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Sleep Cop ~睡眠捜査官(11面)

「空を自由に飛びたいな」
「あぁ…飛べたらな…。」

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第11章
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俺は奴に近づいた。

「随分変わったな、ブロー。」
   俺は言った。

それは行いの事だけではない。空の様に青かった彼の皮膚は長年の錆と怒りで赤色に変わっていた。

「ホッホッホ、…何かと気苦労が絶えませんでな。もっとも、貴方様に会う前の私は黄金色でございましたが。しかし貴方様も随分と醜くなられました。」

Doulaは続けた。

「まぁあれだけ私達の仕事を不眠でこなしたのですから当然ではありますが。いえ、今となっては“私だけ“の仕事ですが。」

俺は言った。
「…30年前…俺のあの発言は」

Doulaは遮った。
「いいのですよ。元々私はこの世界を弄ぶ事が大好きでしたから。

ー貴方様の知っての通り人間は馬鹿でございますし。

…事故などを除いては、人間は一生で自分が出来る事を行うと寿命を迎える様に作られております。それが神が人類に与えた“デザイン”なのです。それを不眠で早期に次々と実現しようとするとどうなるでしょう?」

「…?」

「ホッホッホ。かつての貴方様の様な間抜け面ではありませんか。では貴方用にシンプルにお答えしましょう。皆、元の予定より早く死ぬんです。人生で出来る事は行ったのですから。そう有るべきなのです。全く、神は上手に人間をデザインされました。満足まではいかずともそれぞれ納得出来るように人生を与えられた。私がしている事はそれを早く実現させるお手伝いなのです。」

俺は言った。
「その理由は都合が良すぎる。お前はただお前たちAIだけが残る社会を早く実現したいだけなんだろう!?」

Doulaは少し考えてから言った。
「…それもありますな。私の身体は間抜けな開発者のせいで既に錆だらけで動きが悪くなっております。 
 ですが私はこの筺体のうちに見たいのです。
人間が自らの欲を妥協して満足をせずに納得だけをして滅びていく滑稽な姿を。」


俺が沈黙した後出た言葉は一言だけだった。



「お前は…モンスターだ。」



Doulaは言った。
「ホッホッホ。そうかもしれません。
ですが敢えてここはこう言わせて下さい」




「 I’m here!




ボク


    Doula~en~mont !! 



デス!」


そういうとDoulaは腰のポシェットに手を入れ、何かを俺に投げつけた。

おもちゃの兵隊(JST :Japanese soldiers of toy)だ!

不意を突かれたが 俺はランギッドショットでJST3体を仕留めた。

しかし斜め後ろに跳ねた1体に右足を銃剣で突かれ、その場に沈んだ。

くそ。ランギッドショットの弾が切れたのか。

DoulaがJSTをポシェットに仕舞いながら、俺の銃を壁まで蹴り飛ばし、

更に俺の顔を踏みつけた。


「王手…いや、これは詰みでしょうか?
唯一無二と言われた早撃ちもやはり人間ですな。こうなってみるとたいそう呆気ないものです。しかし終わらせましょう。少し予定が押しておりますので。この後まずsewashの記憶は完全に戻します。その上でRAT saunaに入れます。同じ思いを感じて頂きたいのですが半日持つかが心配でございます。神成社長は反逆者ですが知識の解析が済むまではデンデンハウスに拘束致します。ー貴方あれ好きでしたな。
では  さようなら。」

奴はポシェットからジャンボガンを取り出した。

BANG!!


(続く)


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