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あいみょん「ふたりの世界」 まだ眠たくないの セックス

メジャーファーストアルバム「青春のエキサイトメント」(2017年9月13日リリース)の5曲目。

あれ?そっか。これがメジャーの1stのフルアルバムになるのか。あの「tamago」(2015年5月20日リリース)はミニアルバム扱いなんですね。ちゃんと認識してなかった。

「ふたりの世界」が入ったアルバムが2017年か。
この歌詞って、本当にすごくないですか。単純に計算すると、リリース時点でも22歳。この歌詞を書いたのは何歳なんだろう・・・。本当にびっくりする。

「いってきますのキス おかえりなさいのハグ
おやすみなさいのキス まだ眠たくないのセックス」

日本武道館でのギター1本でのライブでもやってたように、歌詞にある「セックス」をみんなで叫ばせるのが、あいみょんさんの悪だくみ(?)です。「まだ眠たくないの!」とあおって、1万人以上が「セックス!」と叫ぶ異常な環境。そこに居合わせた当時40代のおっさんは恥ずかしくて、口をつぐむという・・・。

性の解放というか、「そんなもん隠したって仕方ないじゃん、もっと堂々と言おうよ」っていうあいみょんさんの挑発なんだと受け止めてる。
まあ、テレビでは扱いにくいよね。

そのことが注目されがちなこの曲ですが、一つ一つ表現を読み込んでいくと、深い。ホントに深い。

「悲しいだけなら こんな恋はしてない
あなたの声だったり笑い方が好き
あまり優しくないし 仕事ばかりだけれど
この前 二人で見に行った ライオンの赤ちゃん」

言葉通り受け取ると、「ん?」と頭に疑問符が浮かんでしまいますね。
でも、普段はあまり一緒にいられない二人なのでしょうか。否定的な言葉を一部並べて、マイナスなイメージを提供しながら、「ライオンの赤ちゃん」という単語で、二人の甘い関係性をすべて持っていく。
だって、なかなかライオンの赤ちゃん、見に行かないですもんね。行ったことない・・・。動物園で公開されたライオンの赤ちゃんを仲むつまじく見学している2人の様子がくっきりと浮かんでくる。

サビ前のフレーズ。

「いつになったら私のことを嫌いになってくれるかな
そんなことばかり期待している私はちょっとずるいかな」

またまた、疑問符。
なんで?嫌いになるの?
勝手な想像だけど、男の人側はいつもどーんと、女の子を受け止めているんだろうね。いろいろなわがまま言っても、「ふふーん」ってさらり。少々、オイタをしても、許してくれる。
だから、「どこまで許してくれるんだろう」っていうナゾ思考が生まれているのかしら?

最も好きなフレーズがこれ。

「大好きだって言えばいつも静かにうなずいて
『知ってる』って笑うのよ
そのシワシワな笑顔とかすれた声がある生活に
満たされて 幸せで 今がある」

本当に20歳の子が書ける歌詞なんだろうか・・・。すごいね。

歌の最後はサビで締めくくる。

「自己中心的に進む恋愛とこの先の不安が
混ざり合って 抱き合って 
満たされて 幸せで 
『大好きで ちょっと嫌いで』
今がある」

ほかのサビで既出の表現に『大好きで ちょっと嫌いで』が追加されて、「今がある」。

あいみょんさんのこの不思議な感覚の歌詞が本当に大好きなんです。

でも、最近の楽曲はもっとストレートに愛とか恋を歌っていて、そっち方面の切なさはおじさんにはピンとこないんだよねえ。
でも、甲子園も行きます!

2022年8月27日 トラジロウ

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