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肌悩みを持つ女性のために、肌に優しいインナーを開発しました

こんにちは、ファクトリエ代表の山田(tocio_yama)です。

ファクトリエは、「語れるもので、日々を豊かに」をビジョンとし、日本各地のこだわりを持った工場と一緒に、語れる(=ストーリーのある)洋服を作り、心の温度を高めようとするブランドです。

長く使って頂くために・・・
①トレンドではなく普遍的なベーシックなデザイン
②ずっと愛用できる高い品質
③誰かに話したくなる、ユニークな技術による機能性
を大切にしています。

さて、今回は新しいチャレンジのお知らせです。

Makuakeにてモニター企画がスタートします

肌悩みを持っている女性向けインナー商品です

敏感肌や乾燥肌などの肌悩みを持っている方向けに、日本のものづくりの技術を総動員して作った女性向けのインナーになります。

今回、参加いただいた肌悩みを持つモニターの方に、話を聞けば聞くほど、「喜んでいただけるものを」「妥協したくない」という気持ちになりました。工場のみなさんが、職人⼈⽣をかけて手がけた試作は100種類にものぼります

使用する糸、編みてた方法、生地への加工(ツバキオイル加工など)、縫製の仕方など、さまざまな視点で日本の技術を総動員して取り組んでいきました。

開発のきっかけ

ファクトリエでは、「なんでも弾く白いコットンパンツ」や「穴が開かない永久交換保証ソックス」、「座るを快適にするパンツ」など、特徴的な技術を使った、ユニークな商品を国内の工場さんと作って販売してきました。

そんな中で、私が貨幣状湿疹という皮膚炎(超乾燥肌)で、冬はカサカサし、化学繊維を着るのが痒みが出る体質でした。そこで昨年、何気なくTwitterに投稿してみたことがきっかけです。

「もしいらっしゃったら」という気持ちで投稿したところ、同じように肌悩みを抱えている方々から多くのリプライがありました。

またDMも数十通届きました。
これほど困っている方が多かったのかと実感しました。

いただいたDM(ぼかしております)

これまでファクトリエでは、「南極観測隊仕様のダウン」「穴の開かないソックス」「なんでも弾く白いパンツ」など特徴的な商品を開発し、「日常をより豊かにする」にフォーカスしてきました。

その一方で、(ニッチかもしれませんが)私と同じような「肌に悩みを抱えている方」も少なくないことに気づき、個人のライフワークとしてサンプル作りを開始しました。

寄り添いながらの商品開発

私自身が皮膚疾患を持っており、保湿クリームは欠かさず、あまり調子が良くない時には軟膏を塗っています。

処方していただいている薬

私自身の課題感としては、

化学繊維はチクチクしてくるので着られない
天然繊維100%なら安心できる(できるだけ、柔らかいものが良い)
洗濯が大変(インナーの肌側に付いた軟膏・保湿クリームが落ちない)

など、特有の悩みを持っています。

今回はTwitterでご連絡いただいた方に連絡し、早速、商品開発をスタート。実際にサンプルを送付し、着ていただいた結果を伺いました。天然繊維が良いだろうと、福井の工場さんに協力いただき、「和紙100%のTシャツ」を試作。和紙には天然の抗菌機能もあるため、皮膚には良いのではと考えたからです。

(重い・白NG・襟の形などの改良希望 ※許諾いただき公開)

サンプルのフィードバックをもらいながら試作を検討する中で、生地が硬いという意見が多く、和紙素材でのサンプル進行は断念することに
やはり生地の柔らかさは大事なんだと実感しました。
また今回のご意見から、「通気性が良いこと」はかゆみを引き起こさない可能性を知ることができ、次回の試作開発へのヒントを得ました。

医学的に正しい知識を得る

肌悩みを抱えている方と一緒に商品開発を行なっていましたが、正しい知識も得たいと思い、皮膚疾患について書かれてある本を読み始めました
その中でも分かりやすく、オススメはこちらの3冊です。

本を読み進めるのと同時並行で、友人・知人の紹介をお願いし、皮膚科医の先生にも話を伺いました。臨床という実際に診察されている立場で、診療にいらっしゃるのはどんな患者さんが多いのか、何を着ているのか、予防するには、など話を聞かせていただきました。
※あくまで一般的な医療知識を教えていただき、商品の監修などはお願いしてません

