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[00円] 瞑想による意識の活性化 - めいそう三昧 #4

ぼくが練習しているゴエンカさん式の瞑想法は、仏教的な世界観のもとに「苦しみを離れた人生」を送ることを目的とするものなのですが、実際に瞑想の練習を続けていると、言わば副産物として、意識の活性化が起こることがあります。

7. 瞑想集中コースの実際は、さまよう思考と追いかけっこ!

前回は初めて10日間の瞑想集中コースを受けたときの話を書きました。

https://note.com/tosibuu/n/n217a127dc72d

朝から晩まで座りっぱなしの、コース全体が苦痛としかいいようのないもので、地獄のような経験だったのですが、その中でも大きな成果はありました。

10日間というまとまった時間を、「座る」というただ一つのことだけに集中することによる、意識の変容を体験することができたことです。

呼吸に意識を向け、全身の感覚を頭のてっぺんから足のつま先まで観察してゆくというのが座っている間にするべきことで、うまくいけば座禅でもいうような無念無想の状態が訪れるはずなのですが、実際にはそうは問屋が卸しません。

呼吸に意識を向け、体の感覚を観察しているはずなのに、気がつくと心はさまよい出して、何か考えごとをしています。

足が痛いな、鼻がかゆいな、まだ終わらないのかな、昼ごはんはなんだろう、朝のパパイヤはおいしかったな、などなどと頭は勝手に考えを巡らせます。

そのように思考がさまようことはまったく普通のことなので、それがダメだとか、そうならないようにしなくちゃとか、否定的な反応をしないように気をつけて、ただそれに気がついたら、呼吸や感覚に意識を向け直します。

ゴエンカさん式の瞑想法は、この呼吸と感覚を観察し続けるのが、実際の練習法で、そこに仏教的な世界の見方として、

無常: 永遠に変わらないものはない、すべてのものごとは、やってきては去っていく、
苦: 無常のものに執着することで苦しみが生まれる、
無我: 普段自分だと思っているものも、変化を続ける無常のもので固定した自分はない、固定した自分があるという思い込みを手放せば苦しみもなくなる、

この3つを加味し、呼吸も感覚の無常性を観察し、体験的な理解を深めていくのです。

8. 思考のさまよいが、意識の活性化につながる

ここで一つお断りしておきたいのですが、瞑想の体験というものは全く人それぞれで、一人ひとりの経験することは何一つ同じものはないのです。

ですから、ここにぼくが書いていることは、「ああ、この人はこういう経験をしたんだな」という程度の参考にはなると思いますが、「自分もこういう体験がしたい!」と思っても、まずそういうふうにはならない、ということです。

けれども何らかの意味で似た体験が起こる場合もありますので、旅行に行く前にほかの人の経験談を聞くようなつもりで、参考になる部分は参考にしていただけたらと思うのです。

さて、ぼくは普段からあまりものごとを考え込んだりせず、漠然と日々を生きていて、その中でどちらかと言えば行き当たりばったりに、そのときそのときの思いつきで生きているような人間です。

ですから瞑想中も頭の中が思考でいっぱいになり、それがぐるぐる回って止まらない、というような感じにはならず、「眠いな……、どうしよう……、寝ないで我慢できるかな……、(寝ないように呼吸を強くしてみたり少し頑張ってから) 寝ないのもきついな……、(しばらくうとうとしてから) 座ったまま寝るのもやっぱりきついな……」みたいな塩梅で、苦しい時間が延々続いていったのです。

そんなきつい状態にも、人間なんとか慣れることができるもので、半分を過ぎた辺りから、思考が回り始めるような体験をするようになりました。

主に昔のことを思い出すのですが、あのときはこんなふうだったな、それがこうなって、そのあとにこんなことがあったな、みたいなことを延々考え始めるわけです。

普段はやらない過去の記憶の振り返りが始まるわけです。

瞑想法の本筋としては、考えていることに気がついたら、呼吸や感覚に戻るべきなのですが、英語の指導を受けていて、よくその辺が分かっていなかったこともあり、退屈さに眠ってしまってこっくりこっくりするよりは、考えごとをしながらでも静かに座っていたほうがいいだろうとの勝手な解釈で、そんな思考の散歩をぼくは楽しんでいました。

そうして考えごとをしているうちに、今まで気づかないままでいた過去のできごとの意味が深く理解されるような経験をしたのです。

それはぼくがバイクを運転しているときに、後ろに乗せていた奥さんともども砂利道でこけてしまい、奥さんの肩に怪我を負わせてしまったのですが、それが長引いてなかなか治らなかったことの細かい事情の場面で、医者が言った言葉の意味なのですが、その意味を理解したことをコースが終わって奥さんに伝えたところ、ぼくがコースを受けている間に肩の痛みが楽になった、と言われたのでした。

少し話が込み入ってしまいました。

言いたかったのはまず、長時間の瞑想によって無意識的な記憶も含めて、意識の活性化が起こり、普段は得られないような理解が得られることがあるということです。

そしてもう一つは、そのような理解が起こったとき、関連する別の人の心の状態にも変化が起こることがあるという、共時性・シンクロニシティ的な、やや超常性を帯びた現象の話です。

というわけで、今回はこの辺で!

(たぶんもう少し続く)

#コラム #エッセイ #小説 #めいそう三昧 #変性意識 #ヴィパッサナー瞑想 #マインドフルネス

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