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スタートアップとナチス装甲師団

 最近、ソウルに出張に行ったり東京で同世代の事業者と飲んでいると「スタートアップに求められるものは何か?」という話によくなる。そもそもスタートアップと一概に言っても、フリーランスのような個人事業主からメガベンチャーからスピンオフしたビジネスなど様々ある。

 しかし、どれも共通して言えるのは確固とした目的がありその目的目標に向けて圧倒的スピードで駆け抜けたビジネスしか成功はできないと言うことだ。例えば、新興ユニコーン企業で今注目されているX Mile株式会社があるが、彼らはここ2-3年で市場規模100兆円を超えたとも言われている。

 彼らはノンデスク業界におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するスタートアップ企業であり、主要ビジネスはSaaS事業「ロジポケ」、このサービスは運送業に特化し、業務の効率化と生産性を極限まで上げた。彼らの強みはなんと言ってもこの100兆円規模のこの業界を2-3年で制覇したことだ。元々人材プラットフォーム事業を行っていた為人材を有意義に活用し、適材適所でフル回転によりワークさせたのだろう。

 でないと次から次へと出てくる飽和状態のSaaS的なサービスでこの規模の業界で右にでることはまず無理だろう。

 これは今から約80年前、第二次世界大戦で2週間でヨーロッパのほぼ全土を占領したナチスドイツの装甲師団にとても似ている。ナチスの装甲師団の強みもなんと言ってもスピードだ。このスピードの原動力は、兵士にペルビチンを投与させたことだ。24時間不眠でも眠気を感じない様にさせ、戦車部隊を夜中も走らせ、相手が休む間にも攻撃を一方的に続けた。

また、このペルビチンは人間の判断能力を欠いて命令に従順であり、かつ疲れ知らずの肉体をつくることができる。さらに、当時のドイツは一次世界大戦の亡霊と200万人のドイツ人兵士の死が、まだ市民の記憶に焼き付いていた。1930年代を通じてドイツを第一次世界大戦後のベルサイユ条約の鎖に縛られ、民族自決権を奪われた。

そのため、是が非でも国の自由を守るというプロパガンダ的な公約を上げ、国民の士気を高めた。
要は強い国にするという皆が確固たる同じ方向、目標を向いていた。だからこそ圧倒的なスピード感で成果を上げた。

ペルビチンのような肉体、精神を手に入れることは現代社会においてできない。しかし、一つの確固たる目標を定め組織員全員の士気を上げることはビジネスでもそんなに難易度は高くないと思っている。士気が上がると夜中も働く。それくらいのモチベーションが皆にないとこのような便利でなんでも揃う時代に右に出ることはできないだろう。





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