大橋聡雄 (Toshio OHASHI) / ACT iii

大橋聡雄 (Toshio OHASHI) / ACT iii

最近の記事

配置演出用ツール紹介(随時更新)

Shot Designer 俯瞰図に特化した専用ツールで、操作が凄くシンプル。 メリット ・慣れると操作にまったく頭を使わなくて良いので、純粋に配置・振り付けだけに頭を使える ・タブレットでの操作感が良い デメリット ・シーンの切り替え方が、閉じて別のシーンを開きなおす、というやり方なので億劫。その為、段取りが多くシーンを複数枚に分割する場合には使いづらい。複数枚に分かれたシーンに修正が必要になった場合、別のシーンファイルに移って反映するのが手間 ・アニメーション機能も

    • アナと雪の女王と脳内マップ

      前回、最後の方にこういうこと書いたんですが、「観念的な地図」て何よ?というのが今回の内容。「観念的な地図」というのが言葉として良いかどうか微妙なのですが、言い換えると脳内マップ? 他の言葉が思いつかないのでとりあえず脳内マップで進めます(^^ 観客はキャラクターの移動などによって ・こっちには〇〇がある ・あっちには△△がある と、脳内でぼんやり認知している、という話。 例えば『アナと雪の女王』なら ・右側(上手側)にエルサとアナが生まれ育った城がある ・左側(下手側)に

      • 右利きと太陽が世界の→進行を決めた【右に進むか、左に進むか②】

        かもしれないってハナシ。 あくまでワタシの想像です。異論は認めます(^^; 前回の記事↓ 日本で「←(左)進行」が正・未来なのは、漫画からさらに絵巻物にまで遡れるね、ということで自分的には腑に落ちましたが、じゃあなんで海外では「→(右)進行」が正・未来なのか。 アメコミや巻物が左から右に読むから。 ……で終わりにするわけにもいかないので、もう少し話を膨らませてみる。 右利きと眼 今でこそ「→」方向の読み書きが当たり前のようになっていますが、昔のギリシア文字は「→←

        • フォレスト・ガンプと紺野 真琴は逆方向に走る【右に進むか、左に進むか①】

          右に進むか、左に進むか。 ダンジョンの話ではなく。 映画やアニメ等、映像における上手(かみて)・下手(しもて)に関連する話です。 世界的には「→(右)進行」が主流だけど、 日本だと「←(左)進行」が主流。 はて? て感じですが、 画面右側に進むのが ・正か負か ・未来か過去か が日本と海外では逆、ということです。 フォレスト・ガンプは右に走るけど紺野 真琴(※1)は左に走る みたいな。 案外ややこしい話なので 「右と左、今回はどっちを正にする?」 と弊社スタッフの大

        配置演出用ツール紹介(随時更新)

          『JOKER』の配置演出

          今回は『JOKER』。 名場面たくさんありますけど僕が印象に残ってる一つが、上半身裸でロッカールームの片隅に座っている場面です。 街の不良に暴行されてできたアザよりも、光で浮かび上がる骨肉のほうが目を引き、内側で何かが蠢いているようで、エイリアンみたいなのが飛び出てくるんじゃないかと思った記憶があります。 で、元の脚本ではどう書かれてるんだろうと見てみました。 脚本中のシーン14、注1のところですね(書き込みは自分で書いたものです)。 この場面の実際の映像を元に、配置

          『セッション』の配置演出

          ちょっと前の映画、と思ったらもうだいぶ前(2015年)なんですね…… アマプラにあったので見たんですが、 シンプルでいい、無駄に複雑にする必要は無い と思えた配置演出でした。 映画は鬼教師フレッチャーと生徒ニーマンのほぼ1対1のドラマで、フレッチャーはニーマンにビンタするわ椅子投げるわで、尋常でない圧力をかけてニーマンを追い詰めていく。 その間、フレッチャーがニーマンを見下ろす配置・構図がずっと続きます。 そんなフレッチャーの高圧的ハラスメントの中、何度かフレッチャーが

          『セッション』の配置演出