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ライザップ松本晃氏が「構造改革のロードマップ」を示した。 【マーケティング戦略の観察】

気になったビジネス記事に、簡単な感想だけ実験的に書くエントリー。私はマーケティングとか経営方針が興味の領域です。個人のただの感想だし、正確性も保証しません。

激動のライザップ。
2019年2月14日、ライザップの2019年度 第3四半期 決算説明会の席上、松本晃取締役が「構造改革のロードマップ」を示したという話しについて。

カルビーの会長だった松本晃氏がライザップの経営に参画したのは2018年6月だから、まだたった8ヶ月間しかたってない!
8ヶ月でこんなに改革できるんだ…って衝撃的。

(画像:同上URLの記事から転載)

少し簡単に歴史を振り返ってみよう。

6月、そもそもは「悲願の東証一部上場」へのガバナンス強化や安定化が松本晃氏への期待で、最高執行責任者(COO)としての招聘。

しかし、すでに8月には、「足を引っ張るグループ会社で出血を止めることが当面の仕事になりそうだ」とコメント。この間、たった2ヶ月である。

9月には、「構造改革担当」に役職替えの報道。
この1ヶ月間ほど、松本氏はインタビュー記事でも“大胆なM&Aへの警鐘”をすでに鳴らし始めていた。
代表権の返上も同時に発表されたため、取締役会での反松本の動きが強まり、瀬戸社長も事実上の降格をせざるを得なくなったのではと予想が飛び交った。「このまま現勢力にメスをいれられず、ライザップを離れてしまうのでは」という仮説もとりだたされた。

しかし11月14日、第二四半期 決算説明会で発表されたのは、「最終損益が当初の159億円の黒字から70億円の赤字に転落」という衝撃の発表と、「M&Aの原則凍結」。
瀬戸社長が社内争いの中、“松本氏の方針を採用した”ことが発表内容からすぐに判明した。
ここで入社5ヶ月。まだ半年も経ってない。

12月28日、経営体制を刷新し、12名いた取締役を5名にしぼる発表。社内の取締役は、瀬戸社長と松本晃氏に大胆にしぼった。
報道されていた代表権の返上は、大胆な体制刷新への交換条件としての献上品とも読み取れた。
ここで入社半年だ。ふつう、やっと新しい会社の仕組みに慣れる頃…。

たった半年間でこんなに大胆に経営陣の人事にまでメスをいれようとすると、相当強い発言をし、波風を立てないとやりきれないだろうな。どうやったらできるんだろう、想像つかない。
もともといる人たちの空気を読んだり、様子を伺ってる時間なんかも端折らないと、半年でここまで動かせないはず。「嫌われたらやりたいこともやりにくくなる」という不安感とか言ってたら、改革なんてできないんだろう。

それで、この2月の決算説明会で松本取締役が話したのが「再生へのロードマップ」だ。
内容を転載する。

松本氏が決算説明会で示したライザップ再生への「ロードマップ」は、次のようなものだ。
1.けじめ
2.コーポレートガバナンス改革
3.グループ企業の仕分け
4.グループ企業の再編
5.ホールディングスの簡素化
6.経費削減
7.事業領域の明確化

詳細は、BUSINESS INSIDER の記事にとても詳しくまとめられており勉強になる。

すごく大切なポイントは、このロードマップが「当たり前の方針である」というところに松本晃の“すごみ”を感じとれる。
聞いたことのないフレームワークもメソドロシーもない。やらないといけないことを極力シンプルにきっちりやるだけ。

でもこれをきっちり“やりきる”には不退転の覚悟と、諦めない根気がいることは想像できる。
みんなやりきれない。嫌われるのも嫌だし。そこに“すごみ”がある。

同記事には、松本晃氏のコメントとして下記のコメントが掲載されている。肩の力も抜けた感じだ。

「一つひとつしっかりやれば、2019年にはそれなりに回復して、2020年にはV字回復ができるんではないか」との見通しを示した。

2020年って、たった2年後だ。
現状は大赤字。
しばらくライザップの動向から目が離せない。

とはいえ、社内は、大混乱なのかもしれないな… ともうすうす感じる。でも「変化なくして成長なし」だ。

コツコツ書き続けるので、サポートいただけたらがんばれます。