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なぜ「水色」は透明ではなく、薄い青色なのか

こんにちは! 四国のまんなか、高知県嶺北地方で古民家を改装した貸切宿泊施設を運営しています、『一軒宿さめうら』です!

10年間も空き家だった古民家を半年かけてリフォームし、今年の2月に オープンし、迎えたはじめての夏。おかげさまで、川遊びにいらっしゃるお客様を中心に8月は大忙しです。ありがたいことです。

近くの汗見川は大賑わい!

泊まられたお客様と話していて印象的だったのが、『この川に来て、初めて「水色」の意味がわかった』と言われたことです。

水って、無色透明でしょう。コップの水は透明です。でも一般的には、下の画像ような薄い青を水色という。なぜ水は透明なのに、薄い青を「水色」というのか不思議だったんですって。

水色=#bce2e8

それが、この川に来て初めて分かった、とおっしゃられたんです。うちの宿の近くの汗見川を見て、ああ、本当に水色だと。言われてみて、たしかにと思いました。たしかに汗見川は水色です。

これ、前の記事でも書きましたけど、きれいな川だから水色になるかというと、そうでもないんです。無色透明な水でも、黒いお椀にいれたら、黒く見えますよね。川でいえば、石の色が関係するわけです。汗見川は、石の色が白っぽいから、水色に見えるんです。

ちょっと理屈ぽい話をしますと、なぜ底が白いのに、白ではなく水色(薄い青)に見えるのか。これは、水(H2O)が最も吸収しにくい波長の電磁波帯を、我々の目は「水色」と認識するってことです。

こちら、ネットで拾ってきた、水のスペクトル吸収グラフですが。

水の光吸収スペクトルグラフ

縦軸が吸収率(上に行くほど吸収する)、横軸が波長。虹のようになっているのは、可視光線の領域です。我々の眼球が認知できるのは、この虹の部分だけです。

太陽光線というのは、紫外線から赤外線まで、目に見えない領域の電磁波も含んでいますし、当然、可視光線領域も紫から赤の波長まで含んでいます。

で、これが水に入ると、赤とか橙の波長の光は吸収されてしまいます。青っぽい波長は吸収されにくいんです。吸収されないってことは、反射するってことです。青い光は反射して、その一部が我々の眼球に届き、認知します。

青い光を反射するから、水は青く見える

ということで、我々の目は、水が吸収できなくて反射した太陽光線を「水色」と認知するのです。ただ、底の岩が黒かったり、そもそも水が汚れていたりすると、「水色」にはならないわけです。底が白っぽくて、適切な深さがあって、水がきれいで、はじめて「水色」になるわけです。

海が「水色」では無いのは、深いからです。深ければ反射する光が少なくなるので、黒っぽくなります。なので「マリンブルー」は、濃い青になります。もちろん、海の水をコップに汲んでみたら無色透明ですよ。ただ、深くなればなるほど、黒に近づいていきます。

ということで、きれいな水と、白っぽい地面と、適切な深さ(せいぜい数メートル)、そこに日光が降り注ぐと、はじめて「水色」ができるわけです。


最後に、思いついたから書いちゃいますが、似たような疑問で、僕はなぜ「茶色」が茶色なのかと疑問に思っていたんです。いや、お茶って緑じゃん、と。「麦茶色」なら分かりますけど。

これは中国茶を知って、分かったんですけど。中国では「発酵茶」が主でして、ウーロン茶とかですね、なので「茶色」なんです。それが日本に数百年前に入ってきて、日本では発酵させない「緑茶」になったんです。で、いまも日本では「緑茶」が主流。だけど、本来、茶ってのは中国から来たものだし、その「茶色」は茶色なわけです。

宿の庭にはお茶の木があり、お茶摘みもできます!

ちなみに、私たちの「一軒宿さめうら」には「お茶の木」もありまして、5月~9月ごろまでは、芽吹いたお茶の葉っぱを摘んで、まさに「生茶」を淹れて味わう、なんていうこともできます。ぜひ四国のまんなか、高知県嶺北地方に遊びにきてください!


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