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ゆりかご.comについて


ビジョン

現在、ゆりかご.comというメディアを作っている。2020年中に全国まで情報源をひろげ、産前・産後の忙しい親御さんの時間を創出する一助を担えたらと思う。

僕は乳幼児の望まぬ死を、ゼロにしたい。

産前・産後からはじまる子育てと親となる人の人生をサポートする「ゆりかご.com」は全国にある産婦人科・小児科・助産師/保健師・産後ケア・育児サポートの情報を掲載。
独自の特集やユーザーの口コミ・写真をもとに、様々なジャンルの人気のサービス、目的や予算にぴったりのケアや経済的な支援・サポートを見つけることができます。

TPOとしては自宅でスマホから思い付いたとき/スキマ時間に使うもので、ユーザーへのサービス提供は原則無料。周囲の助産師・保健師や、子育て中の女性の知人・友人の声を聴きつつ、このような問題を解決できればと考えている。

問題設定

考えられる問題
☑(第一子だと特に)そもそも自分がどうすればいいのかが分からない
分かりづらい、探せない、見付からない
☑頼って良い人につながることができるかどうか分からない、一覧性や網羅性がないので選び切れない
☑自分に合っているのか、もっと条件の良いサービスがあるのかなどの比較・検討ができない
☑安価な行政サービスや助成金、補助金などのサポートが(あるにも関わらず)うけられない
☑休止・休業が分からない、予約受付できない、自分に利用資格があるのかが分からない

そこで、自分がこのサービスにおいて考える〝負の状態〟は、下記のとおり。

負の状態
☑画面が見づらくなる広告
☑ページネーションがあって読みすすめないと全体が分からない
☑見つかった支援につながることができない情報が載っている
(地域が遠すぎる、資格がない、中止・閉鎖している…など)
☑検索結果件数が多すぎて、絞り込めない
☑ある検索軸にはDBにあるすべての情報・選択肢が入っていない

機能・想定されるニーズ

産前産後ケアにまつわる窓口・施設・事業者をニーズに応じて検索・予約できるプラットフォームとして、下記のような機能を充足させる。

コア機能
→検索
 ✔テーマ・ジャンル検索
 ✔地図・スポットごとの検索
 ✔スケジュール検索
→CV・ゴール
 ✔電話予約
 ✔公式Webサイトへのリンク
 ✔ネット予約へのリンク設置
→お知らせ
 ✔各地域ごとの助成金・補助金事業のご案内
 ✔割引キャンペーン情報
 ✔アップデート・休止など運営サイドのご案内
→メルマガ
 ✔上記の内容をお知らせ
(※サービス利用にあたってログインは不要だが、今後のビジネスシステムとして必要な個人情報取得の経路として)

想定しているニーズは下記のとおり。

想定されるニーズ
○子育てで孤立したくない/誰かと話したい
○できる限り寝たい
○授乳相談がしたい
○育児相談がしたい/子育てのサポートが欲しい
○同じような境遇にいる人(NICU経験者、小児難病など)とつながりたい
○自分の時間がほしい/リフレッシュ、リラックスしたい
○知識を得たい/学びたい/聞きたいことがある
○母国語の通じるお店/サービスが知りたい
○子連れでいける飲食店・美容院を知りたい…など

プロトタイピング

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よく助産師から聞くのは、「そもそもどうしたらいいのか、何に自分が困っているのかが分からない人の割合の方が多い」という話。したがって〝目的からさがす〟の一番上に〝誰かと話したい〟を持ってきた。これは、“潜在的な緊急度”をフォローしたい、という思想の現れ(顕在的な緊急度は〝医療〟だろうが、そもそもこんなアプリ使わないだろう)。また、コア機能のなかの〝テーマ・ジャンル検索〟〝地図・スポットごとの検索〟といった機能は不可欠だろう。

個別のサービスごとの検索では、事業内容と対象者ごとに切ってそのどちらも一つの検索軸に入れ込んだ。区分としてはそれらを一つ一つの軸に分けるべきかもしれないが、一覧性・網羅性を優先して軸をひとつにまとめたままにすることとした。

