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「弱視の千里眼」なめんな。ナンシー関のフレーズが今もなお響く理由。

家でネットが使える以前、
ネットカフェで情報蒐集していた
時期がある。その頃良く観ていた
HPのひとつに「ボン研究所」があった。
ナンシー関が運営していた公式サイト
である。

つか、まだページ残っていたんか。

ナンシー関の言ってたことはやはり
「弱視の千里眼」の如く的確だ。

こっちは「てれびのスキマ」で
まとめられた伊集院光の発言。

ことごとく「気づくのが早い」渋谷(凪咲)
に驚愕するオードリーら。伊集院は
「逆の順番だったらキツい」と言って、
バラエティアイドル論を語る。

「最初は天然で出ておもしろいって
言われてたのに、場数踏んで勘のいい子は
覚えちゃう。下手すれば裏回し的な存在に
なったりする。その自覚が出た途端に
実はつまんなくなっていく。ああいう
女の子たちがバラエティ論語ったりすると
『お前、今、切腹中?』って(笑)」。

伊集院光が現代に即してあちこち
オードリーで話していたことは
既に20年以上前のナンシー関に
きっかり捉えられていた。

「しかし天然の素人は、「気付いて
しまう」ことによって突然の終わりを
迎える。自分はボケるとウケる、
もっとボケてウケましょうとなった時
はすでに終わっている。

いい例がマルシアである。彼女に罪は
ない。「天然」のはかなさが哀しい。」

「弱視の千里眼」であったことに関しては
ナンシー関の評論本に詳しい。
(安藤なつ主演のドラマでもある程度
やっていたが、弱視であるが故に
「信仰の現場」のルポを除いて
現場取材ができないほどの弱視だった、
とも。逆に見たいところをしっかり
ズームアップしてくれるテレビが
重宝した、とも云われる)

いつも心にナンシーを、と唱え続けた
まんまるビスケットこと大月隆寛の
提唱が響いてネット世界における
批評眼はこれがデフォルトになった
わけですが(だからこそそこに忠実な
スタンダードをテレ東は伊藤Pと
佐久間宣行Pで作れたからこそ
今のテレ東お笑いブランドのフラットな
安定感がある。

https://www.amazon.co.jp/%E5%9C%B0%E7%8D%84%E3%81%A7%E4%BB%8F-%E6%96%87%E6%98%A5%E6%96%87%E5%BA%AB-%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%BC%E9%96%A2/dp/4167622017

因みに伊藤P本にもあったけど、
伊藤Pは色弱なのでそのあたりにも
配慮された番組作りがちゃんと伊藤P
制作の番組にも存在していて、
ナンシー関イズムの継承者になりえて
いるところにテレ東の妙味がある)。

私の紹介文の一節に

好きなコトバで時々唱えたくなるものは
「ツッコミは、時に、人の心を救う」

とあるのは、ずんずん調査で知られる
堀井慶一郎(早稲田なので「あたしンち」
のけらえいこの先輩にもあたる)が
「誰よりもツッコミの速度が速い」、と
当時の調査で実証したのと共にある
重要な示唆であり、この対象は実は
共にナイナイの矢部浩之に向けられた
発言だった、といふことなんですが、
その詳細はまた後日。