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映画「ベイビー・ブローカー」 ※まだ見てない人は読まないでください。

※ネタバレ注意
気をつけてください。映画の内容に触れています。


あらすじは省きます。



面白いと言えば、面白いけど、たとえば、ソン・ガンホが出ている「パラサイト 半地下の家族」ほどはエンターテインメント性はない。「万引き家族」ほどの衝撃度もない。

ベイビーブローカーだというのに、そんなぬるま湯のような感覚で人身売買と向き合うかなあ・・・。ブローカーたちの人情を、とんでもなく情緒的に描いていたけど、そんなに甘いものじゃないような気がする。悪党はもっと金に執着しているし、警察もあんなにヌルくない。

そこらあたりの違和感が全体を通して感じられて、没入感が少なかったのかもしれない。

ただ、そこをのみこんで、映画を眺めると、なかなかよいシーンも、セリフもあったかも。

いまちょうど子育てをしている母親なんかが見ると、グッとくるものがあるかもしれません。子育てが終わった自分のような世代とは感じ方も違うのではないかしら?

命とは?

家族とは?

母親とは?

親とは?

映画を通して、さまざまなテーマを突きつけたかったんだろうし、一定の問い掛けには成功していた部分はあったと思うけど、全体的に薄っぺらい。

「生まれてきてくれてありがとう」

うーん。まあ、そりゃそうなんだけど。

という消化不良でありましたが・・・。

ほんの身近な現実世界ではね、母親が子どもを産んですぐ、竹やぶの溝に放置して殺人容疑で逮捕されているような事件が普通に起きている。

この映画のように、子どもの命を情緒的に扱うのは稀有なことで、もっともっと現実の方が命を軽んじている残酷さが当たり前にある。こんなきれいごとなんて、どこにもない。

10点中6点。

2022年6月29日 トラジロウ

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