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染み渡る幸せのスープ。『平野屋』

夏も終わりに近づく頃。


 10月に入り、夏の終わりが感じられる今日この頃。ここ数日の激しい気温変化もあり、外はすっかり寒くなった。それはもちろん、今回紹介する店、『平野屋』がある館林の町も変わらない。館林といえば、夏は全国でも指折りの暑さを誇る町。しかし、館林は季節が進むと突然寒くなり、さらに冬には『赤城おろし』と呼ばれる季節風によって、雪こそ降らないものの、肌に痛い寒さと乾燥が町を支配する。雪深い北海道で冬を過ごすよりも、何故だか辛く感じられるほどである。
 そんなときに、是非とも食べたいのが、平野屋のラーメンである。本店と支店があるのだが、私が好きなのは駅に近い支店の方である。この店には実にたくさんのメニューがあるのだが、今回は、私のお気に入りの2品を紹介しようと思う。


透き通るスープとわかめのコク。『ワカメラーメン』

ワカメラーメン

 丼の半分を埋め尽くす大量のわかめ。これが平野屋のワカメラーメンの醍醐味である。平野屋のラーメンは佐野ラーメンと呼ばれる部類のものであり、薄くあっさりとした醤油味のスープと、平打ちの太い麺が特徴である。そんな素材の味が埋もれない優しいスープに、わかめから染み出した海の幸のコクが合わさり、いくらでも食べられる、骨身に染みる安らぎの味が完成する。思うに、これはわかめがここまで大量に入っているからこそのものだと思う。それに、食べても中々底を尽きないので、食べきったあとの満足感も大きい。必ず、次来たときも食べたい! と思ってしまう。

 また、敢えてここに書いておくのが、チャーシューの美味しさについてである。恐らく、どのメニューにも共通のものを使っているはずだが、平野屋のチャーシューは肉厚で、ほろほろと崩れるような口どけをしており、味付けも、くせになる美味しさなのである。普段は主役の食材を引き立てる脇役然としているが、チャーシューメンを頼めばこのチャーシューを主役に楽しむことができる(しかもたくさん乗っている)。今回は試さなかったが、次回食べたら写真をこのアカウントで投稿しようと思う。

程よい辛さと酸味。『キムチラーメン』

キムチラーメン

 こちら、写真を見るとワカメラーメンよりもスープの色が濃く見えるが、恐らくこれはキムチの汁が混ざった影響である。キムチラーメンなのだから当たり前である。ところで、今回食べたときはいつもよりキムチが多かった。店主の方(祖父が存命の時よく話した)がご厚意でキムチを増やしてくれた可能性が高い。ありがとうございます。
 さて、このキムチラーメンは、スープがあっさりしているから、キムチの酸味と辛さがよく染み込んで、料理全体でキムチを楽しむことができるつくりになっている。れんげですくって、スープだけを飲んでも、醤油ベースのスープに、キムチの特徴的な酸っぱさが混ざり込んで、いつもと違うスープの味を楽しむことができる。これがまあ、勉強で疲れた身体に効く。身体も温かくなるので、特に冬はやめられない。毎回、ワカメラーメンとどちらにしようか迷う。喉が乾くのを承知でスープを飲み干してしまう。

総括 

 個人的に、今回の写真は自分史上最高に美味しそうに撮れたと思っている。けれど、平野屋のラーメンの素晴らしさは、一度実際に食べてみなければ正確に表現することができない。平野屋のラーメンには今回紹介した2つと、少し言及したチャーシューメンの他に、ピリ辛のネギラーメン、餅の入った力ラーメンなどもあるため、気になったものを是非食べてみてほしい。絶対に、どれも美味しいはずである。

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