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フリーランスの校正者、ライターになって一年経ちました🌱

ライターになりたい、フリーランスに憧れる、在宅で仕事をするにはどうすれば……という声を、最近は友人知人からもよく聞く。

ものすごく稼いでいるわけでもなんでもないけど、なんとかかんとかフリーランスになって一年が経ったので、自分の仕事について覚え書きがてら書いてみようと思った。

誰かの何かしらの参考になれば。



私の職歴(ざっくり)


四年制大学卒業(社会学部)

新卒で正社員として商社に勤務(呉服関連の会社)

一年半で退職(自己都合)

アルバイトしつつ次の仕事をのんびり考えようか…
と思っていた矢先にコロナ禍。

失業保険申請(職業訓練校も申し込んだが、コロナ禍で中止)

失業手当受給中にアルバイトを再開

アルバイト掛け持ち生活を二~三年続ける

バイト先の都合によりアルバイトを辞めることに。
自動的にフリーランス生活スタート

あらためて振り返ると、かなり行き当たりばったり。

就活と新卒入社を経験できたのは(人生で一回しかチャンスがないという意味で)まあよかったのだけど、心底実感したのは「私は新卒入社が向いていない」「正社員も向いていない」ということ。

・学校や会社のような上下関係や年功序列がはっきりしている組織が苦手
・そもそも大きい組織に属するのが苦手
・たくさんの人と交流するのが苦手
・できればあまり人と話さず仕事をしたい
・毎日同じ場所に通わなければいけないという環境が苦手
・一人でごはんを食べる場所がないと苦痛
・仲良くない人との飲み会や食事が苦手
・自分の裁量で仕事ができない(チームワークが必要とされる)のが苦手
・人から物事を教わるという状況が苦手
・説教される、諭される、評価される、監視されるのが苦手
・組織の中で立場が一番下、という状況が苦手
・周りの目をずっと気にしなければいけない環境が苦手
・電話が苦手

等々、ざっと思いついただけでも「新卒入社・正社員は自分に向いていない」根拠がめちゃくちゃ出てくる。


でも、「向いていないんだ」と自覚するまでは結構きつかった。

ふつうの人はできることがどうして自分にはできないんだろう、と思っちゃってたから。


上記のモロモロは現在、ほぼ全部避けて仕事することができているので、やっぱりフリーランスになってよかったな、と思っている。
(※あくまで私の場合)



ライターになった経緯


もともとはアルバイトの片手間の、お小遣い稼ぎくらいになればいいかなと思って始めた。

文章を書くのも読むのもずっと好きだったので、noteやブログは趣味でこつこつ書いていて。
だったらちょっとでもお金になったほうが良くないか?と、貧乏アルバイト暮らしの中で思いついた。


最初はかがみよかがみでアマゾンギフト券をもらったり、エッセイやキャッチコピーの公募に応募したり(ほとんど通らなかったけど)、クラウドソーシング系のサイトから自分でもできそうな仕事(初心者・未経験OKの仕事が結構ある)を探して応募したり、という感じ。

ライターとしての収入は本当に微々たるものだったけど、書くこと自体が楽しかったり、逆に「こういうライティングは自分には合わないかも…」という気づきがあったりしたので、とにかくまずは色々やってみたのが良かったなと今でも思う。


あとは、自分の得意分野がわかってきたら「着物 コラム 募集」「国語知識 ライター 募集」みたいなワードで検索してみたり、仕事の探し方をどんどん変えていった。

誰でも書けるような(失礼)文章は生成AIに頼った方が早いけど、ある程度の知識をもとに文章を書ける人、独自性のある文章を書ける人を募集する仕事っていうのはまだあるから、そのへんを狙っていくと仕事が拾いやすいかもしれない。

そして、ちょっとずつでも仕事を続けていたら「ライティング経験あり」になるから!これがやっぱりでかい。


経験者です!って言えるのは仕事探しの上でやっぱり強いから、とりあえずできそうなものにどんどん挑戦していけば、ライターになること自体は案外難しくないというか、ハードルはかなり低いと思う。


