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8月の旅行③越後湯沢・水上

青春18きっぷが2回余った状態で8月最後の日曜日が暇だったので妻を誘って旅に出た。

8月28日 越後湯沢・水上
宇都宮、福島に行ったことで関東近郊の鈍行日帰り可能エリアに興味がわいた中で、水上~越後湯沢間を進める鉄オタのブログがいっぱいヒットしたからそこにいくことにした。そこが川端康成でいうところの"国境"だったことに気づいたのはちょうどトンネルの中で停車したときだった。

トンネルの中の駅で降りる人たち どこに向かうのか

群馬県の水上までは少し肌寒いな、曇りだなぐらいだったのに、トンネルを抜けたらそこは湿り気まみれの国だった。朝の底がもやっていた。

前の仕事で新潟エリアを担当して人生で初めて新潟に行った時も新幹線で越後湯沢を通る瞬間に突然真っ白な世界に入ったことにめちゃくちゃ感動して、その時と同じ感動を味わった。宇都宮~福島間には国境という感じはないけど、群馬と新潟は明確に境があり、別の国である。そういういったことを川端康成も感じたんだね~。

へぎそば

雨降りしきる中駅前でへぎそばを食べ、メインっぽい通りを歩く。

スキーブームに沸き、スキーブームで財を成した越後の村。その生活がここにある。民俗資料館では生活を閉ざすものであった雪がスキーブームにより越後湯沢に欠かせないものとなったその過程が展示されていて、雪国過ぎると思った。九州の、瀬戸内海とか太平洋を知ってる人間とは生活の根底が全く異なる。それが雪国。

川端康成関連の展示が2/3ぐらいを占めていて、よかったね小説を書いてもらえて!と思った。『雪国』は純文学である以上に都会の書生から見た雪国の生活を克明に記した民俗史料だ。多くの人が主人公の島村を「物語を映す鏡のような存在」と評しているが、それは生活が映し出されていることから沸き起こる感覚なのだと思う。

駅の反対側にあるアーケード街は死んでいる。本当に人を一人も見なかった。近くのスーパーで試しにおにぎりを買ってみて食べたらおいしかった。そのあと温泉に入った。

400円でシャンプーもボディーソープもついてて中もそこそこ広くて綺麗、地元の別府とは異なる温泉地。

1日に数本しか出てないので15時ぐらいにはもう帰ることにした。越後湯沢駅はフジロック、キャンプ客向けの内装やテナントになっている。ポン酒館に寄らずに帰る奴初めてなんじゃないか?なあ!!!!俺はポン酒館に寄ってないぞ!!!!おい!!!酒好き=日本酒が一番好きと思うなよクソバカが!!!!!

知らない色の路線を見るとテンション上がる

帰りは水上駅で1時間ぐらい乗り換えの時間があったので、水上駅前を散策した。地図上だと温泉街として発展していてお店も多くて楽しそうに見えたのに、まともにやってる店がコーヒー屋しかなかった。本当にこの町は終わっている。

北関東って基本的にレジャーを求めた昭和の首都圏の人間によって週末にぎわって、ライフスタイルの変化に取り残されてしまったその遺構で稼いでるイメージなんだけど、それってはたから見てるより全然残酷なことなんだなと思いました。

写真奥の山をこえると新潟県。国を分かつ稜線がすぐそこにある、それが北関東。雨を降らせるだけでなく、気候や生活、人々のマインドまで変えてしまうような雲が覆っているのがよくわかる。すぐ向こうには別の文化がある。そういうことを肌で感じられる旅行だった。

こんなにわかりやすく変化を楽しめる路線もなかなかないので、おススメです。夜になって帰ってきた東京も肌寒くなっていた。まだ夏を終わらせたくないので遊びませんか。

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