林先生(はやし皮ふ科クリニック院長/川崎医科大学臨床講師)
澤田先生

わかってきたのは、肌の疾患は「 乾燥」「免疫」「かゆみ」の3つが絡み合って、発症したり、悪化すること。その中でも「汗の処理」が原因で、さまざまな症状が起きる可能性を知りました。

アトピー見える化アプリから学んだ「コミュニティ」の重要性

私が毎晩、コツコツと写真を撮ってアップしているのは「アトピヨ」というアプリ。このアプリでは同じような症状の人の写真を見ることができ、自分の症状を記録することにも役立ちます。

私は塗布した薬や痒みの場所を撮影し、前日との赤みの比較などに使っています。

私の記録写真は1000枚を超えました
アトピヨ代表のアコウさん

今回、私自身もユーザーだったこともあり、代表のアコウさんに話を聞かせていただきました。患者のみなさんがアトピヨを使うメリットは、

・患者同士で同じ症状で繋がりを作ることができる(共感)
・状態を記録することができる(スマホ内だと他の写真と混ざってしまう)

とのことで、まさに私の実体験と同じでした。

そこで教えていただいたのは、コミュニティの大切さ。
実際に悩んでいても公に伝えることはできないので、そのような方が気軽に情報交換できる場所があったらいいのではとのことでした。

またインタビューする中で、肌に悩んでいる方は女性と子どもが特に多かったことから、まずは女性の肌悩みの方から解決することにしました。

女性だけの肌悩みコミュニティ

肌悩みの方向けの非公開コミュニティグループ

私自身のライフワークでやっていましたが、女性しか入れない方が良いとのアドバイスから、弊社の女性メンバーにお願いしてコミュニティを運営してもらいました。

ファクトリエのメールマガジンで告知したところ、20名弱の方に参加表明いただきました。当初Twitterでご連絡いただいた皆さんにも声がけし、こちらのコミュニティで再スタートを切ることになります。

実際に数種類のサンプルをお送りしては、後日オンラインでヒアリングを重ねていきました。女性限定の方がコミュニケーションしやすいだろうと、私は参加せず、女性メンバーは中心となって意見を吸い上げてくれました。

最初のアンケートで「これから作って欲しい商品は?」と聞いたところ、「肌を守ってくれる安心できるインナー(肌着)が欲しい」という声が多かったので、改めてインナー開発をスタートしました。

今回のMakuakeプロジェクトはこちらです

日本一、繊維工場を訪問しているからこそできること

10年前に創業して以来、全国各地の繊維工場を訪問しています。これまで700以上の工場に伺い、提携工場は60工場を超えます。どの工場も世界一流ブランドと取引している素晴らしい工場ばかりです。

700以上の工場を直接訪問

「日本製だから良い」ではなく、厳しい選定基準をクリアした工場のみ取引していますので、品質には絶対の自信を持って商品開発をしています

原料からこだわれるのが強みです

さてインナーの開発当初、これまでの工場ネットワークから、数多くの生地を全国各地から集めようかと思っていました。

しかし、コミュニティの女性の皆様にヒアリングしてわかってきたことは「天然繊維100%」「柔らかさ」「軽さ」「通気性・放出性」「汗の吸収力」の5つの要素が重要であることが分かりました。

今回、モニターに参加いただいた肌悩みを持つ方の話を聞けば聞くほど、「喜んでいただけるものを」「妥協したくない」という気持ちになり、工場のみなさんと職人⼈⽣をかけて手がけた試作は100種類にものぼります。

使用する糸、編みてた方法、生地への加工(ツバキオイル加工など)、縫製の仕方などさまざまな視点で取り組んでいきました。

素材について

最終的には、「天然繊維100%」「柔らかさ」「軽さ」の観点から50種類まで絞ることができました。さらにヒアリングを重ね、サンブルを試していただき、選別していくと・・・最終的に3種類が残ったのです。

3素材で試着試験を行うことに

コミュニティ参加の女性のみなさまへ、天然繊維100%の異なる3種類の生地で作ったアイテムを送付しました。実際に着て、数週間生活していただき、最後にアンケートとインタビューを実施させていただきました。

