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SaaSで満たされた後の世界で起きた事

SaaS(サーズ、ソフトウェア・アズ・ア・サービス)、サービスとしてのソフトウェアの世界が始まって日本では10年ちょっとでしょうか。

国産の最大SaaSといえばSansan。Sansanは2007年に始まり、2019年に上場しました。間近の決算ではコロナもあって株式市場からの評価は少し懸念がある様ですが、売上、利益共に高い成長を続けています。

売上133億円、営業利益7.6億円


SaaSを繋げるiPaaS

この10数年でSaaSの世界は大きく発展する中でいくつかの問題が出て来ました。社内がSaaSで埋め尽くされ業務が分散してしまい、非効率な場面が出て来ました。そこでそれらSaaSを上手く繋げ、統合的に管理したい、みたいなニーズが出て来ました。それらを繋げて業務を楽にしようという事でiPaaS(アイパース、インテグレーションプラットフォーム・アズ・ア・サービス)、統合プラットフォームサービスの様なサービスが出て来ます。

国産iPaaSとして注目されているAnyflowの坂本さんがiPaaSが出て来た背景を説明しています。

会計ならfreee や MoneyForward だし、顧客管理なら kintone、Salesforceだし、労務なら SmartHR みたいに、従来は一つの巨大なソフトウェアだったのが、どんどんと分断しているわけですね。従来は一つのソフトウェアだったのが、アンバンドルが進むとどうなるか?それはデータも分断していくということです。

更に少し前から流行っているDX向けの解決策として古いシステムでの操作を自動化しようみたいなRPA(Robotic Process Autimation)もこのiPaaSとSaaSの世界にして行けばいいのではといった話しも以下の記事で紹介しています。

レガシーシステムが多い日本で爆発的に普及したんだと思います。こんなにRPAが盛り上がってるのは日本だけです。
グローバルの"RPA"というワードで検索ボリュームを見ると、半数が日本からの検索らしいですね。

このiPaaSですが、実は海外では既に業界標準に近いzapierというサービスがあります。ですが国内ではzapierよりもAnyflowの方に注目が集まっています。その理由に日本語圏と英語圏の問題があります。

SaaSの世界では2つの世界が同時進行していました。

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そしてある特徴的な事も起きました。日本語圏のSaaSはいわゆる企業の基幹に近いシステムや固有の商習慣があるものが中心となり、それ以外、営業やカスタマーサポート、マーケティングなど、世界中で標準化されやすい業務は英語圏SaaSが日本でも使われる様になりました。

そうした中でAnyflowはローカルiPaaSの様な位置を目指します。国内のSaaSはzapierへの対応をしていない、またお互いのシステムもそこまで繋がりが強いという状況でもありませんでした。それらを解決しようとしているのがAnyflowになります。

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Anyflowとzapierは競合の様に映るかもしれませんが、実は役割が違い、お互いが補完関係にあります。Anyflowはzapierを介して既にzapierと繋がっているSaaSを使える様になっています。iPaaSとiPaaSの連携です。

ここまでがグローバルとローカル、SaaSとiPaaSで起きている出来事です。

SaaSでは出来ない、BaaSで解決

次に、SaaSを使っていると自分達の業務と少し違っていたり、上手く業務がはまらない、みたいな事が起きました。ですがSaaSがここまで普及してくると自社でシステム開発をやる、みたいな事には中々ならず、しょうがなく使っていたり、そもそもSaaSを使わずエクセルなどで何とかする、みたいな事が起きました。

それを解決する為にデータベースやロジックは提供します、画面は自分達でカスタマイズして作る事が出来ますよという様なサービスが出て来ました。

BaaS(バース、バックエンド・アズ・ア・サービス)と言われるサービスの登場です。

システム的な用語で言えばDecoupled architecture(デカップルドアーキテクチャ)、分離された構造という仕組みになります。

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日本ではHexabaseというサービスがこのBaaSを提供しています。

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NoCodeアプリ、全部自分達で作りたい

SaaS、iPaaS、BaaSと来て、今新しいトレンドで来ているのが画面もロジックもデータベースも全部作りたい、プログラミングしないで作りたい。その解決策として登場したのがNoCode(ノーコード)アプリです。

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このNoCode、2019年の10月あたりからトレンドが上昇を始めました。きっかけはいくつかのサービスの登場ですが、元々SaaSに疲れて新しい解決策を探していた人たちから大きな支持を受けた様です。最近ではNon-Tech Founders、技術力が無くてもデジタルサービスを作れると様々な人たちがNoCodeアプリを使ってサービスを立ち上げる人達が出て来ています。

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NoCodeアプリで有名なサービス。bubble、Adalo、glide。

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今起きている事、これから起きる事

この10数年、特にこの数年でSaaSは爆発的に普及を始め、多くの分野でSaaSが生まれました。そういった土壌の上でのSaaSの課題を解決するサービスが出始め、それらが一気に日本でも浸透を始めたという感じです。

2025年にはこれらNoCodeというジャンル、SaaS、BaaSなどで作られたサービスは今後の世界のアプリケーションの60%程度を占めるとも予測されており、これから数年で日本でも一気に広がると思います。

この話しと合わせてエンジニアが仕事が無くなるのではと言われていますが、これらNoCodeサービスはこれからも沢山出て来ます、それらをメンテナンスしたり拡張したりするのはエンジニアの仕事になりますので、当面はエンジニアの仕事はあると思います。オペレーターエンジニアみたいな職種は出てくるかもしれません。プログラミングは出来ないけどNoCodeサービスを使ってアプリは作れる、みたいな。


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