよ!全力で、愛之助を守ってやれよ!あんなあっさり信に斬られていいのかよーーー?!
という謎の心理に一瞬陥りましたけど、とにかく信が敵将を討ててよかった。これで、半分に分かれた隊員たちの死も報われるってもんで……
みんな生きてたーーーー!!!
うそーーーー!!!
首取るにしても仲間死んでると思った!!!!
セリフがあるような奴みんな生きてた!!!
主要な奴がみんな生きてた、ということに『のぼうの城』見た時くらい衝撃ありました。
いやー、よくあんな風貌でみんな頑張ったね。優秀だね。
と言っても、主要な奴が死ななかっただけで、信の「飛信隊」にも31名の犠牲が出たことがわかります。悲しいですが、31名の犠牲が出たと言われても主要な奴がみんな生きてたんで、なんとなく観てるこちらは「みんな生きててよかったね」感が出ますね。(それでいいのかどうなのかは不明ですが……)
そして夜、祝杯をあげる「飛信隊」のところに、どでかすぎる矛を持った男・龐煖(吉川晃司)が現れます。
しかもめちゃくちゃ強い。
しかも、こいつこそが今まで謎に包まれていた趙国軍の真の総大将らしいことがわかる。
どうする?
どうする?
どうすんの?!!!!
というところで第3弾は終了。
吉川晃司の登場が、もはや『鬼滅の刃 無限列車編』の猗窩座でした。
1つの大きな戦いがやっと終わり、死者も出さずに乗り切り(飛信隊は出てますけどね、主要な人じゃないのでね)、ほっとしたところでめちゃくちゃ強い奴登場っていう……。
いや、待ってくれよ、今じゃなくていいだろうよっていう。もうちょっとこっちにも「よかった、よかった」っていう気持ちで居させてくれよ。今来なくてもいいじゃねーかよ涙!!!っていう。
第2弾で1度卒業(自主退学?)した『キングダム』ですが、第3弾で再び入学、第4弾で改めて正式に卒業できそうです。
おしまい。
今回の橋本環奈は完全な解説者。
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