GTP in San Diegoの備忘録 3日目(前半) 「生徒に選択肢を」と気づいたProject Tuning
2/23。GTP in San Diego 最終日・3日目。
3日間のハイテックハイ(以下HTH)でのツアーを時系列に沿ってみていく。
(一部写真は他の参加者の方が撮影されたものを含んでいる。)
前回の記事はこちら。
授業前:職員会議でのProject Tuningからスタート
7:45からの朝の職員会議で、Project Tuning。それぞれ発表者は分かれて、2、3人の先生に対してプレゼンをする。
7分程度でプレゼン→質問→ディスカッション→リスポンス という流れだった。
私の元には、歴史の先生とスペイン語の先生が。スペイン語の先生は、「内容を伴って読み書きの力を育てるのはとても良いアイデア」とあたたかなフィードバック。食事をテーマにした異文化理解のプロジェクトにとてもいい感触を持ってくれたようで、まさにkindなフィードバックから始めてくれた。
2人とも、「食」というテーマでの授業経験もあり、フィードバックシートの裏にまで及ぶアドバイスをしてくださった。Food Pyramidを導入に使って食べ物の種類を意識させたり、食べ物の歴史を紐解いたり。(例えば、メキシカンでは小麦粉が当たり前に使われているが、いつからなのか、など。生徒の知識を知るPre Assessmentとしても提案され、役立ちそうなサイトも紹介してくれた。)
最終発表や成果物について相談したところ、5, 6人のグループにしてプレゼンの役割を分担して、どの程度期待を満たせるか評価するのでもいいのではないかという話になった。そして、家で作ってきた食べ物を試しながらプレゼンし相互評価するのもどうかと提案があった。実際にものを通して体験することに意識が置かれているように思う。
いきなり来ただけの私に、specificでhelpfulなフィードバックをたくさんもらえた。
(ちなみに職員会議ではMorning Britoも提供されたのだが、プレゼン前はそれどころではなかった(結局私のランチになった))
1・2時間目:生徒たちとのProject Tuning
PBLの「プロ」12年生たちとのTuning
1時間目・2時間目はJohn先生のクラスの12年生達とProject Tuning。
まずJohn先生は、「みんなはいつからHTHにいる?」と問いかけ、「僕はここに20年いるけれど、High Schoolの経験しかない。ぜひ皆さんの経験をもとにフィードバックしてください」と語りかける。
実際、HTHではProject Tuningを全教員とだけでなく、生徒とも実施し、次の学期のプロジェクトを準備するらしい。12年生にとってはお手の物だ。
1コマの流れとして、前半は4,5人の生徒と一緒にProject Tuning、後半はチームを変えて、フリートークをした。
私は2コマ連続でプレゼンをした。が、それぞれの生徒から戻ってくるフィードバックが役立つものばかり。
「きちんと例を提示したほうがいいのでは?」「実際に使いそうな英語の表現など具体的に教えると良いと思う」
加えて、以前自分たちがやったという家族の料理を紹介するレシピ本のプロジェクトを紹介してくれた。ある生徒はやりがいがあったといい、ある生徒は個々人が作ったレシピを50人分を一冊にまとめるのに苦労したとも語っていた。
そしてそこで伝えられた大事なメッセージが「生徒に選ぶ余地はどれだけあるの?」ということだった。
たまたま別の生徒2人からアドバイスをもらったのは、生徒が国や料理を選べるように事前アンケートをしてチーム編成するのはどうかといったもの。
以前まではこちらが勝手に決めてしまっていたグループだったから、自分が生徒のモチベーションを上げるひとつの要素を無視してしまっていたと気づいた。
もう一つは物として成果物が残る意味だ。「オンラインのレシピもありかなと思っている」と私が伝えると、それでもいいとしつつ、物理的な本として残すこともいいのではないかと提案があった。電子書籍と本両方の提案だ。
物づくりにこだわるHTHの生徒ならではの視点かもしれない。
実際、一冊の本が作れたと感じるのに、物として本が残ることにも意義はあるだろう。
(Pat先生による成果物の本をこちらで紹介している。)
Tuningをしながら、生徒と一緒に授業を作る可能性や意義を感じる場だった。
(1日で3回プレゼンし燃え尽きる。)
おまけ:学校で早速試した
ということで、帰国後早速学校の生徒たちとも試してみた。
初めてということもあって、12年生たちと比べると、かわいらしい内容もあるが、「自分たちで料理を作るのは不安」「他の国に興味がなくても食べ物になら興味を持つ人がいるかも」「小学校でしたことがあるから違うことをしてみたい」「なんで食べ物なのかよくわからない」など率直な意見があって、実際にやる前に壁打ちする相手として、生徒に聞くのは面白いと思えた。
「生徒に授業作りのことを授業前に聞く」という発想は今までの私にはあまりなく、なんだか舞台のネタバレのような気がしていた。
が、見通しを持てるという意味でも、生徒たちにネタバレしていいのではないか。あるいは、より良いものにするために推敲する段階に生徒に関わってもらうのは良いことではないかと、新しい発見があった。
3日目後半の記事に続く。
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