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ジャパンハートに感謝。NPOの学びとメリット

こんにちは、ファクトリエ代表の山田(tocio_yama)です。

ファクトリエは、「語れるもので、日々を豊かに」をミッションとしています。日本各地のこだわりを持った工場と一緒に、語れる(=ストーリーのある)洋服を作り、心の温度を高めるブランドです。

安心して使って頂くために・・・

①トレンドではなくベーシックなデザイン
②ずっと愛用できる高い品質
③誰かに話したくなる、ユニークな技術による機能性
④何かあった際の修理対応
環境負荷の低い素材の使用(土に還る天然素材とリサイクル素材)

を心がけています。

さて、今日のnoteは、私が理事として参加させていただいた「国際医療ボランティア団体NPO法人ジャパンハート」について書きたいと思います。

ジャパンハートには2年間、理事として参加させていただき、今月末に退任します。このタイミングだからこそ書けることもあると思うので、

・NPOってそもそも何?
・二足のワラジをはけるの?
・参加するメリットは?
・自分も何かできる?

など、あまり身近ではない方向けにNPOに参加するメリットについて書きたいと思います。

NPOとは?

「NPO」とは「Non-Profit Organization」の略称で、様々な社会貢献活動を行い、団体の構成員に対し、収益を分配することを目的としない団体の総称です。
したがって、収益を目的とする事業を行うこと自体は認められますが、事業で得た収益は、様々な社会貢献活動に充てることになります。

NPOのイロハ | 内閣府NPO

例えば、「株式会社」は、「投資した株主のもの」であり、株主価値をいかに高められるかが重要視されてきました。一方、NPOは株主という存在はなく、稼いだり、寄付で得たお金を社会貢献活動に充てる組織です。

ジャパンハートについて

ジャパンハートは、2004年「日本発祥の国際医療NGO」として、創設者・吉岡秀人先生(小児外科医)が、自身の長年の海外医療の経験をもとに、医療支援活動のさらなる質の向上を目指して設立されました。

「医療の届かないところに医療を届ける」を理念に 国、地域、人種、政治、宗教、境遇を問わず、全てのひとが平等に医療を受けることができ、 “生まれてきてよかった”と思える社会の実現を目指し活動しています。

これまで通算5,000名を超える医師や看護師のみなさんがボランティアが参加し、途上国で20万件の治療を行っています。

小児がんの子ども向けのプロジェクト。副作用の強い治療にて、本人とご家族がつらい時間を過ごすため、看護師や専門医が旅行に同行し、家族の思い出を作るお手伝いをしています。

東日本大震災や熊本地震、豪雨災害では、ジャパンハートの災害専門の医療支援チームが被災地に赴き、医療を提供しています。私も熊本の豪雨災害では避難所にてジャパンハートの看護師の皆さんに大変お世話になりました。

ジャパンハートとの出会い

8年前の今日、講演を聞いて稲妻が走る

2014年のまさに今日(5/23)に開催されたIVSというビジネスカンファレンスで先生の講演を伺い、稲妻に打たれたような衝撃を受けました。医療を当たり前に受けられない途上国の子供たち、死ぬとわかっていても大きな腫瘍を手術し、家族写真を撮ってあげたいという考え方(家族には記念写真として一生残る)に涙が止まりませんでした。

講演後、吉岡先生が書かれた書籍を数冊購入し、読みふけったのを昨日のことのように覚えています。その後、時折お会いする機会があり、都度、多くの学びを得ていました。その時の講演はこちらです。

大島紬の復興プロジェクト

2017年のある日、吉岡先生から連絡があり、奄美大島の離島医療をジャパンハートで支援している。ただ、医療で支援しても、島の基幹産業が成り立たなければ本当の意味で島を救うことができない。「大島紬(つむぎ)」という奄美大島の織物についてアパレルの専門家としての意見を聞かせてほしい、というものでした。そこから一緒に奄美大島に行き、さまざまな工程を見学しました。

当時パリのエルメスを辞めたばかりのデザイナー寺西さんやトッズ・ジャパン副社長だった宅間さんにも奄美大島に来ていただき、職人も交えてどうしたら良いか議論に花が咲きました。

2018年1月、奄美大島の大島紬を見学

カンボジア・ミャンマー訪問。

2019年8月に、カンボジアとミャンマーの病院へ訪問させていただきました。カンボジアの病院が、現地の患者さんたちにとって無償で医療を受けることができる安心の場所になっていることに感銘を受けました。

ワッチェ慈善病院での手術の様子

公的医療保険制度の整っていないミャンマーでは、医療費は高額で貧しい農村地域の人々は医療を受けられません。ワッチェ慈善病院に拠点を置いて行っているジャパンハートは年間、外来診療約10,000人、手術約1,200件を行っているそうです。※18歳以下の子どもに対しては手術・薬・入院の費用、加えて交通費なども完全無料

養育施設「ドリームトレイン」の子供たちと

「ドリームトレイン」について。
ミャンマー東北部の国境地帯では出稼ぎや売春・人身売買が原因となり、HIV患者が増加。年間1万7000人がエイズによって命を落としているそうです。ジャパンハートは、2010年に養育施設「ドリームトレイン」を作り、そのような子供たちを受け入れているそうです。

2020年に理事の打診をいただいたときには、「自分に何ができるだろう?」と真剣に考えました。駆け出しの起業家で、本当に貢献できるのか?と悩んだのです。でも、最後には「お声がけいただけたからには、できる限り頑張ってみよう」とお受けすることにしました。

