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ミュージカル作品紹介vol.6/ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ

9月もあっという間に10日経っていた。8月が終わると夏の終わりを感じるけれど、本日最高気温36度。まだまだ夏ですね。

ちなみに一昨日の夜〜昨日の朝にかけての台風15号のせいで深夜3時からまともに眠ることが出来ず(雨風の音がうるさくて)、交通網の乱れから結局会社に行くことも出来なかった。思いがけぬ三連休を迎えた昨日でした。

その台風の前日にEX THEATER ROPPONGIで上演されていた『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』を観てきました。ヘドウィグ役は浦井健治さん、イツァーク役は女王蜂のアヴちゃん。

この作品は1997年にオフ・ブロードウェイで上演されて2001年に映画化。マドンナやデヴィッド・ボウイも愛した作品。2014年にリバイバルの形で晴れてブロードウェイにて上演。トニー賞4部門受賞。

日本だとヘドウィグ役を三上博史さん、山本耕史さん、森山未來さんが演じてきた。そして今回の浦井健治さん。

ストーリーをこれまで同様公式サイトから引用しようとしたけれど、観てない人には難しいあらすじが書かれていたので、長くなるけれどもう少し噛み砕いて説明しようと思います(出来るかな……)。

《ストーリー》共産主義体制の旧東ドイツでハンセルという男の子は性的暴力を与えてくる父親と真面目な母親のもとに生まれる。ハンセルはアメリカのロックミュージックをオーブンの中でこっそり聴くことが好き。ある日、父親を追い出した母親から「愛の起源」の話を聞く。ハンセルは自分の「カタワレ」を探すようになる。
ハンセルはベルリンの壁のもとで日向ぼっこをしていたとき、アメリカの軍人ルーサーに見初められる。ルーサーと結婚してアメリカに渡るためにはパスポートと女性の名前、そして性別適合手術が必要であった。母から与えられた女性名は「ヘドウィグ」。そして性別適合手術で失敗し、ヘドウィグの股間には「怒りの1インチ(=アングリーインチ)」の肉の塊が残ってしまった。
ルーサーとともにアメリカに渡ったヘドウィグだったが、1年目の結婚記念日でありベルリンの壁崩壊の日にルーサーは別の男(女?)と出て行ってしまった。
嫌気がさしながらもベビーシッターをしつつバンド活動をしていたヘドウィグ。ベビーシッターをしている家にいたトミーは内緒でヘドウィグのバンド活動を見に来た。いたく感動したトミーはヘドウィグからギターや歌を習うことになった。そうする内に二人の間に愛が生まれたが、トミーはヘドウィグの股間の1インチに気付き、逃げ出してしまう。
トミーはヘドウィグの作った曲でデビューし、ロックスターとなり大ヒットを飛ばす。ヘドウィグは自分のバンドともにトミーの行く先々に巡業し、愛を捜し求める。

……って感じ……。伝わってください……。
オススメポイントは下記の通り。

①The Origin Of Love

ヘドウィグが幼い時に母親から聴く愛の起源の歌。この曲の内容がこの後のヘドウィグの価値観みたいなものを作って行動に反映される。プラトンの著作が元になっている。

簡単に言うと、世界は元々男と男、女と女、男と女の二人で一つのくっついているものだった。けれど人間が力を持つことを恐れた神がそれぞれを稲妻で切り分けた。その切り分けたものを繋ぐもの、それが愛である。という感じ。

ヘドウィグは「愛」で繋がれているもう一つの「カタワレ」を探すことになる。それが男なのか女なのかは分からないけれど。。

まさに哲学的な歌で、一度聴いただけだと理解が難しいのだけれど、聴けば聴くほど納得するしメロディも良いので中毒性が高い。

この歌を理解すると一気にこの物語の世界に引き込まれて心が震えてくる。

映画のジョン・キャメル・ミッチェルも勿論良いけれど山本耕史さんも絶妙に上手いです。ていうか本業じゃないのに何であんなに歌上手いんだ???

②イツァークの存在

ストーリーに一切登場しなかったのにこんな項目立てられているイツァーク。どんな重要人物なのか。

バンド活動をしていたヘドウィグを見たドラッグクィーンのイツァークはヘドウィグに求婚。ヘドウィグが出した条件は「ドラッグクィーンの格好を今後一切しないこと」。

イツァークにとっては「好きなものを好きと言えない」抑圧の中で生きていくことになる。

作中でイツァークは献身的にヘドウィグを支える場面が何度かある。それを蔑ろにするヘドウィグもまたいる。

最後の最後のネタバレにならないようにしなくては、と思うので結末は言えないんだけれど、ヘドウィグとイツァークは対の関係にあること、これがラストシーンのMidnight Radioに意味を持たせる。

この作品を観ている時(特に映画で)、イツァークの存在は蔑ろにされるばかりで後半は特にトミーに注目が集まってしまってすごく着目されるわけではないのだけれど、是非イツァークの目線や存在を意識しながら見てほしい。

以上!

この間観た感想も載せます、、!

まず開演前は舞台撮影オールOK。役者さん(バンドさん)がいても撮影構わない感じ。

前説的にアヴちゃんが「前の人が立つせいで見えなかったとかそういうくだらないこと言わないでください」と言っていたとおり、作中ノリノリになったら立ち上がるし声出すし手を挙げるしで終始ソワソワ。慣れてなさすぎて手を挙げろって言われても、授業中の挙手程度にしか挙げられなかった。笑

浦井健治さんはゴーストで拝見したことがあるのだけれど、彼は好青年よりこういう癖のある役の方が似合うし、歌も上手でした。

アヴちゃんは高い声も低い声も自在に操るから本当に下支えになってたと思う。ロキホラ以来のアヴちゃんだったけど、やっぱり綺麗。久し振りに女王蜂聴きたくなった。頭振ってバンギャの気持ちが初めてわかった感じ。。笑

一回一回が重たいのは事実だけど、また映画版見返そうと思いました。

10月はまた観に行く作品について書こうと思います〜!

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