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1945年から今日まで、10人の「在日朝鮮人作家」の作品と人生、その歴史背景を、文芸評論家の林浩治さんにミニ評伝で紹介していただきます。
(本文の著作権は、著者にあります。ブログ…
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2022年7月の記事一覧
林浩治「在日朝鮮人作家列伝」03 金石範(キム・ソクポム)(その3)
金石範──「虚無と革命」の文学を生きる
(その3)林浩治
→(その2)からつづく
4)戦後日本の闇を生きる
金石範が解放前後ソウルで親交を結んだ同志張龍錫(チャン・ヨンソック)から受け取った手紙は、1949年5月5日付けが最後だ。
張龍錫は手紙を書いたあと同志たちとともに一掃された。金石範がソウルに残っていたなら命はなかっただろう。反民特委が襲撃されたのが同年6月だ。
同じ6月、李承晩
林浩治「在日朝鮮人作家列伝」03 金石範(キム・ソクポム)(その4)
金石範──「虚無と革命」の文学を生きる
(その4)林浩治
→(その3)からつづく
5)日本語で書いて生きる── “はらわたのない人間”
金石範は日本語で生きていく決意とも言えぬところに追い込まれていった。後には在日朝鮮人の組織である朝鮮総連とも対立して、いよいよ日本語で書くという在日朝鮮人作家として自律していく。
金石範は短篇「鴉の死」(『文藝首都』1957年12月号)や「看守朴書房」(