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【神戸市バス】須磨海浜水族園と衣掛詰所・回転地

神戸市立須磨海浜水族園は前身の神戸市立須磨水族館の1957年の開業から65年、1987年に現在の須磨海浜水族園になってから35年の長きにわたり神戸市民に親しまれてきましたが、「神戸須磨シーワールド」へリニューアルされるために2023年5月31日19時をもって営業を終了しました。閉館間近のある日、「須磨水族園」の行先を掲げたバスで須磨水族園を訪ねてみました。

賑やかな商店街が続く山陽電車・神戸市営地下鉄西神山手線の板宿駅。地上のバス停留所に須磨水族園行きのバスがやってきました。須磨水族園停留所を発着する10系統は須磨水族園を起終点とする循環路線で、板宿からは右回りと左回りが運行されています。

板宿停留所に停まる10系統のバス
10系統のバスの方向幕
10系統のバスの方向幕
10系統のバスの方向幕

板宿を出たバスは新長田の下町を巡り、国道2号線を快走して須磨へと向かいます。かつて国道2号線には神戸市電の須磨線が走っていて、須磨海浜水族園の前身の須磨水族館は市電・市バスの郊外側の集客施設として開設されました。そのために、水族館の開業から1968年までは交通局が所管していました。

国道を行く10系統のバス
「須磨水族園」の表示
「須磨水族園」の表示

須磨海浜水族園の前身の須磨水族館については『神戸市交通局100年史』の「第5章 市電・市バスの戦後復興」に記載があります。

『神戸市交通局100年史』「第5章 市電・市バスの戦後復興」(31ページ)
https://www.city.kobe.lg.jp/documents/35696/09chapter5.pdf#page=31

終点の須磨水族園停留所に着くと、目の前には須磨海浜水族園が待っています。閉館を前に、特徴的な三角屋根の本館が賑やかに飾り付けられていました。
営業時間前だったので、外から眺めました

須磨海浜水族園の本館
須磨海浜水族園の装飾
須磨海浜水族園の装飾
須磨水族園前停留所

須磨海浜水族園の前にあった左右の絵。
イラストを描かれたのが山崎秀昭さんなので、何だか間違い探しのように見えてくる…。

須磨海浜水族園の装飾
須磨海浜水族園の装飾

こちらは以前に訪れた館内の様子です。思い出深い場所は色々ありますが、一番は「波の大水槽」です。館内に入ってすぐに一面に広がり、大きな魚やエイ、サメが飛び交う大水槽には感動に近い驚きがありました。
遠足で訪れたり家族で訪れたり、たくさんの思い出がある水族園が見納めになるのは寂しいですね。

波の大水槽
波の大水槽
波の大水槽

須磨水族園停留所の傍には水族園止まりのバスが休憩と転回するために衣掛詰所と回転地が設けられています。詰所の名前は在原行平に因んだ地名に由来していて、この地域の歴史の長さを感じますね。回転地の松林の向こうに本館の三角屋根が見える景色はまもなく思い出となっていきます。

衣掛詰所と回転地
衣掛詰所
回転地の表記
衣掛詰所と回転地

須磨水族園前停留所の名称の変更に関するアナウンスは今のところありません。また、衣掛詰所と回転地は「神戸須磨シーワールド」の完成予想図にも描かれているのでなくなることはないのでしょう。しかし、須磨海浜水族園の閉館後、景色は大きく変わってしまうことでしょう。その前に、思い出の景色をしっかりと眺めておきたいと思いました。

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