どちらかといえば、そもそもライターの仕事が自分に向いているか、ストレスなく続けていけるか、自分の価値を生み出していけるか等のほうが重要な気がする。

私は色々試してみて考えた結果、「書きたい!と思える題材だけを書く」「書くのがしんどいときはお休みできるような環境を選ぶ」と決めたので、ライターとしては現状、かなりゆるめのお仕事状況だと思う。

でも今はわりと理想に近い形でライター業をやれているので、今後も自分のやりたい方向を模索しながら続けていく方針。



校正者になった経緯


そもそも「校正」という仕事があることを知ったのはいつだったか……。

何らかのきっかけで、「自分、校正の仕事向いているのでは?」と気づいて、そこから校正者のなり方を調べて。

調べたところでは、「日本エディタースクールで校正技能検定の資格を取得する」とか、「出版社などに就職してその中で校正の経験を積む」とかが主なルートらしい。


ただ個人的には、校正の基本知識はもちろん大事だけど、「校正の資格よりも、専門分野の知識があるほうが強い」と思う。

専門分野というのは、たとえばFPの知識があるとか、建築関係、医療関係、福祉関係、音楽関係の専門的な知識があるとか、そういうこと。

私は偶然、学生時代から国語が好きで、運良く国語教材系の出版社でアルバイトをする機会があって、そのつながりで今、国語教材の校正の仕事をしている。


校正の資格を持っていても即仕事につながる!というわけではないから、手っ取り早く校正者になるためには「なんでもいいから校正の仕事に応募する(ただし単価は低い可能性あり)」or「専門分野の知識を活かせる校正の仕事を探す(こちらのほうが単価は高い傾向にある、多分)」かな、と。


個人的に、校正者に向いていると思う人の条件はこのあたりかな~と思う。

・文章を読むのが好き(苦ではない)
・文章を読んでいてよく誤植を発見する
・こまめに調べ物をするのが苦ではない
・丁寧に字を書ける(読みやすい字であればOK)
・ある程度割り切って、こだわりを捨てられる(譲歩して相手に合わせられる)/もしくは譲れる部分と譲れない部分を自分で区別できる


とにかくいっぱい文字を読むので、読むことが苦痛ではないというのは必須条件。

プラス、もともと正しい日本語の知識や語彙が身についているというよりは、「ちゃんとこまめに調べられる」ことのほうが大事な気がする。

長年信じていた知識がガセだった、というパターンも結構あるので…!


あとは、校正者は作家でもライターでもないので、著者の方のこだわりや出版社さんの意向を優先できるマインドも大事かなと、個人的には思う。

赤を入れる際は、「私はこの言い回しのほうがしっくりくるけど、著者さんはこの表現を使いたいのかも?」「出版社さんの条件に照らし合わせたら、この文章のほうがふさわしいかな(私は違う書き方のほうが好みだけど…)」などなど、常に葛藤している。

あくまで出版(Web媒体であれば「公開」)のためのお手伝いをしている裏方、という気持ちでいるので、この文章は日本語としておかしい!絶対直すべき!みたいな頑固さは発動しすぎないようにしている。
(※とはいえ気になった部分は理由付きで、赤ペンでなくえんぴつ等で指摘するようにしています)




現在のお仕事状況(校正・ライター業務・その他)


ライティングと校正の割合は、今は4:6くらい?(ざっくり)

●毎月定期で納品している仕事:月6件(小さめ規模4件、中規模2件)
●不定期で請け負っている仕事:月平均5〜8件
●たまに入る単発の仕事(アルバイト):2~3ヶ月に1件
●イベント関係の仕事:年2、3回(数ヶ月単位)

こんな具合で、なんとか生活できている。


月単位で見ると、〆切のある仕事は10〜20件ほど。
つまり、だいたい2〜3日に一回、何かしらの〆切がある状態。

多!と思うか、そんなもんでしょ、と思うかは人によって分かれそうだけど、お仕事を請ける際は「体調不良や急用でお休みする場合のフロー」を必ず確認するようにしているので、なんとか破綻なく続いている。


思えば、正社員で働いていてもこまめに〆切がある状態(一日のタスクが何件とか、今週中or今月中にこのプロジェクトを終えるとか…)だったから、それと大して変わらないかな、と。

