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記録

今朝もタイムラインが窓を流れる。

自分だっていつまでこれに乗っかっているか分からないというのに、降りた人を夢にがんがんと見てしまい、夜を駆ける六条御息所になっていやしないかと背筋が寒くなった。

静岡県立美術館のホールに鎮座した、草間彌生の『水上の蛍』を観たことがある。
あの四角い箱の中にきっちりと閉じ込められた「芸術」は、一見どんなに人を招き入れ、吐き出そうと、いつまでも変わらずにあの場所に存在する設定にあるのだろう。

乗り合う人々を違えた箱は、また運ばれて、ゆく。


#掌編小説 #詩