寺田和代【Book Review】ミロスラフ・ペンコフ『西欧の東』藤井光訳
「本と歩く アラ還ヨーロッパひとり旅」
第3回 ブルガリア篇【Book Review】〔2〕◆ ミロスラフ・ペンコフ『西欧の東』藤井光訳、
白水社、2018年10月
1982年ブルガリアの地方都市に生まれ、19歳で渡米し、今はアメリカの大学で教鞭をとりながら故郷ブルガリアを舞台にした小説を英語で書いている著者の、これがデビュー作である8つの短篇集。
老人ホームで暮らす語り手が、戦争に翻弄された一族の過去と現在を行き来しながら、秘密にしてきた出来事に決着をつけるべくある