『冬のまちの色』

雪の降らぬ冬にすっかり慣れて
私はここの人となったのだろうか
郷里は無論郷里にあれど
この街も次第に色づいて見えるようになってきた

不思議なことにこれまで
一面の積雪で真っ白に染められるあの町の方が
色鮮やかに思っていた

それは郷愁のつもりだろうがセピア色でなく
それは甘ったれた感情のはずがパステル色でなく
それは記憶の中で脚色されたようなビビット色でなく

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