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#アニメ

2月5日 コナミがアニメスタジオを作るそうです。その話を聞いて思ったこと。

 えー…コナミが独自にアニメーション会社を作りました……という話です。  私がアニメーターだった頃の話、コナミは業界の全アニメーターの「リスト」を作っていた……という話を聞いたことがある。私の先輩はそのリストを直接見て、自分の名前もあった……と話していた。  ……私の名前もあったのだろうか?  この話も十数年前の話になるから、今もリストがあるのかどうかわからない。とにかくも、コナミは実は意外とアニメ業界を見ていた、ということがわかるエピソードだ。  今回の話は、「表」の面

2月6日 映画『スーパーマリオ』を見ながら、ゲームの映画化の歴史に想いを馳せる。

前回  この記事を書く前日、『映画感想 ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』を書いたのだけど、そこでの書き漏れ、というか作品の外枠の話をするので、別の章を設けることにした。  長くなりそうだったしね。  話は「なぜ今になってようやく『スーパーマリオブラザーズ』は映画になったのか」あるいは「映画にすることができたのか?」という話。 実写版スーパーマリオはなぜああなってしまったのか? 話は1993年、実写版『スーパーパリオ 魔界帝国の女神』の頃に遡る。  ここからはW

11月1日 なぜアニメはブラックになるのか? それは儲からないから

 アニメの労働環境に関する興味深い記事が出てきたの紹介。  10月28日の講演だから、このブログ記事が載る頃にはまるまる1ヶ月が過ぎていることになる。  詳しい内容は、リンク元を読んでいただくとして……。  徳島県で開催されている大規模アニメイベント・マチ★アソビのなかで開催された舛本和也さんの講演会リポート。TRIGGERの現取締役の桝本和也の著書は、以前私のブログでも紹介した。こちらではアニメーション制作のなかの「制作進行」について解説されている。興味のある方はぜひ著

8月1日 YouTube見たらなんかやってた 『響け!ユーフォニアム《総集編》』

 7月の終わり頃、YouTubeを見たら京アニチャンネルから『響けユーフォニアム』が特別配信されていた。8月1日現在は……あ、もう配信終了しているのか。  配信されていたのは第1期の総集編『響け! ユーフォニアム~北宇治高校吹奏楽部へようこそ』、第2期の総集編『届けたいメロディ』、黄前久美子2年生編『誓いのフィナーレ』の3作品。いい機会だから、仕事終わりに一気視聴した。  まず1作目『北宇治高校吹奏楽部へようこそ』。第1シーズンがテレビ放送されていたのは2015年の春から。

3月28日 日本人のアニメの見方の特殊性とは? 3コマ打ちは「記憶」で見ている

 ちょっと面白い話を見付けたので引用。  あっ、これは面白い話。短い要約ではなく、もっとしっかり聞きたかった。  私たち現実世界の人間は、かなり「無駄な動き」を普段からやっている。  例えば目の前にあるものを手に取ろうとするとき、視線は常にそこを見ているわけではなく、別のところを見ていたりするし、物を取ろうとした手が微妙にずれていたりする。  どうやったらそれがわかるのか……というと、普段見ているバラエティ番組をスローで見てみよう。するとタレントさんはいつも真っ直ぐ相手を

3月28日 長編商業アニメはアートじゃないのか?

 3月17日から22日までの6日間、新潟で「新潟国際アニメーション映画祭」なるものが開催されていた。  コンペティション部門審査委員長を務めたのは押井守監督。この映画祭への応募条件は「40分以上のアニメ作品」であること(手法は問わない)。つまりテレビシリーズではない劇場公開作品を審査し、顕彰しあうことを目的とするイベントとなる。第1回は成功といえるくらい盛況だったらしく、世界各国からたくさんの作品が集まり、それ以外でもイベントとして上映された作品は30本にものぼる。他にもクリ

1月24日 貪欲にコンテンツ事業を進める韓国と、引っ込み思案日本

 まずは赤松健さんのTwitterをどうぞ。  赤松健さんは国会議員になってからかなり活発に活動をしている。フランス、韓国を視察し、それぞれの国で漫画文化がどのように発展しているか、日本の漫画がどのように受け入れられているか、が紹介されている。  他にも見所があまりにも多いので、ぜひ赤松健Twitterを読んでもらいたい。  最近のTwitter活動報告の中でも凄かったのが韓国漫画。韓国にはすでに『韓国漫画博物館』なるものが作られて、紙の漫画時代から電子Webtoonまで

7月18日 メイドインアビス第1期シリーズを再び視聴する。探掘家たちはアビスの底でいかにして人間性を取り戻すのか?

