私信 虚構は事実になり得ない
あなたは
昼夜を分かたず
見たい神と
したい会話を思念する
「見る」ことを放棄した掌に
あなたの神の声となった
あなたの意思が溢れる
聞こえるのはあなたの思い
伝わるものはあなたの思い
踏みしめる大地はなく
進むべき方角もない
あなたの思いが用(はたらき)かける
あなたへ
あなたへ
あなたの中へ込められる
そうして
あなたの思いだけを映す鏡の中から
他者の目に見られたいあなたの在り方が
あなたの中へ込められる
込めて
込めて
思い込んでも
虚構は事実になり得ない
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