「怒りの葡萄」 下巻 スタインベック 感想文
此れ程辛いことに人は耐えていかねばならなかったのか。大きな力とはいえ、人が人を無闇に苦しめることは許されないのではないか。
下巻にはそれら過酷な状態の解決はなかったが、心の救いがあちこちから感じ取れたのだ。
荷物の重さと心の傷の重荷を抱えた人たちを乗せて、ジョード家族の車は仕事を探しながら彷徨っていた。
「疲れるまで力仕事をすることだけが望みなんだ」p,27と元伝道師のケイシーは、人の為に動ける機会を静かに窺(うかが)っていた。
野営地の飢えた子に、お母の最後のシチュ