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[読書記録]設定からのシュールなギャップ「赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。」を読んだ

まず、斬新な設定にぎょっとします。
もちろんそれは、良い意味で、です。

今まで私が人生で出会った童話の中人物と、このお話に出てくる人物の「裏の顔(かなりダーク)」のギャップが面白くて、ふふっと笑ってしまいました。

赤ずきんちゃんの観察眼にはびっくりするばかりですが、心情も状況もそこまで細かくかかれておらず(もちろん問題解決に関係する状況描写はある)、だからどこかおもしろおかしく、キャラクターはキャラクターとして捉えたまま、最後までスルスルッと読めます。

強引かな、と思う種明かしもありますが、大胆な伏線回収もスッキリするし、全体的に「マンガっぽい」と思えるような全トリック説明。
どうもアニメ化されるようです。
面白そう。
チラッと観てみようかな、と思いました。

装丁が大好きな五月女ケイ子さんだったので、読んでみたい、と思い、手に取りましたが、ストーリー的には今までなかなか手に取る類いの本ではなかったので、予想外に面白かったです。

シリーズ化されていて、ほかにも童話や昔話シリーズのお馴染み登場人物が、驚くような状況に身を置くことになり、サラリ!すっきり!さっぱり!となるので、ミステリーが苦手でも、シリーズ化された他の本も面白く読める気がします。

軽い気持ちで気分転換に、童話の世界のまたその扉の向こうへ、ふわっと飛び立てるような感じがしました。
(可愛らしいけれど、決して可愛らしいだけではないので決して小さな子ども向けではありません。)
「あんまり重い気持ちにはなりたくないけど、ちょっとだけ現実逃避したい」という時に、ピッタリではないかな、と思います。

最後まで読んで、「少女達にもそりゃいろいろあるわな」、と思い本を閉じました。


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