アンケートの回答をインタビューで詳細に聞きます
ブラックが最も選ばれました
伸縮性が高く、何度洗っても着崩れしません

最終的には、今回のために独自開発した素材(ブラック)が一番に選ばれました。

通気性・放出性の実験(ファクトリエにて実験)
吸収力の実験(ファクトリエにて実験)

重要なポイントとして掲げていた「通気性・放出性」「汗の吸収力」については、コットン100%との比較実験にて良い結果を得ることができました。

素材:ウール100%(17.5マイクロン)※マイクロンは100万分の1メートル
独自加工の超極細スーパーエクストラファインメリノウール

デザインについて

完成した商品@ Karimoku Commons Tokyo
左が当初のデザイン→右が最終デザイン

サンプルを着ていただく中で、さまざまなご意見をいただきました。

「襟まわりが詰まっていると暖かいが、襟を深くしてほしい」
「タイトすぎるので、もう少しゆったりしたサイズ感が良い」
「インナーとしてではなく、普通の長袖Tシャツとしても使いたい」


その声を受け、襟は少し広げ、シャツの第一ボタンを開けても見えない深さにし、一枚でも着られるサイズと質感にしました。

シャツの第一ボタンを開けても見えない深さ
一枚でも着られるサイズと質感
※ファクトリエの通常サイズより、ワンサイズ大きめに作っています

着用アンケートから「肌離れ」の重要性がわかったため、その点を考慮し、肌離れが良いように少し空間を作りました。

価格について(税抜6,300円)

今回の素材を作っていく上で、コストを思う存分かけてきました。インナー商品ですので、お⼿にとっていただきやすい価格帯に抑えるため、マス広告を控え、有名⼈の起⽤予定もありません。

さらに、工場直販に流通を限定にすることで、中間マージンを大幅カット。通常、製造業平均の原価率は22.3%(※製造業の平均原価率(経済産業省)より)ですが、当社では2倍以上の50%を超えて製造しております。

それはお客さまに国内工場と一緒に素材や縫製をはじめとした品質に徹底的にこだわりたいからです。一方で手に取っていただきやすいように中間流通を介さないことでマージンを省き、工場直販としています。だからこそ、妥協なくこだわったインナーを、6,000円台という価格まで抑えることができました。

当初、商品化の予定はありませんでした

最後に、一言だけお伝えさせてください。

冒頭にも書きましたが、今回のプロジェクトは私個人の肌悩みの延長線上にあるライフワークであり、もともと商品化するつもりはありませんでした。

ただ、モニターの皆様にサンプルを着ていただき、感想を聞いては改善する、を繰り返しているうちに、「ぜひ売って欲しい」と言われるようになりました。

販売をするか悩んだ際、実施したアンケート調査(n=130)

肌悩みを抱えている方向けに実施したアンケートにて「ぜひ使ってみたい」「使ってみたい」がどの症状の方からも80%を超えていることを知りました。
私はこの悩みに向けて商品を作ることができる腕の良い工場さんを知っていますし、肌悩みの方の意見を直接伺うこともできます。いわゆる双方の「間」にいるからこそ、ライフワークにとどめず、商品化すべきなのではと使命感を持ち始めました。

私と同じような肌悩みの方が、世の中にたくさんいるとは思っていませんが、もし少しでもいらっしゃるなら、本当に必要な方に届けたいと考え、今回マクアケにチャレンジすることにしました。

2015年以来、7年ぶりにマクアケさんにて「肌悩みの方向けインナー商品」のモニターを募集します。

たくさん話を伺い、素材、商品を開発をしてきましたので商品を喜んでいただける自信はあります。ただ、肌悩みというデリケートな話だからこそ、慎重に、一緒に寄り添って開発していける方と出会えたら嬉しく思います。

Special Thanks:
Karimoku Commons Tokyo(撮影場所としてお世話になりました)

■肌に優しいアイテムはこちら

《MEN》
1.雪山仕様の超極細メリノウール防寒インナー:11,880円
2.スビン綿のベーシックタートルネック:13,750円
3.上質コットン100%のドレスTシャツ/クルーネック長袖:11,000円

《WOMEN》
1.育てるホワイトカシミヤ/マフラー:13,200円
2.上質コットン100%のドレスTシャツ/ボートネック七分袖:9,790円
3.スビン綿のベーシックタートルネック:12,650円

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