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4.15(56/89日目) イタリア行き長距離バス

朝9時に起床。

サロンで宿の夫人としばらく雑談しているとフットボールの話になり、富永選手のことやFCバルセロナのことなど自分の知らない情報をいろいろ教えてもらった。

日本で野球が浸透しているのと同じで、ヨーロッパではサッカー話が出来ると割と会話がうまくいく気がする。

CitiBankでお金を下ろしノルテ駅に向かった。

前回ENATCARに乗った時ラジオがついていたので、今回の移動もラジオが聞けるよう祈りながら窓口でミラノ行きのチケットを買う。なぜか窓口のスタッフが学生料金にしてくれたので、11,300Ptsのところが10,690Ptsになった。

得した。

しかし出発する駅はノルテ駅ではなくサンツ駅のバスターミナルだと言われ、仕方なくメトロでサンツ駅まで移動。

電車で10分程離れたところにある別の乗り場なのに、チケットを発行してくれる謎のシステム。これが発射時間ギリギリでチケットを買ったらどうなっていただろうか。

サンツ駅に着いたがそれでもまだ14:00。出発まで3時間あるので、駅の構内で立読みなどをして暇をつぶしていると、大発見をしてしまう。

なんと4月の19~22日にバルセロナの近くの街でラリー選手権(WRC)のスペインステージが行われるらしい!
ずっと前から一般道を恐ろしいスピードで疾走するラリーというものを一度観てみたいと思っていたが、日本では開催されないので諦めていた。 

まさかこんなに近くで開かれるとは...。観に行くしかない。

なんとかしてラリーの全日程を観戦したいが、すでにミラノ行きのチケットを買ったあと...。今週末のミラノでのサッカーの試合を見てダッシュで帰ってくるしかない。
22日の最終日を見られるように帰ってくることにした。

出発時間の17時近くにバス乗り場まで行くと、シュツットガルト行きやコペンハーゲン行きなどの国際線のバスが続々とやってきていた。しかし、ほとんどはEUROLINE社のバスで、ENATCARのバスはかなり少なかった。

16時55分。

依然としてENATCARは来ず。。。

心配になり窓口で聞いてみると、左の遠くの方を指さして何やら言っている。指差す方を振り返ると、ターミナルの端っこの方に寂しく止まっているバスが1台いたが、別の行き先が書いてあるので違うと思う...。

16時58分。

スペイン人時間の感覚だと10分くらい前後するのは当たり前となっているが流石に焦る。

ターミナルで止まっているバスのドライバーに尋ねるが、やはりさっきと同じ方向を指して何か教えてくれているがさっぱり意味が分からない。。。

バスは10台以上止まっていたが、その中でイタリア方面であるローマ行きのバスのドライバーに聞いてみるとやはり同じ方向を指して

「急げ!」

らしきことを言われた。

指差すバスはENATCARのバスではないが、どうやらあのバスなのか。とりあえずそのバスに走って行ってみると途中で「…CHECKING」という小さな窓口を発見。

というより何時間も前からその窓口があったのは知っていたが、チケットはもうすでに持っているので自分には関係ないと勝手に思い込んでいた。その窓口の列の最後尾に並ぶと、目の前に"ITALIA"と書かれた大きな封筒を持った運転手風の男性がいた。よく見るとその前の人も運転手風の格好。さらにその前も...。

あとで分かったがその窓口はバス会社の確認窓口で、その運転手が持っている封筒の中身はミラノ行きのバスに乗る人たちのチケットがまとめて入れられていて、それをこの窓口でチケットセンターの情報と照らし合わせをするというシステムのようだ。

乗客はバスに乗車する前にこの窓口で乗車の登録をしてもらい、その後17時にバスに乗車する際にドライバーにチケットを渡し、全員分のチケットが揃ったらドライバーがこの窓口に持って行き、予約されている乗客が合っているかを照らし合わせるシステムらしい。

自分は事前にコンピューターにも登録してなかったので、このままではターミナルで何時間待っていようが、乗客リストに乗っていないのでバスは行ってしまうというわけだ。

飛行機で例えるとリコンファームと同じようなシステムだろうか。

もしかしたらチケットを買った時にその説明をしてくれたのかも知れないが、まったく聞きとれていなかった。仕方ないのでその列に並びカウンターの女性にチケットを見せると窓口の女性は 

「アンタ、もう17時すぎてるよ!手間かけさせないで!!」 

と腕時計をピシャピシャとやりながらブチギレられた。

日本では絶対にありえない事務員の対応にビビりながらも登録を待っていると、前に並んでいたミラノ行きのドライバーの人も横で自分の発券を待っていて

「終わったらそれ持ってバスに来いヨ」

的な事を言って、持っていた封筒を丸ごと自分に渡してミラノ行きのバスの方に歩いていってしまった。

「なんで乗客の自分が全員の乗客のチケットを持っていかなければならないのか、というかよくこんな大事なもの乗客に渡すな...。」

と軽く混乱しながら手続きをしてもらい走ってバスまで持っていった。

運転席に座っているもう1人のドライバーに手渡すと(長距離バスなので2人体制)

「ファ!? なんでお前が持ってくるの???」

的な顔をしていたが何とか乗せてくれた。シートに座る前に振り返ってみると、さっきの窓口で封筒を渡してきた交代ドライバーが大笑いしながら手を叩いてウインクしていた。

自分のせいで17時出発予定だったのが17時20分になってしまったが、乗客も運転手も何もなかったかのようにサンツ駅を出発。
スペインの交通機関がよく遅れるのはもしかしてこんな理由なのかもしれない...。

そしてバスはENATCARのバスではなかったのでラジオが付いてなくガッカリ。

(説明補足)

「... CHECKING」で、コンピューターにそれぞれの乗客が登録するというのは、リコンファームというより、さまざまな旅行代理店で販売されたミラノ行きのチケットをそこで1つにまとめて、1台のバスに乗せてしまおうというわけのようだ。


順調にバスは地中海を右手に北上しフランスに入った。

今や幻となってしまったユーロラインを譲ってくれた佐藤さんが

「EU内で国境を越える時はパスポートチェックは受けたことないね。ないない。」

と言っていたが、国境でしっかり止められ全員パスポートチェックを受けた。

国境の街プロミリュー(Perpignan)は大雨で、夜中にもかかわらず窓から雨粒が見える程の強い雨。

その後フランスの国境近くで休憩があったので外に降りたが、めちゃくちゃ寒かった。バスは幸い満席ではなかったので足を伸ばして寝ることが出来たが、暖房の効きもいまいちで熟睡は出来ないままミラノに向かった。

本日の出費

朝食 400Pts
昼食 250Pts
夕食 400Pts
お菓子 500Pts
バス 10,690Pts
メトロ 280Pts
本 700Pts

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