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胸が締めつけられるのはきっとその先がないからで。そんなものを恋だ、愛だって信じ込んでいた。

夫婦のはなしをあまり人にすることがない。話しても、理解してもらえないことが多くて疲れるから。

夫婦で会った人に「よそよそしいね。」と遠回しに言われたり、仲が悪いのではないかと心配がられたり、一緒にいる時間が少ないのになんで結婚を続けられるの?と何度も聞かれたり。(私が夫のことを上手に話せないからかもしれない。)

たまに悔しくなって「大学のころから付き合っていて友達の延長みたいな関係なんです!」なんて先手を打ってみたりするけれども、夫のことを友達だと思ったこと一度もない。やっぱり友達とは違う。

食事や趣味の好みも全く違う。

お酒が好きなわたしの作った食事は、お酒の飲めない夫に「どうやって白米と食べたらいいの?」と食べてもらえず冷蔵庫の肥やしになる。

旅行に行けばカメラを持って外に遊びに出て行くわたしに「いってらっしゃい〜」と手を振ってTVのよく見える綺麗に整えられたベッドから一歩も動こうとしない。

好きなことが違うので休日を一緒に過ごす時間は圧倒的に少ない。
仕事のリズムもお互い変則的なので、家に帰ってこないことも多い。

そしてわたしたち夫婦はスキンシップや言葉を多く交わすことあまり得意ではない。

病気かもしれないと、自分の身体や心のことがわからなくて不安になることもあった。

もしかしたら、子供も授かれないかもしれない。

それでもお互い、尊敬できる部分を大切に認め合いながら一緒に暮らしている。

「依存ではなく共存できるパートナーでいられることが大事だよね。」というなにげない夫の一言がとてもしっくりきて結婚を決めたのだから。

はじめから価値観なんて何一つ噛み合うところがないから、たまにお互いの良いと思ったことを伝えあったりしてすり合わせてみたり。

違うことを理解した上で、寄り添うことは大前提だ。

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それと結婚する前からひとつだけ続けていることがある。

朝早く起きたら寝てる人に必ず握手をすること。

「いってきます」のときは、海猿のラストシーンのようにがしっ!と力強く手を握り、行き先を念仏のように唱えて家を出る。

「いってらっしゃい」のときは、寝ぼけて意識の薄いまま温かいクリームパンみたいな手で握られるとすごく安心する。

外にいてほとんど電話もしなければ、LINEもポケベルで十分な言葉しか交わさない。

ただしい結婚生活なんて、いまだによくわからない。

それでも小さく積み重ねて続けているひとつひとつが、いまを信じれる確かなことのひとつなんだなと思った。

今日で付き合って10年、結婚して4年。これからもよろしくね。

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