【短編】ナイト・オブ・ザ・8月31日のリビングデッド
長い夏休みが終わり、明日からまた新学期がはじまるという日の夜のことだった。学校が生き地獄でしかない十代の少年少女たちがいっせいに自らの命を絶つと、彼らは一人残らずゾンビとなって甦った。
翌朝、彼らは子供の苦悩などまるきり理解しない親たちによって、ゾンビになったことも気づかれないまま玄関から蹴り出された。
それが世界の終わりのはじまりだった。
水前寺響子は神奈川県Y市にある公立中学校の二年生だった。
何人かの同級生が、通学路をよろよろと歩く彼女を追い越しながら「ブス!