『私は悪くない』と言う呪文
人は誰かとの間にトラブルが起こると
そこばかりに目がいって
全体図が見えなくなる。
それが、自分と他者のどちらかが悪いという事が
ハッキリ分かっている場合
特に、その傾向が強くなる場合が多い様です。
保育園に通う子供を持つ、結婚して4年目のある夫婦
2年前に夫の浮気が発覚し
『もう二度としない!いい父親になるから』と
言う言葉を信じ、一度はやり直す事を決めた妻でしたが
夫が再び浮気をしないという保証もなく
以前より増して、『あんたが浮気をしたんだから
当たり前でしょ!』と言いながら
何もかも制限をかけ、夫を"罪"と言う言葉で縛っていました。
夫の『2度としない』と言う言葉から
半年後、再び二度目の夫の浮気が妻の知る事となり
夫婦は別居状態となっていました。
妻は当然、弁護士を立て
『自分に落ち度はない』と言う事を
盾に夫に慰謝料の請求をしようと準備に余念がありませんでした。
しかし、本心は離婚したくても夫からの毎月10万円の養育費がなければ
生活出来ないのも事実で
その事だけが、妻の頭を悩ませていました。
その不安を取り除いてくれたのは
意外にも夫の母親、姑でした。
姑は嫁の家から遠く離れていましたが
毎朝電車で孫の保育園の送り迎えをし
朝食・昼食・夕食に足りなければダメだからと
2人分多い4人分のお弁当を作り
どれだけ天候が悪かろうが
毎日嫁の家まで運び
孫が保育園の無い日は
舅までもが、姑と一緒になって
孫を遊びに連れだしてくれていました。
そんな夫の両親の姿を横目で見ながら
『自分が子育てに失敗したから、息子が浮気なんかするんだよ
『やって当たり前、私は悪く無いんだから』と
言いながら、姑が食費や子供にかかる費用一切を
支払っているため、浮いたお金で買い始めた
ブランド物の服や小物などを
ネットで売り買いするのに忙しい日々を送っていました。
それから半年後、妻の生活はどんどんと派手になり
服装までもが変わっていた。
ある日
姑から、ある提案があった
『一戸建てを買おうかと思って、かわいい孫のためにね
もちろん、費用は全額私とお父さんとで払うわ
私達は今の家で十分だから』
妻は考えた。
夫との離婚を考えていたが、ブランド物に囲まれた生活は捨てがたい
それに子供の面倒も姑達が見ているから
仕事と言えば夜遅く帰っても、誰も何も言わない
それに何より夫との3人の生活では
欲しくても手が出なかった
分譲住宅、しかも"一戸建て"が手に入るのなら
それを離婚で失う
バカがどこにいるのか？と思う様になりました。
姑の提案から、数か月後
妻は友人達にこう言っていた
『とうとう姑が家を買ったらしいわ。
バカな息子を持ったら親も大変だよね～
え!?離婚?
ないない、クソみたいな旦那だけど
お金と家が入るんだから、復縁してもいいかな～と
思ってるんだ～
来週引っ越しだから、今まで払っていた
家賃がいらなくなるから、私働かなくても
いいかも～～～っ!!（笑）』
そして引っ越しの日
妻は現在の家の契約と
離婚に向けて雇った弁護士を解除するために手続きを済ませ
みんなより一足遅れて家に向かった
家の中では引っ越し屋が大体の荷物を運び終え
帰ろうとしていた。
ふと見ると、妻の荷物が見当たらない
『お義母さん、私の荷物は？』
『荷物?元々運んでないわよ。
ここは、息子と孫のために買った家なんだから
あなたの荷物が無くて当たり前でしょ？
あなたは、家族でも何でもないんだから』
『どういう事よ!?』
しばらく姑と妻の言い合いは続きました。
『いいわ!子供を出して頂戴!』妻がそう言うと
舅のズボンを握りしめ子供が出て来ました。
妻が子供の手を握ろうとした瞬間
子供はその手を払いのけ
『ばぁばとじぃじがいい!』と言いながら
家に戻って行ってしまいました。
呆然とする妻に向かって
姑はこう言った
『残念ね。孫は私達といる方がいいみたいね。
そりゃ、そうよね？毎晩仕事と言いながら
夜遅くまでのみ歩いて
子供のおもちゃ1つ買わず、ブランド物ばかり買って
私は、そんな人を息子の嫁とは認めないし
母親でもないわ!帰ってちょうだい！』
『元はと言えば、あんたの息子が浮気をするから
悪いんでしょ!?あんた達が、その気なら
又弁護士雇って、浮気の慰謝料請求するから!
浮気の時効は、浮気の事実を知ってから
3年なんだよっ!!今からでも十分、慰謝料の請求には
間に合うんだから！！』
一度玄関に向かった姑が引き返し
妻の耳元でこう言った
『違う相手ならね』
いかがでしたか？
このお話し
夫の2度目の浮気相手と1度目の浮気相手は同じだったのですね
つまり、妻が夫の浮気を知ってから
もうすでに3年以上が経過していて
慰謝料の請求は不可能になっていたのでした。
(それぞれのケースによって色々あります)
姑は息子に"養育費"をきちんと払う事を命令し
嫁に自由になるお金を与え、夜遅くまで飲み歩く
お金を与え、孫を手懐け、嫁の居場所を取っていったんですね
姑は着々と準備し、時を待ってたのでしょう
後に、姑はこう語っていたそうです
『かわいいのは自分の息子だけよ』
今回の"学び"
浮気をされた事は、酷く悲しい事で気分も
落ち込みます。
でも、いつまでも落ち込んでばかりもいられません。
こんな時は冷静になって
"自分がどうしたいか"をまず考えるのが得策です。
"やり直す"or"離婚する"
心が決まったら、ブレずに、そのために
時間と労力を使うべきです。
ストレス発散は、その後が望ましいと思います。
でないと、大切な何かを見失うかも・・・知れません。