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希釈されないように (日記 200513)

昨日の日記。

 油断するとすぐに「おやつの時間じゃない?」とか言い出して、頼んでもないのにミックスナッツを出してくる。父親が在宅勤務するのは週に3日程度で、残りの2日は出勤する。この日はずっと家にいて、zoomで会議をしたりしていた。そうでない時間は2人ともリビングのテーブルにパソコンを開き作業をする。今ぼくは「中トロ健康ダービー」という、友人とやっているポッドキャストの企画をはじめたばかりである。毎日多少は運動しているし、食事にも気を使う。が、父親には関係がない。ミックスナッツに付き合わせようとしないでほしい(むしゃむしゃ)。


 授業が二コマ入る予定だったのに両方なくなった。片方は講師がzoomに慣れていなすぎて、もう片方は自ら撤退して。映像を使う授業だとzoom越しにどう見せるかが難しいらしい。撤退は切ない。興味があって取った(取ろうとした)授業なのだが、予習復習、発表準備などをする余裕がないと判断した。ふがいない。大学もう7年目(7年目??)なのに、きちんと濃く取り組めた授業がそう多くないのが心残り。せめて残された数コマはフルに学びたいやね。M2にもなってまだ授業を取らなきゃいけないのが不測の事態ではある。


 appleからメールが来て「今発送したッス!!!!!!!!!」とのことである。予約したiPhone SEのためのフィルム、ケース、ワイヤレスイヤホンをAmazonで購入したばかりだった。iPhoneが届くのは10日後だと注文時に見た。じゃあフィルムとかは別にお急ぎ便じゃなくていっか、と思ってチェックを外して注文確定したのに、明日届くことになってしまった。二三日は裸でiPhoneを使わなければいけなさそうだが、機種変更はいつも嬉しい。楽しみ。

 発見→appleからのメールを体育会系っぽくするとギャップでおもろい。

 後輩がTwitterで「オススメの本を教えてください」と言っていて、よっしゃトロニーに任せときな!と腕まくりをしたが、特に思いつかない。へへ、堪忍な!と読書の記録を確認する。ビブリアというアプリを起動し、過去に遡るためにスクロールする。サササーっとすぐ終わってしまって、あれ?ぼくって全然本読んでない?んですか?なんか少なくない?とシュンとした。読書が好きだし本も好きだけど、そう言い張るには全然足りないような気がする。「オススメの本」がすぐに出てこないのも恥ずかしい。吸収率が悪いんだろう。てやんでい。空っぽだよ…おれなんて…。数が多ければいいわけでも、名文を覚えていればいいわけでもないが、自信が持てなくなるのも仕方ない。なんだかな〜。オススメの本ですか…?鬼滅の刃がおもしろいですよ…。


 寝る前に梅棹忠夫の「モゴール族探検記」を読んだ(まだ読み終わってはない)。モンゴル民族がどう移動し広がったかを研究するため、アフガニスタンに探しにいく、というお話。

 調査の準備や前置きの部分がやや冗長に感じる。なので、途中から読み始めて、その後冒頭に戻るという読み方でもいいと思う。語り口が軽妙、視点が対象に近いようで全然肩入れしていないのが梅棹忠夫の人柄と才覚を表している。研究の記録ではあるがエッセイでもある。ユーモアのセンスがあるし、章分けが細かくて非常に親しみやすい。調査の展開やモゴール族の集落自体に天然のミステリが仕込まれているのもあって、飽きずに読めてしまった。それがなんなのかはぜひ読んで確かめてみてほしい。

 モゴール族の物語は切なかった。文化や歴史を失うということ、逆にそれを持つということの意味。おぼろげながら、直感で理解できる気がした。もう64年前の本だ。だけど、今の自分に、自分たちに重ねてしまう(それが本の力だ)。どこにでも行けて、何にでも繋げることができる時代だからこそ、希釈されないように、固有なものを再発見する必要がある。陳腐にも聞こえるが、少なからず本気でそう思った。全然本を読んでいないっていう話のあとに本を読んだって話をするの、ちょっとムカつくな。

 ていうか若い頃の梅棹忠夫、めちゃくちゃカッコいいんだが!?

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この髪型いいな〜。おわり。

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