勢い、ティザーサイトもつくった。

市場選択

まずはプロトタイプを茨城版で作成することに。何故茨城かというと、このメディアを思い付くきっかけになった子が住んでいる場所だということ、そして事業を手伝ってくれている恩人が住む場所でもあるということが理由。比較対象として、自分の職場のある世田谷区版も並行して作成する。

その後、大きく広げられるだけのテンプレートが定まり次第、助産師の就業者数が多い都道府県である東京都、神奈川県、大阪府版を作成する。

デザイン

“どんな人にも、読みやすく、分かりやすいサイトでありたい”という想いから、発達障害・学習障害の大人やこどもであっても支障なく読めるユニバーサルデザインのフォントを採用する。ロゴや開発中の本体サイトの文章に使われるフォントは、すべてUDフォントとする。

調査・分析

【ケーススタディ】Layette

☑フィンランドの出産子育て支援をしているネウボラで得られる知識やノウハウが詰まったLayette(レイエッテ)
☑産後うつ、パートナーとの関係(夫婦関係の構築や睡眠不足の夫婦)、父親になること(父親の懸念や役割)などの情報
☑日本語で利用可能(!)
☑フィンランドの子育て支援システム ネウボラのサポートや情報をベースにしたヘルスケアアプリ
☑フィンランドの父の日である2019年11月10日に日本でのサービスを開始
☑胎児期~3歳までのコミュニケーション・支援を掲載

【ケーススタディ】Kinside

☑フィンランドで行政サービスとして提供されているベイビー・ボックスの民間版
☑日本法人の有無は不明

【ケーススタディ】Kinside

☑予約した施設との事前交渉や利用者への割り引き料金の提供、育児の専門家からなるコンシェルジュの相談サービス
☑親は、地域、料金、育児に対する考え方などを基準にサービス提供者を検索できる

【ケーススタディ】LINEヘルスケア(β版)

☑「オンライン診療の適切な実施に関する指針」の遠隔健康医療相談(医師)の範囲で実施
☑現時点では内科・小児科・産婦人科・整形外科・皮膚科
☑利用料金(β版):「いますぐ相談する(相談を予約する)」2000円(30分)「あとから回答をもらう」1000円(48時間/1000文字まで)

【ケーススタディ】小児科オンライン・産婦人科オンライン

【ケーススタディ】神奈川県横須賀市

☑ハイリスクのケースは年に50人ほど/救急搬送された病院などで出産する女性は年3~10人
☑保健師が相談を受け妊娠検査の費用負担ができないと判断した場合、市販の簡易キットで無料検査
☑判定後は保健師同行で医療機関を受診・1.3万円の初診費用を国と市で半額ずつ補助
☑予期せぬ妊娠や経済的困窮などで妊娠・出産に不安を抱える女性が対象
☑妊婦健診を受けずに出産する「駆け込み出産」や、虐待の防止を目指す

【ケーススタディ】長野県松本市

☑児院の里親支援専門相談員が里親希望家庭の調査などに同行
☑乳児院は里親同士のつながりづくり
☑市は里親の募集や委託後のサポート
☑預かるのはゼロ~三歳程度の乳幼児
☑里親を「コミュニティー・ファミリー・パートナー(CFP)」と名付ける

【ケーススタディ】エムティーアイ(ルナルナ)

☑北海道及び道内自治体が実施する不妊治療等に関する助成制度の検索
☑不妊・不育に関する相談窓口の紹介
☑道内の指定医療機関情報の掲載
☑不妊・不妊治療に関する基礎知識の紹介

【ケーススタディ】妊娠相談ほっとライン

☑予期しない妊娠や経済的困窮などで医療機関の受診、市区町村や周囲への相談が困難な人が対象
☑NPO法人などが面談を行なった上、自分で医療機関を受診するのが厳しいと判断された場合に医療機関への同行支援と初回産科受診料の助成を実施
☑運営はNPO法人「ピッコラーレ」

【ケーススタディ】妊娠相談ほっとライン

☑相談件数は10年間で約4倍…児童虐待ホットライン「189」が無料化
☑虐待死事例では虐待者の半数が実母 約4割は転居を経験というデータも

【ケーススタディ】内閣府

【ケーススタディ】熊本市慈恵病院(「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト))

