ムツゴロウさんの凄さを考える

畑正憲さんが亡くなられた。言わずとしれた、ムツゴロウさんです。心からご冥福をお祈りします。
小さい頃からテレビでよく見ていたし、著作もいくつか読ませて頂いた。熊と同居したり、シマウマに乗ったり、嘘でしょと思う事をいろいろやられていた。
確かREXが映画化されたときは、最初のジュラシックパークが公開されたのと同じ時期で、それぞれの恐竜の復元方法の違いにわくわくしたのを思い出した。
これこそが理系文学者なのだろう。

相手と対等に


テレビで放送された、追悼の特集を観た。鹿と戦っている(遊んでいる)映像など、やはり驚異的だ。
いろんな動物と触れ合っているところを観ていると、ムツゴロウさんは、どの生き物とも対等に相対しようとしているように感じた。
普段、動物とか、ペットとかを見たときに、可愛いと感じると思う。これ自体、動物を下に見ていることになるのではないか。
ムツゴロウさんは違う。相手を認めて、一つの命として、対等にぶつかり合うのだ。さらに、動物に対する知識がある。相手がこうしてくるときは、こう感じているはずだと。相手を理解しているのだ。それは動物に対するリスペクトに繋がるのだろう。
そんなことされたら、心を開いてしまうだろう。純粋な動物なら、尚更だと思う。

人間だって

人間も、対等に付き合うことが大事だと思う。
役職、給料、年齢、いろんなもので順位付けされる。
そんなものの前に、みんな、まずは一つの命なのだ。相手をリスペクトし、お互いを認め合う。
そうすることで、良い人間関係が作れるようになるのではないだろうか。
そんな組織ができてくれば、ハラスメントなんてなくなるのに。そう簡単にできるならば、ムツゴロウさんもそんなにすごい人ではなくなってしまうのだけれど。

自分が好きなこと心血を注ぐ

ムツゴロウさんの話に戻ろう。
もう一つこの人のすごいところは、自由なところ、自分を貫き通すところだろう。これは、本来、生物のあるべき姿なのだろうと思う。。
突如、無人島に家族全員で引っ越す。熊を飼う。他にも武勇伝は出てくるだろう。
遣りたくても、遣れない。世間体が、家族や、周りの人のことが、気にならないわけがない。それでも、自分が正しいと思うことを突き進む。岡本太郎さんにも通じるものがあるかもしれない。
テレビをうまく使った、勝算、少なくとも家族は何とか養えるという打算があったのかもしれない。
それでも、簡単にできるものではない。

理解者がいること

本当にすごいのは、奥さんだろう。
普通、無人島に住むと言われて、はいと言うだろうか。苦労は絶えなかっただろう。それでもムツゴロウさんについていくと決めて、突き進んだのだと思う。
この人がいなければ、ムツゴロウさんは生まれなかったのではないか。ムツゴロウさんも好き勝手出来なかったのではないか。
岡本太郎も、岡本敏子という、理解者がいた。悩んだとき、強い心の支えになったことだろう。

これも、ムツゴロウさんの人徳、人との付き合い方によるものなのだろう。
改めて、素晴らしい人だったと思う。羨ましいとも思う。
天国で、動物たちに、そして、仲間だった人たちに囲まれて、安らかにお休み下さい。

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