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【本日のホームスクーリング】モーパッサン

『モーパッサン怪奇傑作集』より『髪の毛』
※ネタバレです注意

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あ~、ひま?

よしよし、今ハハが読んだ小説の話をしてあげよう。

ちょっとお金持ちの、32才独身の男の人がいたんだな。

熱中できることがないとか言いつつ、趣味道楽で骨董品とか買っちゃってるわけよ。

お金とお暇がありがちね。

で、ある日、あんてぃーく家具に一目惚れして購入、家で撫で回して、うっとりしていたと。

ヘンタイよね、誰にも迷惑かけてないけど。

そしたら、その家具に秘密扉みたいなのを発見、ナイフを差し込んでぎぎっと開けてみました。

そこには!

髪の毛がふさーって入ってたんだって。

ポニーテールみたいに、根もとを縛ってある、けっこう長くてたっぷりしたヤツね。

で、家具以上にその髪の毛が大好きになっちゃって。

撫でる、キスする、自分に巻きつけ、甘噛み噛み、毎日毎日やりたい放題。

完全ヘンタイよね、迷惑はかけてないけど。

でもね、大好きすぎて、隠しておくことも、ちょっと離れてることも出来なくなっちゃったんだって。

だから、一緒にお散歩し始めたの、家の外でも。

オレの彼女だぞドヤっ!って感じで堂々と。

おしゃれめかしてお芝居も観にいったりとか。

吉良吉影(※注)だって、女の人の手首とデートするときは、隠しながらだったっていうのに。

そんなこんなで、その主人公は髪の毛を見せびらかして歩いてたから、あいつは頭がおかしいってことになって、髪の毛を取り上げられた挙句、病院に入れられちゃいましたとさ。

オシマイ。

ハハはちょっと、ヘンタイの肩持っちゃうけどね。

吉良吉影みたいに、殺した女の人の手首を持ち歩いてるのは犯罪だけど、この主人公、犯罪はしてないよね。

ヘンタイなだけで。

そのヘンタイっていうのもね、時代と場所が違えばヘンタイじゃない!かもしれない行為だと思います。

キツネやイタチの顔付き毛皮の襟巻とか、毛皮のコートはありでしょう?

あれだって一緒じゃん。

毛だもん、動物の。

顔なんてついてたら、も〜死体を巻き付けてお出かけしてるのと同じよ。

人の髪の毛で作ったカツラや付け髭を嗜むのも、古代エジプトの時代から、エライ人たちがやってたらしいし。

日本刀を人間や動物以上に愛して、毎晩うっとりとお手入れして、片時も離れたくないと家の外に持ち出したら、今ならヘンタイで犯罪。

でも、正々堂々日本刀と一緒にうろうろ出来た時代と人もあったわけだし。

家の外でも髪の毛とラブラブしてる主人公は、たしかに気持ち悪いけど。

本人にとって大切なものを取り上げた上に、監禁?することはないと、ハハは思いました。

どうせ監禁しておくなら、髪の毛と一緒にいさせてあげればいいのに。

髪の毛のせいで、働けないくらいどうかしてたみたいだけど、恋は冷めるものだし、この主人公、働かなくてもよいくらいお金持ちっぽいし。

髪の毛さえなければ主人公が「マトモ」になるようにも思えなくて。

周囲が主人公をキチガイ扱いするから、「キチガイ」になっちゃうようにしか見えなかった。

世間がせめて、只の「ヘンタイ」と認定してくれたならよかったのにね。


(※注)吉良吉影とは
『ジョジョの奇妙な冒険』第4部『ダイアモンドは砕けない』に登場する、息子の推しキャラです。「平穏な生活」が信条。

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モーパッサン怪奇傑作集 (福武文庫)
ギ・ド モーパッサン (著)、榊原 晃三 (翻訳)、福武書店 (1989/07)

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だから、ホームスクーリングなんかさせるなと、あれほど。


ホームスクーリング?歴4年超の現場からは以上です。
息子の将来が楽しみです!

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