〆切を自分で管理するのは無理!という人は、フリーランスよりも社員やアルバイトのほうが向いているかもしれない。


私は自分の裁量で働く時間や量を決めたり、自分の都合でスケジュールを決めたりできるほうがヘルシーでいられるので、今の環境が合っている。


一つ一つの仕事は1日か2日で仕上がるものが多いから、毎日規則正しく仕事ができれば、間に合わなくなることはまずない。

ただし、ちょっとでもスケジュールが厳しいなと思うときは遠慮なくお仕事を辞退したり、〆切の調整を相談したり、するようにしている。
欲張って自分のキャパ以上に仕事を引き受けてしまうのは全員にとって良くないので、スケジューリング能力も大事かも。


フリーランスとはいえ、アルバイトもたまにしてる。

特に「バイトはしない!」というこだわりとかもないので、たまに求人アプリなどでアルバイトを探すことも。

最近は面白い(多少割に合わなくてもやりたい!と思える)アルバイトがあまり見当たらないので、アルバイトは少なめにして、校正関連の仕事を多めに請けている。



フリーランスで生きていくためのマインド(心得、的なやつ)


(※個人差あると思いますが、あくまで私個人の場合)

●自分を律する!(だらけちゃうと生命に関わる)
●心身の体調管理を第一優先にする
●最初の一年は辛抱する
●忙しくしすぎない
●お金を重視しすぎない
●「好き」「やりたい」を定期的に見つめ直す
/もしくは「やりたくない」をしっかり見極める
●逃げ道をたくさん作っておく
●一つのことに傾倒しすぎない

フリーランス一年目は、会社員(もしくはアルバイト等)の頃のまま税金・年金の請求が来るので本当に辛抱の時…。

不安な場合はフリーランスになる前に受けられる補助や年金、保険の制度などについてしっかり調べておくと吉。

あと、私がフリーランス二年目でなんとかやっていけているのは「開業届を出して青色確定申告に切り替えたから」なので、このあたりはちゃんと調べたほうがいいです!お金関連のあらゆる物事が苦手だけど、踏ん張った!


失業手当とか職業訓練も、使える人は使ったほうがお得かなーと。


あとは、だらけようと思うと際限なくだらけてしまうので、自分なりの仕事(生活)のリズムを作れるといいかもしれない。(私は整えるまでに一年かかったけど)

フリーランスだと、体調が悪くて仕事を休む=収入ゼロを意味するので、体調管理も万全にしたい。
とりあえず悪化する前に休む!体も心も健康第一!


とはいえ私の場合、「お金を重視しすぎない」方針に変えたのが一番自分に問って良かったと思う。

「単価が低い仕事はやらない(逆に、コスパがいい仕事は積極的にやる)」という基準で仕事を請けていると、心が摩耗していく感覚があったので。

収入よりも、「この仕事にワクワクできるか?」「やりがいを感じられるか?」「やりたくないな…という気持ちが隠れていないか?」を重視して仕事を選んでいったら、多少忙しくても心身ともにずっと楽になれた。


もちろん最初は生活がかかっているからめちゃくちゃお金のこと気にしていたけど、それよりは心にゆとりをもたせて、ストレスを減らしていく事のほうが大事かな、と思う。

ストレス溜めるとお金使っちゃうしね…。

心にゆとりをもてる範囲で仕事をして、余った時間と体力を使って、こまごました生活の雑事にじっくり取り組んだほうが節約になるし、お金も貯まった。


ただ、生活は苦手!時間が余ったらお金使っちゃう!という人は、割り切ってアルバイトなどを入れたほうが定期収入にもなるし、自分に合った仕事/生活スタイルを構築できたらいいのかなと。



長々書いちゃったけど、在宅フリーランス二年目の所感でした。

今後もやりたいこと、やりたくないことを模索しながら働いていくので色々変わっていくとは思うけど、現状こんな感じ。


三年後の私は、これを見て何を思うだろう。
どんな働き方をしているだろう。

それも、ちょっと楽しみなポイントだったりする。

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