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心のケアって、そんなに後回しにすることですか?

「心の健康教育がしたいです」
保健室の先生に採用されて1年目

教室で集団に適応している子は「健康」
教室がしんどい。家がしんどい。と訴える子は
「扱いにくい子」「心が弱い子」

そんな風なレッテルを貼っている先生たちを
身近に感じて
とってもショックでした

そしてそれは、職員室でも同じ
よく気がついて、熱意があって、子どものことを第一に考えている人から
しんどくなって保健室で放課後に涙を流したり
出勤できなくなって休職されたり
心療内科が日常の一部になっている

だから1年目から
職員会議でピンっと手をあげて言いました

「心の健康教育をさせてください!」と。

そんな時間はない!学力向上、体力向上が大切だ。

今では少しは理解がある学校が出てきているかもしれない。
けれど2020年になった今でも「心の健康づくり」のために時間が確保されている学校は、本当に稀だと思います。

そして私が採用された2012年には
職員会議の空気がパキっと凍りつくほど「は?!なに言ってますか?」な時代でした。

いかに学力向上に取り組んでいるか?
いかにスポーツテストの成績がいいか?
いかに苦情が少ないか?

これを重視して、
そのノルマを果たそうと頑張っておられる先生方
お疲れ様です

研究授業・公開授業・授業満足度アンケート
教育委員会の視察対応・スポーツテストのための練習
参観日のための練習の授業
去年の6年生よりビシッとさせるための卒業式の特訓練習

外見をよくするために
準備して、練習して、実行して、統制して

なんのためにやっているのかすら
先生たちも見失ってしまうほどの忙しさに満ちた現場

なんのためにやらされているのか分かっていないままに
「みんな頑張っているから、私も頑張らなきゃ!!」と
「しんどい」の一言が言えなくなっている子どもたち

先生たちにも、自分自身の「心」と向き合う余裕はありません

こどもたちも、自分自身の「気持ち」にOKを出せる隙間はありません

それが学校現場でした。

不登校傾向の子どもの数と、心がしんどくなって休職した教育職員の数

まずはこれをみてください。

日本財団さんのグラフです

スクリーンショット 2020-08-02 22.17.31

保健室の先生として、
毎日健康観察や、出欠状態の把握をする立場にあったからこそ
「不登校」という条件定義の狭さに疑問を感じていました。

これまで毎日、元気に投稿していた生徒が8日間、欠席。

1日目「頭が痛い」
2日目「お腹が痛い」
3日目「なんとなくしんどい」
4日目「お腹が痛い」
5日目「連絡なし」
6日目「なんとなくしんどい」
7日目「体がだるい」
8日目「頭が痛い」

こんな子どもがいたとして、あなたは何か気がつきますか?

「何かあるな」と感じますよね?

①まずは体の疾患を疑う ②それがクリアになったら心の背景に焦点を移す
これは保健室の先生の基本なのですが

こんな出席状況の子がいても
担任の先生は忙しすぎるのか?
「絶対にこの子が心をしんどくすることはない」と思い込むのか?

「もしかして何かあったのかな?」という視点から、寄り添った連絡をできる先生は悲しいことに少数派です。

そして数字の話に戻しますが、この子に心の背景があったとしても
この記録では「不登校」にはカウントされませんし
「不登校傾向」にもカウントされません。

どうしてか?それを下で説明しますね♪

不登校のカウント数の定義とは?

文部科学省の不登校の計上数の定義をまとめたものです。

あなたは気づきますか??

「学校基本調査」においては、「小学校」「中学校」「中等教育学校の前期課程」に在籍し、長期欠席(原則として、欠席日数が年間30日以上)であり、「欠席状態が長期に継続している理由が、学校生活上の影響、あそび・非行、無気力、不安、など情緒的混乱、意図的な拒否、および、これらの複合等であるもの(ただし、「病気」や「経済的な理由」による者を除く。)」[1]が「不登校」の項目に算出される。
「理由別長期欠席者数」(「病気」「経済的理由」「不登校」「その他」で構成)における計上方法は、次の通りである。(詳しくは、「理由別長期欠席者数」の項目を参照のこと。)
「病気」「経済的理由」のいずれかのみに該当するものは、それぞれ「病気」「経済的理由」に計上する。
「不登校」のみに該当するものは、「不登校」として計上する。
「病気」「経済的理由」「不登校」のいずれかのみに該当しないものは、「その他」に計上する。

分かりましたか?
「頭が痛い」→「頭痛」→「病気」と解釈されるので、たとえ背景に「いじめ」や「適応障害」や「先生からの心の暴力」があったとしても、不登校にはカウントされないのです。

学校に電話して
「不登校です。」と理由を告げなければ、カウントの1にもはいりません。

誰がそんなこと電話しますか?

私はこの仕組みを知っていたので、自分の子どもが学級崩壊といじめにあって、辛くなって欠席した日には、
はっきりと「不登校です」「理由は学級崩壊です」と伝えました♪

心の優しい先生から、潰れていきます

では、次に、これをみてください。
またまたびっくりです!!

平成30年に文部科学省が発表した
教育職員の
精神疾患による病気休職者の推移(過去5年間)
です。

H26    5,045 人
H27    5,009 人
H28    4,891 人
H29    5,077 人
H30     5,212 人     全体の0.57%

増えていますよね・・・
本当にそうなんです。
これも公開されている限られた情報だと思います。
(常勤講師や臨時講師、任用期間講師やそのほかの職員さんはきっとカウントされていないので)

心の健康づくりについて学ぶのは、早い方がいいんです!

私がもともと教員だったので
学校現場のことにフォーカスしましたが
みなさん
心ってありますよね?

歯磨きや、体の洗い方と同じように、心も毎日のケアが必要なんです!

それなのに、これまでの歴史で
ずっと後回しにされてきました。

このままでは間に合わないんです!
一緒に協力してもらえませんか?

本気で出版をします!!そのための貯金にします♩出版した時には、帯を書いてくれませんか??