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【本紹介】恋愛小説という括りにはいれたくない男女の話


文と更紗が尊い。

語彙力を失うオタクのわたしにはその言葉しか浮かばなかった。


友人に勧められて読書習慣の3冊目に選んだのは「流浪の月」という本。
恋愛小説は読みきれない可能性があるから3冊目にはしたくなかったのが本音だけれど、「続きが気になって面白いから!」とかなりオススメのようだったので、購入。


思ってた恋愛小説とは違って、本当に気になってあっという間に読み終わった。
そもそもこの作品は「恋愛小説」という括りには入らない。


それでも、最初から最後まで2人の幸せを願わずにはいられなかった。
2人が共に幸せに過ごせますように。その気持ちは読み終わった後も変わらない。


環境によって人の考え方や性格は形成されるというのが如実にあらわれていた。


育児書どおりのきちんとした家庭で育った文と、自由な家庭で育った更紗。

文は更紗と出会うことで自由を知った。
更紗は別の環境で育つことで自由を失ったが、自身が文に教えたことで自由である感覚を取り戻していく。


あのタイミングで出会った2人だからこそ、起こる事件だけれど、だからこそ2人は再び出会えたのだと思う。


感情移入しやすい性格なので何度も胸を締め付けられるような思いをしたけれど、最後はほっこりできる小説でした。

人の善意がこんなにも武器になるんだと考えさせられる話だった。
放っておいてほしいと思う人とそれに対して善意(という思い込み)で踏み込んでくる人たち。

気持ちを察することを日本人は求められることが多いけれど、ちゃんと人の話を聞いて理解しないと、人の気持ちなんてわからない。その話だって本当の気持ちかはわからないけれど。


もちろん、気持ちを察することで喜ばれることだってあるのもわかる。


それでも、「犯罪に巻き込まれた」というだけで「かわいそう」など腫物のように触る態度ははたしてその人にとって一番良い選択なのだろうか?


事実を知らないものが、知らないことに対してとやかく言うべきではないだろう。


フィクションの話でも、「こう思う人もいる」という例を知った。


自分の知らない感情や環境を知れることが小説の面白いところだったなと、小説が大好きだった頃の自分を少し思い出した。


恋愛という言葉ではない男女の関係を築いた小説でした。とにかく、文と更紗が幸せでい続けますように。



4冊目に読んでいるのはノンフィクション本。
「普通」とはなんだろう?と最初の冒頭から思えるような本です。
以前読んだコンビニ人間もそんな本だったなあ。


また感想書きます!



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