 先日、体を壊して寝ていたのだけど、その間iPadで『メイドインアビス』第1期シリーズをずっと見ていた。ちょうど第2期が始まるタイミングだったので、復習にはちょうどいい機会になった。  改めて見返してみると「ここ、こうだったけ?」「ああ、そうだったそうだった」と忘れていることも結構あったし、第1期と劇場版の結末を知った上で改めて見ると、新たな発見もある。そういう一つ一つを見付けるたびに、見返して良かったなぁ……という気になる。見ていたその時は体調不良でグッタリしていたのだけど

7月7日 物語を「読む」ことができない人々 物語を「消費」することしかできない人々

 えーまずは岡田斗司夫さんの動画をどうぞ。 #447 『映画を早送りで観る人たち』で考える僕らのこれからの生き方  漫画を描いている傍らでこういう動画を見て、アレコレ考えて……。こういうのがあるから、私は漫画制作に集中できないんだよな。反省反省。  お話は、最近話題になっている『映画を早送りで観る人たち』。  私もこの本について、方々で聞いたのだけれど、まあ感想しては「ああ、そう」だけ。いや、興味がなくてそう言っているんじゃあなくてね。そういう人、昔からいたやん……って

6月13日 久しぶりに庵野秀明ギャグが見たいんじゃ~! 巨匠達はみんなギャグの名手だった。

 あぁ~、久しぶりに庵野秀明ギャグが見たいなぁ……  テレビシリーズの『エヴァンゲリオン』第9話、『瞬間、心、重ねて』では使徒にすっとばされたエヴァが『犬神家の一族』状態で地面に埋まり、そこにリツコのコメント「無様ね」。……あのシーンは最高に笑えたなぁ……。  初期の『エヴァンゲリオン』は忘れられがちだけど、笑えるシーンは一杯あった。そういえば、テレビシリーズが終わった後、ドラマCDが出たのだけど、あっちはもっとすごかった。予算がカットされてしまったために、BGMがすべて声

6月4日 やったぜ久美子ちゃん! 『響けユーフォニアム』第3期テレビ放送決定!

 『響けユーフォニアム』ファイナルシーズンは劇場で……として発表されていたが、この予定が変更されてテレビシリーズとして復活することとなった。  やった! この作品は絶対にテレビシリーズ向けだと思っていたんだ。  映画作品として作られた、いわゆる「2年生編」である『誓いのフィナーレ』は……ここはきちんと前置きしたいところだが、出来が悪いわけでは決してない。むしろ京アニ印のクオリティを感じさせる作品だ。  しかし――どうしても内容が「総集編」っぽかった。エピソードが矢継ぎ早に流

5月19日 ドラえもん映画を5作品見終えて

 楽しかった。  やっぱり『ドラえもん』はいいものだな……と改めて認識した。  冒険物語はどんなキャラクターが、どんな葛藤を抱いて、どんな異世界を旅するのか、が重要になってくる。そこまで物語を構築したり、キャラクターを移動させるのは大変だけど、『ドラえもん』は秘密道具の力でさっと物語作法上の問題を解決してしまう。私たちがのび太たちキャラクターをよく知っているということも大きい。物語の前提となる世界観構築の問題をさっとショートカットし、秘密道具の力でパッと異世界へ旅立ってしま

5月18日 ニコニコ動画のアニメランキングを観ながら雑談。

2022年冬アニメランキング ニコニコ動画  あーこんなのあったんだ。どれどれ……。 1位『鬼滅の刃』 2位『その着せ替え人形は恋をする』 3位『明日ちゃんのセーラー服』  あー、こういう並びなんだ。1位は不動の作品だとして、2位3位はともに制作【CloverWorks】。  CloverWorks作品は……うーん観たことのある作品って『明日ちゃんのセーラー服』だけだな……。今期でも『SPY×FAMILY』をWIT STUDIOとともに制作している。2018年設立の若い

4月8日 最近、女性アニメーター増えてない? そもそもアニメーターは女性向けの仕事かも知れない

 『明日ちゃんのセーラー服』を見ていてふと気付いたのだけど……女性アニメーター多くない?  毎回スタッフクレジットを見ていたわけではないけど、ある時、原画マンの半数以上が女性アニメーターだったということに気付いた。  最近のアニメ界隈の状況はどうなっているのだろう? 私はそこまでアニメの現状に詳しくないのでわからないけど、ひょっとして業界的に女性が増えているのだろうか? □  数年前に、アニメ学校に関するある話を聞いた。  それは男子生徒の学ぶ意欲の低さ。女性生徒は積極