インサイドセールスのキャリアパス
インサイドセールス(Inside Sales:IS)は、デジタル化を背景に近年注目を集める営業スタイルのひとつです。従来型の訪問営業と異なり、電話やメール、チャットなどのツールを活用して、客先を訪問しない形で営業活動を推進します。
オンライン商談やThe Model型の営業組織が普及したことで、求人需要が増加しており、未経験者も採用されやすいことから、営業職への登竜門としてインサイドセールスを選択する方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんなインサイドセールスという職種について、キャリアの始め方や年収の相場、将来の可能性を解説していきます。
インサイドセールス職に就くパターン
まずは、インサイドセールスとしてキャリアをスタートするパターンをみていきましょう。
中途採用で採用される
正社員での転職は、インサイドセールスとしてキャリアをスタートさせる最も一般的な方法です。営業経験があるほうが採用されやすいですが、販売や介護、美容などでの接客経験も活かせる場合が多く、未経験でもチャレンジしやすい傾向があります。業界や技術、開発など商材との親和性が高い経験や知識が優遇される場合もあります。
派遣・契約社員として採用される
インサイドセールスには派遣契約や契約社員の仕事も沢山あります。営業経験があれば採用されやすく、正社員で働く前にインサイドセールスの仕事に関わるのに便利です。短期間に様々な企業で働くことで、雰囲気や仕事のやり方の違いを体験することができます。また、正社員登用の可能性もあるため、キャリアアップの第一歩として選ぶ人もいます。
業務委託で仕事を請け負う
フリーランスや副業で業務委託のインサイドセールス案件を受注する方法もあります。企業と契約を結び、インサイドセールスの業務を行います。実績があることが望ましいですが、成果報酬の料金体系にすることで自分のペースで仕事を進めることができます。ただし、安定した収入を得るためには、自分で仕事を開拓していく必要があります。
パート・アルバイトで採用される
学業や育児、介護などの副業として、インサイドセールスのアルバイトを始める人もいます。短時間から勤務できる場合が多く、在宅ワークの求人も豊富です。ツールなどの環境が整った職場で働くとテクニカルなスキルを身につけやすく、企業によっては、アルバイトから正社員に登用されるケースもあるため、キャリアアップのきっかけとなるかもしれません。
新卒入社後に配属される
新卒採用で入社した会社でインサイドセールスとしてのキャリアをスタートするパターンも増えています。研修後の最初の辞令で配置されるパターンと、別の部署や職種で働いてから異動になるパターンの2通りがあるでしょう。新卒ですぐにインサイドセールスになると、先入観なく1から知識やスキルを学ぶことができます。
インターンで採用される
インサイドセールス職には大学生向けのインターン求人も多いです。インターンシップとして、インサイドセールスの仕事に携わることで、実務経験を積むことができます。インターンシップ期間中に良い実績を残せば、内定に繋がる可能性も高いです。また、インターンシップを通して、企業の雰囲気や社員との人間関係を把握することもできます。
インサイドセールスの年収
キャリアを考えるうえで気になるインサイドセールスの給料や年収の目安について解説します。
インサイドセールスの平均年収
求人ボックス ジャーナルの記事(2023年11月時点)で、インサイドセールスの平均年収は491万円と紹介されています。
求人情報をもとに算出されているため、実際の給与額とは乖離があるかもしれませんが、他の職種に比べ高い水準にあります。
インサイドセールスの年収目安
とはいえインサイドセールスの給与は、所属する組織や業界、経験年数などの様々な要素によって変動します。職位のタイトルに応じた年収の目安は以下を参考にするとよいでしょう。
メンバー:年収300〜600万
リーダー:年収450〜800万
マネージャー:年収600〜1200万
SaaS企業の求人では以下の年収レンジで募集がされています。
インサイドセールスのキャリアパス
ここからは、インサイドセールスになった後のキャリアパスについてみていきましょう。
スペシャリストになる
ひとつ目は、セールスのスペシャリストとして活躍する道です。プレイヤーとして業務を遂行することに特化したキャリアになるため職人気質なひとに向いています。SDRとBDR、中小企業と大手企業、ISとFSなど顧客対象や営業スタイルによって同じ営業でも求められる動きが異なるため、自分の強みを活かせる職場を探すとよいでしょう。正社員を数年経験した後に、独立してフリーランスになる場合もあります。
ISスペシャリスト:インサイドセールス業務に特化し、深い知識と経験を積むことで、その分野のスペシャリストとして活躍することができます。
フィールドセールス:営業のスペシャリストとして、顧客への提案活動を中心に活躍するフィールドセールスに転身することも可能です。
フリーランス営業:会社員を辞めフリーランスの営業として活躍するひともいます。
マネージャーなどの管理職になる
会社員のキャリアでは管理職を目指すパターンが一般的です。メンバーからリーダーへの昇格基準に成果を置く組織が多いため、まず個人で成果をあげることが求められます。そこからマネージャーになるには、チームで目標を達成する能力が求められます。そのため、育成やリーダーシップといった周囲に影響を及ぼす能力が必要です。また、インサイドセールスからフィールドセールスになったうえで管理職を目指す道もあります。
リーダー:チームメンバーの育成や目標達成をサポートするリーダーとして活躍を目指します。
マネージャー:ISの戦略策定やパフォーマンス管理を行うマネージャーとして、組織を牽引する役割を担います。
キャリアチェンジする
インサイドセールスで培ったスキルは、他の職種へのキャリアチェンジにも活かすことができます。例えば、顧客とのコミュニケーション、ニーズの把握、そしてデジタルツールへの理解は、カスタマーサクセスやマーケティングといった職種で非常に役立ちます。また、データ分析能力や問題解決能力は、コンサルタントやプロジェクトマネージャーといった営業以外の職種への転身にもつながる可能性があります。
起業する
スタートアップやベンチャーのインサイドセールスとして数年働いた後に起業を目指す道もあります。特に、SaaS企業やBtoB企業の起業においては、インサイドセールスの経験が大きな武器となります。顧客の課題を理解し、最適なソリューションを提供することで、早期に顧客を獲得し、事業を拡大していくことができます。また、インサイドセールスで培ったネットワークも、起業後のビジネス展開に役立つでしょう。
まとめ
この記事では、インサイドセールス職としてキャリアをスタートさせる最初の入り口の部分から、給料・年収の目安、その後のキャリアまでを解説しました。
インサイドセールスは、マーケティングや営業企画、カスタマーサクセスとも近く、業務を通して様々な知識・経験を積むことが可能です。
そのため、次のキャリアとしてセールスチームの管理職のほか、マーケティングやSalesOps、BizDev、CSなど様々な職種の可能性がある職業です。
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