☑妊婦が孤立した状況で出産が迫っている場合などに限り、匿名で出産できる事実上の「内密出産制度」を導入
☑「赤ちゃんの殺人や遺棄が全国であり、これまで匿名出産を断った人の行方が気になる。行政には受け入れ事例を作った上で対応を相談する」
☑内密出産制度はドイツで2014年に導入されたが、病院の担当者は今回の場合は行政との協議や法整備を経て実施するわけではないため、正式な制度ではない

【ケーススタディ】佐賀県

☑助産師や父親支援団体、多胎児家庭支援団体や行政などと連携
☑アプリ上でオンライン相談を受け付け
☑eラーニングで指導を受けられるケアサービス

【ケーススタディ】政治・法律

出産したあとの母親への「産後ケア事業」の実施を市町村の努力義務としています。また、出産後1年以内の母親と乳児を対象に助産師や保健師が心のケアや育児に関する相談を行うほか、「産後ケアセンター」の整備に取り組むことなどが盛り込まれました。改正法は2021年4月から施行されます。

【研究・調査報告】「妊産婦メンタルヘルスケアマニュアル~産後ケアへの切れ目のない支援に向けて~」公益社団法人 日本産婦人科医会 ほか

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母が抱えるストレスの研究
☑慣れない育児への不安
☑育児で睡眠時間が削られる
☑育児に対する夫への不満
☑育児に対するサポートの不足
☑子供と二人だけでいることの孤独
☑子供が言うことを聞かない
☑周りからのプレッシャー
☑自分の時間がとれない
☑ゆとりが持てない
育児ノイローゼの対処法
□ 睡眠や休息をとって、睡眠不足や肉体的な疲れを解消する
□ 育児不安を持つママは「自分だけではない」と理解する
□ 育児をお休みする日(時間)を作る
□ 行き詰まったら、深呼吸して気持ちを落ち着ける
□ 地域にある育児支援の窓口に相談する
□ 育児サークルなどに参加してみる
□ 医療機関(精神科・心療内科)に相談する
産前産後にやっておくことリスト
☑近所の小児科をリサーチしておく
☑救急車を呼ぶときの手順を確認
☑夜間救急やサイトも登録
産後の仕事復帰前の準備リスト
☑子の看護休暇制度:未就学児の子どもが病気やケガをして看護が必要なときに使える休暇制度
☑育児時間制度:1歳未満の子どもがいる女性は、1日2回、それぞれ最低30分、育児時間を職場に請求可能
☑労基上、産後8週間は働けない/産前休業は事前申請制/育児休業は1~2歳まで
ゼロ歳児の児童虐待
☑全国では二〇一七年度に虐待で死亡した子どものうち、53.8%がゼロ歳
☑日本の産後ケアは経済的な問題を抱えるなどの「特定妊婦」への支援に限られている
☑"特定"という詞を無くし、妊娠期や産後すぐから行政がすべての母親や家族に接触・支援する必要性

【研究・調査報告】リトル・ママ

☑“情報を得る際、どこからの情報を信頼しますか?”
→ママ友・友人28.4%、Webサイト・ブログ22.7%、親族17.0%、雑誌・本・新聞11.9%、SNS8.8%
☑情報収集やSNSの利用時間「21:00~23:59」46.8%、次いで「9:00~11:59」「12:00~14:59」(子どもの通園・通学)

【ロビイング】指定難病の医療費助成

☑難病のこども支援全国ネットワークの福島慎吾専務理事は「5年前の国会で議決した児童福祉法改正案の付帯決議の実現をめざすことが法見直しのスタート」
☑小児慢性特定疾病のわずか48%が指定難病
☑成人後は医療費助成を受けられない問題の解決を訴える


貴重な時間のなか、拙文をお読みいただき 有り難う御座いました。戴いたサポートのお金はすべて、僕の親友の店(https://note.mu/toru0218/n/nfee56721684c)でのお食事に使います。叶えられた彼の夢が、ずっと続きますように。