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そんな錯覚
待つという行為をし続けたなら
ふ・・・と軽くなるような
もう待たなくていいような
刻(とき)と見(まみ)えるような
そんな錯覚
見えない先を想うほど
機能不全になりながら
出口のない部屋を遠く離れている
そんな錯覚
陽が昇り
地に没し
自ら発光しない月が
水面で細胞分裂をして
また陽が昇る
そんな錯覚
明けない夜は
どこからも明けない
未だ来ない一秒先と
過ぎて去った一秒前と
そんな錯覚
髪が伸びて
爪が伸びて
背伸びをすれば
背伸びの分だけ遠くが見える
そんな錯覚
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