理事就任のタイミングに感染拡大

感染拡大により、海外渡航が禁止へ。そのため、看護師の方々がカンボジアやミャンマーに来れなくなってしまい、2019年度に5500万円あった事業収益が、2020年度は2300万円に減少してしまいます。

それでも、ジャパンハートのスタッフの皆さんの努力、メディア露出(テレビ番組やACジャパンによるCMなど)、これまで積み上げてきたジャパンハート自体の信頼によって、最終的に過去最高の結果を出すことができました。
2020年度はマスクの影響もありましたが、2021年度はそれを超える実績となりました。寄付いただいた皆様、ありがとうございます。

ジャパンハートHP「年次報告書」より
  1. マンスリープランの設定

  2. 法人寄付

  3. ふるさと納税

  4. 遺贈

  5. メディア露出

  6. アライアンスの強化 など様々なことに取り組んできました。

他にも「アレクサ、寄付をして」と声をかけると寄付につながるAmazonとの取り組みなど認定NPO法人として国内初の取り組みもあります。^^

とにかく優秀なメンバーが集まる組織

NPOに参加するメリットでもありますが、志を持った20〜40代の優秀なメンバーと多く関われることです。社会性と経済性のバランスが良く、緊急性の高いプロジェクトも一人何役もこなしながら、実行しています。

だからこそ、私が提案させていただいたのは賃金体系の改善。NPOは清貧でなければならない(寄付金はできるだけ患者さんに使う)イメージがありますが、給与水準があまりに低いとそれも長続きしません。せっかく優秀なメンバーが入っても、お金を理由に退職していくのはもったい無い。理事の間に、給与レンジを少しでも上げることができて良かったです。

スタッフの皆さんがやっているYouTube。
人の良さを見ていただけると思うので、ぜひご覧ください。

時代がようやく追いついてきた?!

テレビ東京「カンブリア宮殿」やNHK BS1「最後の講義」をはじめ、昨年末には第69回菊池寛賞を受賞。内閣総理大臣が本部長を務める持続可能な開発目標(SDGs)推進本部主催の「第5回ジャパンSDGsアワード」のSDGs推進副本部長(外務大臣)賞を受賞するなど、時代の追い風を感じています。

(こうした表彰の場に立ち会えるのもNPO参加のメリットです^^)

退任にあたって

冒頭に書いた「NPO」との二足の草鞋を履くのはどうか?という問いに対しては、おおきな声でYES!だと思います。異なる組織を見ることで自分の組織を客観視することもできますし、また出会うことのなかった異分野のメンバーや顧客と出会うこともできます。ですので、プロボノでNPOを手伝いたいなと思う方は、ぜひチャレンジしてみてください。

さて、今回はありがたいことに、吉岡理事長からは今年も理事継続のお話をいただきました。その際に、改めてジャパンハートがこれからアジアを中心に100億・1000億円と世界を代表するNPOを目指す際、私が適任か?と考えるようになりました。

そこで、ジャパンハートの小児がんの子ども向けスマイルスマイルプロジェクトでお世話になっているホテル・旅館予約サイト大手「一休」の榊CEOを吉岡理事長に推薦し、交代する形で退任させていただきました。

一休はスマイルスマイルプロジェクトでポイントの提供という形で以前からご支援いただき、ジャパンハートの思想もご理解いただいている心強いパートナーだったからです。

また榊さんは2016年に一休のCEO就任後、時価総額100億円の企業を1000億円にV字回復させたプロ経営者で、信頼する高校の先輩でもあります。

山を登る際に、山の高さに適したシェルパがいるように、これから10→100億円には榊さんが最高のシェルパだと信じています。

(私自身、今回の感染拡大においてアパレル業界の激変に伴い、本業のファクトリエに集中すべきタイミングでもありましたので、これからは工場さんとのものづくりに全集中していきます)

心に響く、吉岡先生の言葉

ご一緒させていただいた際、吉岡先生からいただいた痺れる言葉を、少しだけお裾分けします。

子どもに英語を習わせるより、自分より環境の悪い子どもと接させたほうがいい。自分が恵まれてることがわかり、弱い存在を知る。そうすると、環境の悪い子を助けようとする

ギブをすれば5年後か10年後か、先の話になるかもしれないが、必ず戻ってくる(あきらめないことが大事)。戻ってき始めたら止めどなく戻ってくる。残念ながらお金が生まれて、等価の価値交換となって価値が生まれなくなってしまった。以前はギブして貸し借りという価値が生まれていた。

どんなに息を吐いて(ギブして)も肺の残気量は2割は残っている。たくさん吐いた方がクリーンな空気が吸えるから吐き出したほうがいい。

「緊張」と「弛緩」で成長する。お釈迦様は45日の断食を行ったが、難行・苦行では悟れないことを知った。その後、菩提樹の下で悟りを開いた=緊張からの解放によって悟ったのではないか。ずっと練習続きだと緩やかな成長しかしない。一定期間、休んだ方が、大きく成長する(情報は忙しすぎると頭の中で統合されない)

ある日、リミッターを外した人生はどうだったんだろうと思った。バッターボックスに入ったらフルスイング。後悔しない人生を生きることに決めた。

これからの関わり方

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

私は引き続き、ジャパンハートを応援していますし、このnoteを読んでくださった方はぜひ「NPO」や「ジャパンハート」に興味を持っていただけたら嬉しいです。

吉岡先生のメッセージ→(https://www.japanheart.org/about/message/
寄付はこちら→(https://www.japanheart.org/lp/
スタッフとして参加したい→(https://www.japanheart.org/recruit/

それでは、ありがとうございました!


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