【3/3(日)開催 シンポジウム】 “ここ”からみえる“世界” — 地方から生まれる新たな多文化共生とは?
今年度、土佐市では市内の技能実習生・特定技能外国人の方々の生活実態を把握し、これからの多文化共生事業について検討するために、アンケートを用いた生活実態調査を実施しています。そしてこの度、その調査報告と、調査結果をもとにしたレクチャー、専門家や現場で活動されている方々とのパネルディスカッションを含む、一般公開のシンポジウムを開催することになりました。
これからの“地方”における多文化共生の在り方を探る本市初めての試みです。ぜひご参加ください!
*情報を更新しました*
〈プログラム〉
【第一部】
13:15 イントロダクション
13:25 活動紹介❶
土佐市における技能実習生・特定技能外国人への生活実態調査報告
話者:阿部美香
13:35 レクチャー①
調査結果から見えてくること/土佐市における多文化共生(仮)
話者:岩佐和幸氏
14:00 活動紹介❷
土佐市における取り組み「わくせいプロジェクト」の紹介
話者:阿部美香
14:15 レクチャー②
地方だからこそできる多文化共生への動き(仮)
話者:阿部一郎氏
休憩/会場からディスカッションに向けて質問を募集(質問カードに記入)
【第二部】
14:50 活動紹介❸
在高知インドネシア人協会の活動
話者:キエル イェへスキエル氏、ハイル ウマム氏
15:00 ディスカッション
テーマ:地方における多文化共生の可能性について + 会場からの質問
岩佐氏 × 阿部氏 × キエル氏 × ウマム氏 × 阿部航太(モデレーター)
16:00 終了
開催の背景
全国的な傾向と同様に土佐市でも外国人住民の増加が著く、現在(2023年5月時点)の外国籍の方の人口は393人で、2016年の282人から4割増加しています。 そしてその中で、技能実習生、及び特定技能外国人は252人、全体の64%を占めます。彼ら彼女らは、ベトナム、インドネシアをはじめとしたアジア地域から来日し、1〜5年の限定された期間で実習(就労)しており、市内における農業、漁業、加工業をはじめとした人手不足を課題に抱える産業を支える存在です。しかし一方で、言語の壁や文化の違いなどにより地域のコミュニティから孤立する傾向があることが、地域社会や防災の面における課題となっています。
異なる背景をもつ彼ら彼女らは、市の産業を支える存在というだけでなく、新しい価値観や、魅力的な異国の文化を教えてくれる隣人です。土佐市では、技能実習生、特定技能外国人との関係づくりをとっかかりとし、市の多文化共生事業を進めています。
シンポジウムの見どころ
①技能実習生への生活実態調査の結果を幅広く共有
土佐市が実施している調査では、市内に暮らす技能実習生と特定技能外国人たちへ、対面でのアンケート調査を行っています。直接顔を合わせ、彼ら彼女らの声を聞きとることで、本調査は情報を得るだけでなく、互いを知り、関係を築く機会にもなっています。今後、全国的にも外国人住民の増加が続くことが想定されている日本において、どのようにお互いを理解し、暮らしていくかは大きな課題となります。今回の調査結果やシンポジウムの内容を広く共有することで、各地で同じような課題を考えるきっかけになればと考えます。
②異なるバックグラウンドを持つゲストたちによるレクチャーと ディスカッション
レクチャーでは、全国のさまざまな場所で多文化共生事業に携わってきた阿部一郎氏、上記の土佐市の調査においてアドバイザーを務める岩佐和幸氏と、それぞれの専門性をとおして、土佐市をはじめとした“地方”における多文化共生の在り方を探ります。また、パネルディスカッションでは、高知のインドネシア人コミュニティーの一員として地域社会との共生を模索しているキエル氏とウマム氏が加わり、多様な視点で議論を展開していきます。さまざまな立場からの意見を交わしながら、“地方”だからこその多文化共生について考えます。
阿部一郎
(公財)箕面市国際交流協会事務局次長を経て、(特活)多文化共生センター理事長、東京外国語大学多言語多文化教育研究センター研究員、全国各地の国際交流協会のアドバイザー等を歴任して現在に至る。大学で教鞭をとる傍ら、バンコクのスラムで暮らす子どもたちへの教育支援活動や国内の子育て支援のNPO活動に参加している。
岩佐和幸
高知大学人文社会科学部教授。専門は農業・食料経済論、アジア経済論、地域経済論。主な著作に『マレーシアにおける農業開発とアグリビジネスー輸出指向型開発の光と影ー』(単著 / 法律文化社 2005年)、『アグリビジネスと現代社会』(共編著 / 筑波書房 2021年)がある。今年度の土佐市による技能実習生たちへの調査においてアドバイザーを務める。
キエル イェヘスキエル、ハイル ウマム
キエル(左):2019年に日本語留学生として来高し、現在は高知ファイティングドッグスにてスポーツをとおした国際交流事業に従事。
ウマム(右):2020年に来高し、現在は高知市春野町にあるトマト農家に勤務。
ともに高知のインドネシア人コミュニティの一員として地域社会との共生を模索している。
阿部美香、阿部航太
2022年4月に土佐市に移住し、「海外からの技能実習生と地域住民との交流づくり」をミッションに地域おこし協力隊として活動を開始。土佐市において、実習生を含む様々な人たちが集えるスペースの立ち上げを目指す「わくせいPROJECT」を展開し、市内外におけるリサーチや、ワークショップの開催、執筆や講演など活動を広げている。
③東南アジアの味が楽しめる「国際お弁当フェア」を開催
技能実習生たちの出身国であるベトナムやインドネシアのお弁当を販売します。お弁当は、佐川町にある「フォンバインミー(ベトナム料理)」と高知市潮見台にある「ハラルハウス(インドネシア料理は)」によるもの。シンポジウムの前に、スパイスやハーブが香る東南アジアのお弁当をお楽しみください。
※数量限定のため、お早めに。
※つなーでの一部エリアにて飲食いただけます。
参加方法/お問い合わせ
シンポジウムへは申し込みなしでの当日参加も可能ですが、人数把握のため可能な限り事前申し込みをお願いしております。
近いテーマにすでに取り組まれている方、これから取り組もうと考えている方、とにかく興味があり知ることから始めたい方など、さまざまな方のご参加をお待ちしております。3月3日、土佐市でお会いしましょう!