フォレスト・ガンプと紺野 真琴は逆方向に走る【右に進むか、左に進むか①】
右に進むか、左に進むか。
ダンジョンの話ではなく。
映画やアニメ等、映像における上手(かみて)・下手(しもて)に関連する話です。
世界的には「→(右)進行」が主流だけど、
日本だと「←(左)進行」が主流。
はて?
て感じですが、
画面右側に進むのが
・正か負か
・未来か過去か
が日本と海外では逆、ということです。
フォレスト・ガンプは右に走るけど紺野 真琴(※1)は左に走る
みたいな。
案外ややこしい話なので
「右と左、今回はどっちを正にする?」
と弊社スタッフの大串(※2)とよくバトったりしてます(^^;
そもそもなんでそういうことになってるか、というのは諸説ありますが、こちらのblogでかなり詳しく考察されておりました。
かつては日本映画も「→進行」だったが、TVアニメや特撮がたくさん作られるようになり、その時期に映像作品の「→進行」が「←進行」に入れ替わった、というのは確かに説得力があります。
そのblogで書かれてるように日本のアニメのほとんどが「←進行」です。
最近話題の『SPY×FAMILY』も「←進行」ですね。
『鉄腕アトム』にも『SPY×FAMILY』にも原作の漫画があります。漫画は左に読んでいくので「←進行」が正、未来、として描かれる。そして、それを元にすればアニメも「←進行」になると。
なるほど日本の「←進行」は漫画の影響が大きそうですね。
では漫画の「←進行」の源流は?
遡って、手塚治虫以前の漫画はどうだったんでしょう。
『のらくろ』は有名ですね。文字はタテ読み、コマは「←進行」、という今の漫画の型がこの時点で出来上がっています。
もう少し遡ると
北澤楽天と岡本一平という名前が出てきます。
コマは↓に流れますが、全体的には「←進行」です。
現在の四コマ漫画と同じ型なので見慣れた感覚はありますね。
岡本一平(岡本太郎の父!)の『人の一生』は、1ページに1コマという型ですが、ページ送りの方向を考えると「←進行」と言ってよいかと。
岡本一平は漫俳というものも提唱していたそうです。
だんだん絵巻に近くなってきますね。
絵巻と言えば、日本最古の漫画と言われる鳥獣人物戯画も「←進行」です。
なるほどねェーっ!
日本で「←進行」が定着しているのは1000年昔から慣れ親しんでるため、「←進行」でも違和感が無いからなのかもしれません。
日本人が「←進行」を正と捉える根拠はなんとなくわかったけど、じゃあ世界標準(北米標準?)が「→進行」なのは何でなのか?
勝手考察がつづく。
※1 紺野 真琴はアニメ映画『時をかける少女』の主人公
※2 アクト・スリー所属のコンテ、プリビズアーティスト。
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