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2000人でリモートワークをやってみた(進行中)

新型コロナウィルス肺炎が流行し始めてはや丸2年。生活スタイルは一変しましたが、その中でも一番多きは変化があったのは、労働環境ではないでしょうか。

リモートワークが一気に進み、辛い通勤や無駄な飲み会がなくなる一方、雑談や偶然の出会いもなくなり、メリットとデメリットの両方を体感している人も多いでしょう。

私が責任者をしているトランスコスモスのデジタルインタラクティブサービス本部という部門でも、2020年の3月から所属する2000人のスタッフ全員を対象としてリモートワークでの勤務スタイルを基本としています。

リモートワークスタート時のスタッフの大迷惑ぶりは下記。

第1話. 新オフィス移転が変えた僕の日常

その間に新卒が100名単位で入社してきたり、あれだけコロナ前は在宅できるようにしろと言ってたスタッフたちが出社させろと言ってきたり、色々とありましたが、それなりにノウハウと言うか、リモートワークに関して私なりの考えも固まってきたので、ここら辺でまとめておこうと思います。


リモートワークの成功のカギは、「ルール」、「ツール」、「プレイス」

今回、こんなことを思ったのは、下記の記事を読んだこともきっかけです。
テクノロジーと企業文化でつくる、「ハイブリッド型ワークスタイル」

ちょっと前の記事で、公開された直後にも見ていたのですが、最近改めて拝読し、「そうだようなぁ」と思うことが多かったので、、、
この記事の中で言われている「ルール」、「ツール」、「プレイス」という軸が重要という点、まさにそれだなと共感したので、私も自分の組織でやってきているリモートワーク、ハイブリッド型の働き方について、「ルール」、「ツール」、「プレイス」といいう軸で書いていこうと思います。


出社したがる部下を諦めさせるトップの決意と「ルール」の作成

私の部署では、別に説明するリモートワークに関してのツールを色々導入していて、それらのベンダーさんが事例記事等で私の組織の紹介をしてくれるので、その記事を見た方や当社のクライアントさんからも、

「どうやったらリモートワークはうまくいくのか?」
「このツールを入れたら成功するのか?」

ということをよく聞かれます。
でも、そうじゃないんです。確かにリモートワークではツールがすごく重要な役割を果たすんですが、その前に、「ルール」なんです。
これ、当たり前のことで、例えば意識してなかったと思いますが、オフィスに出社して働くというときにもちゃんと「ルール」があったんですよね。

  • 会社には始業時間までに到着しましょう。

  • みんなで議論するときは会議室を使いましょう。

  • 大きな声で独り言とか言うのは周りの人が迷惑なので控えましょう。

  • 犬とか猫とかを許可なく連れてくるのはやめましょう。

とか。
あまりにも当たり前すぎてどこかに書いてあったり入社の時に説明されたりしないでしょうが、誰もが何となく共通のルールとしては意識していることだと思います。さらに、その会社独自のルールとかは先輩の立ち振る舞いを見て何となく察していくとか、、、
その会社に染まるという意味ではなく、なんとなくみんなが迷惑なく働くために色々と暗黙のルールを守っていたんだと思います。
そのルールが、リモートワークだと通じない。というか出来ない。
一生懸命考えた挙句、「Zoomの上座はどこでしょうか?」みたいな疑問が浮かんでしまう、、、

当たり前ですが、ルールというのはその環境ごとに違いますよね。だから、リモートワークでは出社していたときとは違う、リモートワークのルールを新たに作らなきゃいけないんだと思います。
例えば、

  • 毎朝9時にはプロジェクトごとにMeetにログインして朝礼をやり、その日のチームメンバーの予定を全員で把握しましょう。

  • 急に雨が降ってきたり、宅配便が来て席を外すときはとりあえず Slack で「ちょっと抜ける」と送る。

  • 正午~13時はお昼休みとして、オンライン会議も予定に入れてはいけない。

  • オンライン会議では、上司は必ずカメラをオンにする。部下はオフのままでOK。

とか。
何だかどうでもいいことや当たり前に感じることも、しっかりと「ルール化」することで、気持ちが整うんだと思います。
そして、このルールは、いつでも状況や発生した課題に応じて、変化させていくというのも必要です。

そして、このルールを作ったり、定着させるときに重要なのが、その組織のトップの意思です。トップが「やっぱりリモートワークって働きにくいな。サボってないか見えないし。」なんて調子だと、その組織のリモートワークに対する覚悟が決まらず、何かあればやっぱり出社なんてことにもなりかねません。
組織のトップがしっかりと決意をして、新しいリモートワークという状況下で、働きやすい環境を作るという覚悟を決めなければ、部下も出社への幻想から逃れられず、新しく決められたルールも守られることがなくなってしまうでしょう。

その組織のトップがリモートワークから逃げないと決めて、出社したがる部下にも諦めさせて、リモートワーク用の新しい「ルール」を作る。
これがその組織にリモートワークを浸透させるために重要なことだと思います。


最強ルールは「Zoomの常時接続」


ちなみに、私がこの2年間で一番効いたルールは、「Zoomの常時接続」でした。私の部署は毎年100名以上の新卒社員が入社してくるのですが、彼ら全員と私が毎日朝9時から18時過ぎまで同じ Zoom に接続してプロジェクトを進めると言うことをやったことがあります。このとき、あえてカメラをオンにすることは禁止して、だけど誰がいつ誰に話しかけてもいいというルールで半年ほど続けてみたら、全員の頭の中に見事に会社のバーチャルオフィスが出来上がって、全員が自宅で全員が Zoom の中にしかいないのに、一緒に働いている感が半端ない状態となりました。
この経験から生まれたのが、バーチャルオフィスである oVice に2000人全員が定時「出社」して、全員で同じ空間にいる、というルールです。
私たちのリアルのオフィスは完全フリーアドレスで、私も本当にたまに出社したときには空いてる席にそっと座るのですが、この oVice 内では、部課長以上は全員席が決まっていて、部下は oVice のその席に行けば上長に相談ができる、というスタイルをとっています。
このルールの肝は、oVice に出社するということはリアルの出社のときの、タイムカードを押すということと一緒、としている点で、つまり何だかんだ理由をつけて oVice にログインして出社してこないスタッフについては、業務不履行にすらあたると強いメッセージを出している点です。
これも、やり過ぎと文句がでる部分だとは思いますが、自分たちはこうやって新しい働き方とルールというコミュニケーションに必要な共通認識をつくっていくんだという組織のトップの決意と意思次第だと思っています。

ということで、思いつくまま書き始めましたが、今回はここまで。
次回はリモートワークに絶対必要な「ツール」について書こうと思います。

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