【本紹介】無知が誰かを守り、自分を強くするなら勉強しようと思える本
無知であることは、時には人を傷つけるし、自分が不利になったりするけれど、知れば誰かを助けたり理解したりすることもできるし、自分を守ることができると学んだ本でした。
著者であるブレイディみかこさんの実話で、彼女と彼女の息子の日常からいろんな考え方が学べるノンフィクション物語「ぼくはイエローでホワイト、ちょっとブルー」
日本人(黄色い人種)の母親と、アイルランド人(白人種)の父親に生まれたとても「いい子」な男の子がカトリックの学校から元底辺中学に入学して不安(ブルー)な気持ちから、いろんな人種や考えを持つ人に出会い成長する話だ。
のちに彼は、「イエローでホワイトで、ちょっとグリーン」になるのだけれど、なぜグリーンなのかはぜひ本を見てほしい。
わたしがこの本を読んでとても印象に残ったのは2つ。
ひとつは多様性は大変だけれど、無知を減らすからいいことというみかこさんの言葉。
「多様性ってやつは物事をややこしくするし、喧嘩や衝突が絶えないし、そりゃないほうが楽よ」
「楽じゃないものが、どうしていいの?」
「楽ばっかりしてると、無知になるから」
無知だからこそ、人を簡単に受け入れられなかったり否定したりしてしまう。
どうしてその人がそういうふうに考えたのか、どうしてそんな発言をしたのか、その背景を考えさせられる内容だった。
相手を理解しようと歩み寄り、知ることは、無知が減るということ。
この本ではイギリスの政治的背景によりこうなっているという表現がよくあるのだけれど、私は日本の政治的歴史的背景で今こうなっていると説明できるほどの知識がない。
今自分がどういう世界で生きているのかをちゃんと知ろうと思った。
そして、世界の人はどういう歴史背景があり、どういう世界で生きているのかも知りたいと。
2つ目は、エンパシーとシンパシーの違いの話。
シンパシーは相手に対する同情のようなもので、感情的作業であり、エンパシーは人の感情や経験などを理解する能力の知的作業であること。
彼女の息子はそのエンパシーの説明を「自分で誰かの靴を履いてみること」と表現した。
この本では人種差別や貧困差別についても取り上げられているが、その中でのいじめに対して可哀想と同情するのはシンパシーで、加害者に目をつけられてでも被害者側に立ち、理解することがエンパシーではないかと思った。
この話題がでるときに驚いたのは政治問題が関わってることだ。
中学生の息子の言葉で
「EU離脱や、テロリズムの問題や、世界中で起きているいろんな混乱を僕らが乗り越えていくには、自分とは違う立場の人々や、自分と違う意見を持つ人々の気持ちを想像してみることが大事なんだって。つまり、他人の靴を履いてみること。これからは『エンパシーの時代』、って先生がホワイトボードにでっかく書いたから、これは試験に出るなってピンと来た」
自国の現状と今後何が必要になるか語れる中学生が日本にどれくらいいるだろう。大人ですら危うい。私だって語れない。
コロナやばいくらいしか語れないくらいやばい(語彙力)。
エンパシーが必要なら、無知ではいけない。知らなければ他人の靴がどんな靴かすらわからない。
この本にはたくさんの教訓があるけれど、本の帯に「一生モノの課題図書」と書かれるだけある。
これはら一度は見た方がいいと思うし、内容についてアウトプットしてもっと見解を深めるとよりよくなる本だと思う。
最近世界史を勉強しはじめたけれど、勉強しようと思ってよかったと思っている。
もちろん早いうちから勉強しているほうがもっと知れることは多いかもしれないけれど、40歳になってから勉強するよりは今の私は早い。
40歳の人が今見て勉強するなら60歳になる前に勉強したほうが早い。
無知のまま死ぬほうが楽なのかもしれないけれど、知るだけで世界が広がりいろんなことを知れるなら勉強はいつやっても遅いことはないと思う。
他人の靴を履くための一歩がこの本を読むことなんじゃないかな。
日本という国は他国と比べるととても安全だと感じると同時に、無知な人がどこよりも多い国なのかもしれないと思わずにはいられない本でした。
私は少しずつ無知であることを勉強し続けたいと考えさせられました。
たまたま昨日私がよく見ている中田敦彦さんのYouTubeでも取り上げられていたので、気になる方は是非〜!
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