【読んだ本】 ビッグデータvs.行動観察データ:どちらが顧客インサイトを得られるのか/安宅 和人
https://www.amazon.co.jp/dp/B00YMANUYM/
どのようなことが学べる本か
顧客のインサイトを得る手法として注目される「ビッグデータ」と「行動観察データ」の使い分け
どのような人にオススメか
① ユーザーのニーズを把握したいすべての人
② 特にユーザーのインサイトを導出してイノベーティブなサービスを生み出したい、プロダクトマネージャーやマーケターやUXデザイナー
どのような内容か
① ビッグデータ・行動観察データとは何か
・ビッグデータ:特定サービスの利用データを大量に蓄積したもの
・行動観察データ:ユーザーの行動を観察・ヒアリングして得られた定性データ
② ビッグデータ・行動観察データの3つの違い
・行動観察データはユーザーの意識・利用文脈など、深いデータを取得できる。
・ビッグデータは全量解析することでテール部分の情報も含めて分析できる。
・ビッグデータは利用の各場面で発生するため、行動している瞬間を捉えられる。
③ ビッグデータと行動観察データの用途別使い分け
用途 1:ユーザーニーズの見極め … 行動観察データ
→ セグメントを代表するユーザー10名程度の観察によって、初期仮説は立てられる。ビッグデータは、行動とニーズの相関が無数にあるため不向き。
用途 2:提供価値の設計 … 行動観察データ
→ プロトタイプを用いたユーザーテスト(行動観察の一種)を繰り返すのが王道。
用途 3:顧客ごとへのマーケティング … ビッグデータ
→ 1人ひとりにカスタマイズした打ち手を提供するには、ビッグデータは不可欠。
用途 4:取り組みの効果検証 … 行動観察データ・ビッグデータ
→ ユーザーの意識の変化は行動観察データで見る。利用行動の変化はビッグデータで詳細に見るのが最適。
読んで思ったこと
①「経営とデザインの幸せな関係」のという本の中で、インサイトの発見には「日常の観察力」が重要であると語られていたのでこの本を読んだ。たしかに、イノベーティブなサービスの源泉となる、ユーザーニーズの見極めや企画設計には、行動観察が重要であることがこの本でも語られていた。
② 一方で、行動観察と並列でビッグデータが比較されること自体が大きな学びだった。顧客インサイト(=ユーザー自身も気づいていない・言葉にできない潜在的な欲求)は、ユーザーの行動を観察することで洞察できるだけでなく、蓄積された膨大な利用データからも導出できる。
顧客は自分が何が欲しいのかわかっていないとよく言われるが、それは行動の端々に現れていて、その端々の行動を繋ぎ合わせてインサイトを導き出す方法として、ビッグデータや行動観察がある。ということがよく理解できた。
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