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スピッツ(奥田民生)「さすらい」 さすらいもしないで このまま死なねえぞ

1998年2月5日に奥田民生さんがリリースした8枚目のシングル。まさに奥田さんの生き様を体現したような歌詞ではないかと思っています。

この曲をスピッツがカバー。2007年10月24日に発売された「奥田民生・カバーズ」で、スピッツが「さすらい」を担当。木村カエラさんが「マシマロ」、斉藤和義さんが「カヌー」をカバーしてる。

で、スピッツが2012年2月1日にリリースしたスペシャルアルバム「おるたな」の2曲目に、「さすらい」を収録した。

さすらいの歌詞を見ていきます。
絶対的に、奥田さんの歌詞そのものです。

草野さんが絶対に書かないと私が考える歌詞の代表が
「周りはさすらわぬ人ばっか 少し気になった」
他者をほんのりでも攻撃する歌詞は、草野さんはあまり書かないですね。

それは草野さんのいい面でもあり、物足りない面でもあるように感じます。でも、やっぱり草野さんは草野さんのままでいいんですけどね。

奥田さんの曲では「イージュー★ライダー」とか、ユニコーン時代の「すばらしい日々」といった人生を俯瞰して、生き方を語るような曲が、私は好きです。「さすらい」はまさにその系譜にいる。

「さすらおう この世界中を ころがり続けてうたうよ 旅路の歌を」


で始まるこの曲。言いたいことはここで、すべて表現しているとも言える。

「人影見当たらぬ 終列車 一人飛び乗った」
「海の波の続きを見ていたらこうなった」
「胸のすきまに入り込まれてしまった」


このあたりの歌詞が何かの隠喩のような気もする。
奥田さんは自分自身として当たり前に生きて(さすらって)たら、なんだかみんなとは違う場所に来ちゃった・・・みたいなことを表現しているように感じる。

最後は大宣言。

「さすらいもしないで このまま死なねえぞ さすらおう」

カバーとかトリビュートとか、そういう仕組みがあるおかげで、草野さんがいろいろな曲を歌ってくれてありがたい。

出川さんの「充電させてもらえませんか?」という旅番組にスピッツバージョンの「さすらい」が使用されていて、妻に「この番組のディレクター、なかなかセンスあるな」などと高飛車な発言をしてしまった・・・。

あ、もちろん、奥田さんの「さすらい」も大好きなんですよ。

2022年8月31日 トラジロウ

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